「すごい勢いで日本化するアジア」を読んで思うこと。

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 10月号 [雑誌]

商品とサービスは完全にボーダーレスの時代に突入、どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日こんな記事が僕のフィードに流れてきました。

すごい勢いで「日本化」するアジア « クーリエ・ジャポンの現場から(編集部ブログ)

今年の5月ここで紹介されている国々を旅してきて、昨年の12月までは中国・北京に住んでいたので、少しこの記事に関して話を膨らませながら、今日は書いてみたいと思います。

日本化するアジアの国々

この記事の中で紹介されている写真や情報は、本当に嘘偽りのない“今の東南アジア”の状況だと思います。

僕らが旅した時も、東南アジア各国の有名繁華街を歩くと、まさにこのような雰囲気でした。

タイだけに限っていえば、5年以上前にも一度旅したことがあったのですが、その変化たるや凄まじかったです。

スーパーや本屋さんでは、当たり前のように日本のものが揃っており、日本のショッピングモールにいるのか、東南アジアのショッピングモールにいるのか、一瞬わからなくなることもしばしば…。

途上国だからというより、そういう“お国柄”

今回、この記事の中で一番「同意!」って思った箇所がここです!

もちろん、日本との違いといえば、街が汚かったり、渋滞がひどかったり、騒音が激しかったり、といろいろあるのですが、それはもはや「途上国だから」というより、そういう国なんだ、と思った方が適当な気もしてきます。というのも、おそらくこれからさらに発展を続けても、そういう雑多で混沌とした雰囲気は、薄れていくことはあるにせよ、きっとなくなりはしないのでは、と思うからです。

引用元:すごい勢いで「日本化」するアジア « クーリエ・ジャポンの現場から(編集部ブログ)

僕も、東南アジアの国々が、これ以上、日本化してくるようなことはないんだろうなーと思います。

もちろん経済的な面、物質的な面で言えば、もっと日本(先進国)らしくなってくるところはたくさんあると思いますが、精神的な面や人々のマナー的なところではさほど大きな変化はないのだろうなと。

これを一番強く感じたのは、今年の1月から3月にかけて、約3ヶ月間フィリピンのセブ島で英語留学をしていた時のことです。

僕が留学した時の日本は季節は冬、フィリピンが夏(年中)です。

そうすると、まぁ暑く感じるわけですよね!
まさに最近までの日本と同じ状態。

着ているものも薄手となって単調になりますし、気持ち的にもシャキっとするよりは、暑さでダラーっとなってしまいます…。

そんな時、セブ島の町中で、ふと思ったんです。「そりゃ、季節の変化がほとんどなく、さらにずっとこのような暑さだったら、フィリピン人に日本人と同程度のメリハリを求めても、ソレは無理に決まっているな。」と。

これは、日本でシエスタが定着しないのと同じ感覚だと思います。

つまり、ここで僕が何がいいたいのかって、お国柄というのは気候に非常に左右されやすいのでは?っていうことです。

幸いなことに、日本という国は、世界でも珍しいくらい四季がハッキリとした国です。

季節の訪れを感じながら、気持ちを引き締めるときは引き締めて、安らぐ時は安らぐ。

季節や自然に寄り添いながら、そこに自分たちの気持ちも合わせてきた国だからこそ、東南アジアの国々では実現できないような国民性やお国柄が形成されたのではないかと思うのです。

ついでに言っておくと、最近話題の「若者たちが冷蔵庫の中に入ってしまう」という一件、あれも“夏の若気の至り”なんでしょう。笑

たぶん秋が来て冬になれば、あんな馬鹿げたことをやる若者もいなくなりますよ、きっと。また季節がめぐり、皆が忘れた頃に似たようなことが起きるかもしれませんけどね。笑

日本人に住みやすい環境が、本当に“あなた”にとっての最適なのか。

この記事の中には、日本人率100%のバンコクのマンションの話も載っていました。

実際にバンコクを歩くと、日本人とはかなり高い確率ですれ違いますし、日本人が多く住んでいるというような地域もあるので、実際にこのマンションは存在するんだと思います。

僕が中国・北京に住んでいた時も、日本人率100%とまではいかなくとも、日本人の人達が沢山住んでいたマンションというのは存在しました。

中国の場合は、英語があまり通じないので、中国語が出来ない日本人のために日本語の話せるコンシェルジュが常駐しているというようなところもたくさんあるんです。

確かに、こういったところは日本人に最適化されていて住むには困らないだろうし、ものすごく快適な環境なのかもしれません。

しかし、そのマンション及びその周辺には、その国や都市の”リアル”は広がっていないと思います。

本当にその国の状況や、人々の暮らしを肌で感じたいのであれば、やはりあえて意図的にこういった場所からは距離を置くべきでしょう。

もちろん、30代後半以降の駐在員で、妻子持ちであれば、話は変わってきます。自分が望んで海外赴任しているわけでもないでしょうし、奥さんやお子さんにまで海外のローカルな暮らしを強いてしまうのは、無理があります。

しかし、このブログを読んでいるような方たちであれば、20代で、自分の意志で海外に出ようと考えている人たちだと思うので、あなたにとってどんな環境が一番最適なのかは、一度踏みとどまって考えてみるべきです。

あと、単純に僕は、日本人向けの場所に住んでいる日本人が好きじゃありません。そこに暮らす多くの人たちが、何故かものすごく傲慢な態度になっていってしまうからです。

日本より劣っている部分を日頃から見聞きする機会も増えるので、なおさら下に見て軽蔑したくなる気持ちもわからなくもないですが、「絶対にあなた日本だったらそんなに横柄な態度取らないでしょ!?」って言うような人が、ショッピングモールや飲食店でデカイ態度とっている…。

自分が生まれ育った母国でない限り、僕たちは「人様の国にお邪魔させてもらっている」という感覚を絶対に忘れてはいけません。

それが海外で生活する外国人の最低限のマナーだと思っています。

輸入品の物価について

このクーリエの記事には書かれていない、日本人向け商品の価格についても少し触れておこうと思います。

アタリマエのことですが、日本の商品は他国に行けば輸入品です。日本でアメリカやヨーロッパの食材を買おうとすると、非常に高く付くのと同様、あちらの国で日本のものを買おうとすればものすごく高くつきます。

感覚的に言うと、食品も書籍も日本価格の約1.5倍から2倍というところ。

「アジアに留学、就職したい」という動機の一つに、物価が安いというのは大きな理由のひとつだと思いますが、あっちで日本のものをバンバン購入していたら、下手な話、東京に住むよりも高くつく可能性すらあるでしょう。

最後に

「海外生活を経験をしてみたい!」と言っても、結局日本人向けの場所へ行き、日本人同士でつるんで帰ってくるようであれば、あなたが今理想として思い描いているような海外経験にはならないはずです。

いざというときは、このような場所があるということを知っておくのは非常に心強いですが(特に医療面)、本当に経験したいことを明確にした上で、敢えて日本人が少ない国や都市に行ってみるということを、僕は強くオススメします。

その国に行ったらその国の人と同じものを食べて、同じ所に住んでみて、同じものを着てみる。生活リズムすら合わせてみてもいいのかもしれません。

それこそ、まさに「郷に入っては郷に従え!」なんでしょうね。そんな時期も人生で1度はあってもいいと思います。

それでは今日はこのへんで。

ではではー。

鳥井弘文

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