どうも鳥井(@hirofumi21)です。
先日、「ネット上で注目される専門家になるためのテンプレは確実に存在する。」という記事を書いたら、関連リンクで貼っていた以下の記事も多くの方に読んでもらえたようです。
次世代を生きる若者が、好きなモノに囲まれた人生を送るための唯一の方法。 | 隠居系男子
この記事は、特に若い人へ向けて書いたつもりだったので、若い人たちがこの記事を読んで「自分もやってみよう!」と思ってもらえているということは大変嬉しいことです。
今日は、この記事には書けなかった「若いうちに貯めておくべきなのは、共感や信頼であってお金ではない。」ということについて、スタジオジブリの話を交えながら少し書いてみようと思います。
ぜひ若い人たち読んでいって欲しい内容となっています。
お金で買えるものはドンドン減っている。
まずはじめに、今の世の中、お金で買えるものはドンドンと減りつつあります。お金があってもできないものはできません。
例えば、今あなたが叶えたいことは、カジノで大博打が成功して、何十億円というお金が目の前に積まれれば、絶対に叶うことでしょうか。
こうやって問われると、多くの人が否と答えるはずです。
浪費する為のお金であれば、誰でもカンタンに使うことが出来るかもしれませんが、何かを実現させる為にお金を使うというのは、思っている以上に難しいことです。
スタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫さんは、以前こんな話をしていました。
お金を使うのにも才能が必要だ。何億、何十億というお金をかけて映画をつくろうとしても普通はできないし、使えるもんじゃない。
しかし、宮﨑駿と高畑勲は映画のためだったらいくらでもお金を使ってしまう。それこそ湯水のごとく使ってしまう。彼らはお金を使う天才だ。
ただし、2人は全く浪費はしない。映画作りの時は湯水のごとく使うけれど、それ以外の普段の生活は質素極まりない。
信頼や共感は、お金よりも強い働きをする。
ではなぜ、宮﨑駿さんや高畑勲さんのもとにはそれだけの大金が使うことができる環境が生まれ、素晴らしい作品を毎回創り上げていくことができるのでしょうか?
きっとそこには、「共感」や「信頼」が貯まっているからなんでしょう。
宮﨑駿さん、高畑勲さん、そして鈴木敏夫さん、彼らが今まで創ってきた作品、そしてスタジオジブリが行ってきた様々な活動を通じて多くの人々が強く共感し、信頼している。
だからこそ、鈴木さんは毎回何十億というお金を、新しい映画のために集めてこられるし、日本で指折りのアニメーター達もそのプロジェクトに参加しようと決意してくれる。
その結果、そこには大金が用意され、それを湯水の如く使うべき環境が生まれてくるというわけです。
つまり「共感・信頼が生まれる→人が集まる→お金も集まる→お金をつぎ込む環境が生まれる→完成した作品を通じて更なる共感・信頼が生まれる。」という好循環がそこにはあるわけです。
何をやるかではなく、誰とやるか。
今後、お金だけで手に入れられるものというのは、本当に単純な物質だけになっていくでしょう。
自分の理念やビジョンに近い人が集まってもらうためにも、「まずお金」ではなく、「まず共感」というように変わりつつあります。
たとえ、高額の報酬を払ったところで、その労働力や制作物は買うことができても、その気持ちや忠誠心までは買えません。
逆に、「共感」や「信頼」を担保にして人を集め、それを達成するだけの環境を整えることできれば、クラウドファンディングなどを通じてお金を集めることは可能な時代です。
参照:なぜクラウドファンディングはアフィリエイトを導入しないのか? | 隠居系男子
本当に重要なのは、同じ志しを持つ人々と出会えるかどうかであって、その人と出会うための過程の方がより重要になってくるわけです。
そして、若い人たちが今すぐにでも行える方法というのが、「次世代を生きる若者が、好きなモノに囲まれた人生を送るための唯一の方法。」の記事の中に書いたことだと僕は思っています。
最後に
鈴木敏夫さんが日テレの新入社員へ送った言葉。「何をやるかではなく、誰とやるかなんだ」というこの言葉が、今日書いたことの全てを語っているような気がします。
参照:ジブリ汗まみれ スタジオジブリに日本テレビに入社されたばかりの新入社員の方達が見学に訪れた時の模様をお送りします。(※音が出ます)
いま自分たちが立ち上げている訪日ウェブメディアに協力してくださっている方々も、「共感」や「信頼」で集まってくれた方々がほとんどです。
実際にお会いした時も、普段から「Hibilog」や「隠居系男子」を読んでくださっている方が多いので、ものすごく話がスムーズに進んで行きます。
だからこそ、高校生や大学生には、とにかく「場」作りに励むことをオススメします。下手に学生ベンチャーを始めてしまうよりも、いざ旗を上げた時に「君だったら!」と思ってもらえるような、徹底した場作りや「共感・信頼」の創出に専念しておくことが、後々ものすごく役に立つことになるでしょう。
今回の話が、何かを始めたいと考える若い方々の参考になれば幸いです。
岡田斗司夫さんが書かれた『評価経済社会』という本の中にも、これに近いことが書かれているので、興味がある方はぜひこちらも読んでみてください。Kindle版もあります。
それでは今日はこのへんで!
ではではー。
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