最近、立て続けに複数の人から「大企業は経験したことがないんだね」と言われる機会があったので、今日はそんな話から、少しコンプレックスの話をしてみようかなと。
このブログをいつも読んでくださっている方々はご存知かもしれませんが、僕はこれまで大企業を経験したことはありません。
中国の北京で働いていた時も、10人規模ぐらいの小さなベンチャー企業でした。
そのあとすぐにフリーランスとなって今の会社を起業したので、大企業経験はゼロです。
実家の両親も会社を経営していたのですが、何百人と社員がいるような会社ではありませんでした。
やっぱり自分の会社をこれから大きくしていきたいと考える時に、大企業を経験したことがないというのは、単純にコンプレックスです。
「新卒で大企業に就職しておけばよかったかなー」と思ったことも、1度や2度じゃありません。
ヘタな先入観がないから、自分たちでゼロから考えることができる。
でも、長所は短所とはよく言ったもので、大企業を経験していないかこそ得られていることもたくさんあると思っています。(完全にポジショントークですが…)
一般的な大企業では完全に思考停止になってしまっているルールや仕組みを、ゼロから自分たちで考えることができる。
例えば、下記の記事で書いたようなことは、僕に大企業経験があり、ヘタな先入観があったら絶対に採用していないでしょう。
株式会社Waseiがリモートワークを成功させるために大事にしている3つの要素。 | 隠居系男子
これから「サバティカル休暇」を導入し始める企業はドンドン増えてくると思う。 | 隠居系男子
自分たちが本当に実現したい働き方に辿り着くために、趣旨に立ち返り、ゼロから考えることができる。
これだけ変化の激しい時代の中では、これは大きな価値があり、経験がないことが逆に財産だと思っています。
学生時代に法律を勉強してしまったというコンプレックス。
一方で、自分の中に“ない”ものではなく、自分の中に“ある”もののコンプレックスも存在します。
僕の場合、それは大学時代に法律を勉強してしまったこと。
どういう意味かといえば、自分が法律を学んでしまったことで、発想が法令遵守になりすぎてしまうことがあるんです。
もちろん、DeNA問題のようなルール違反だけは絶対にしないでおこうと起業当初から思えたなど、良かった面もあります。
でも一方で、自分が「ルールブレイカー」と呼ばれるような存在にはなれないという危機感もあります。
金儲けに走り過ぎた結果、既存のルールを破ってしまうということは論外ですが、UberやAirbnbのように理念が明確で、グレーの領域から世界の仕組みそのものを変えてしまうという発想は、やっぱりベンチャー企業の醍醐味です。
でも、僕にはその発想が生まれてこない。
「しっかりとルールを守った上で、今の自分たちができることはなんだろう?」が出発点になってしまうからです。
自分の持ち合わせている知識と、常にルールに対して誠実でありたいという気持ちが裏目にでてしまう、わかりやすい事例だと思います。
最後に
色々とダラダラ書いてきましましたが、結局はないものねだりということなのでしょう。
いつだって、隣の芝生は青く見えてしまうものです。
今持っているカードと、その切り方の工夫で戦うしかない。そして大事なことは常にその趣旨に立ち返ること。
参照:全くジャンルの違う大人同士で仲が良いのは、隣の芝生が青く見えているわけではなく、その戦術やセンスに共感するから。 | 隠居系男子
今日もそんなあたりまえの結論に辿り着いてしまいました。
ありえたかもしれない過去にとらわれてしまうのではなく、今目の前にあることを淡々と一つずつ丁寧にこなしていきたいと思います。