どうも鳥井(@hirofumi21)です。
先日Kindle版も発売された堀江貴文著『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』を読み終えました。
読み終える前までは、いわゆる「書評本」だと思っていて、書籍のジャンルで章分けして、一節ごとに本を解説しているもんだと、てっきり思っていました。
しかし、全くそんな本ではなくて、本当に題名通り「考えた」部分がメインとなっています。その本が実際にどのように役立ったのか、そこから学んだことを如何に広げていくのか、その“ホリエモンの思考過程”を知ることが出来ます。
今回は、この本を読んで気になった所をいくつかピックアップし、自分の思うところを少し書いてみようかと思います。
職業は沢山経験したほうが刺激的
初っ端から読書に関係ないように思える部分ではありますが、この部分が本書の一番の肝だと思うので、最初にご紹介しておきます。
堀江さんの現職は何ですか?
堀江さんは最近よくこの質問をされるそうです。その時、「実業家」と答えるようですが、ご本人はコレに納得していないようで…。
本書から引用します。
実業家といえばそうなのだが、それは僕にとって、「あなたは何ですか?」と聞かれて「人間です」とか「日本人です」とか答えているようなものにしか思えない。何か言ってそうで何も言っていないのが「実業家」という言葉ではないかと最近良く思う。
それと同時に、そもそも人生で一つしか仕事をしない、自分の仕事が一種類しかないというのは、時代遅れではないだろうか?
(中略)
職業は沢山経験したほうが刺激的だし、いろんな視点が身について相乗効果が出るはずだ。むしろ今の時代、いろんなスキルの分野が、何かのイノベーションで突然ツナガルということがよく起こる。その時、自分が過去に経験していた職能が案外役にたったりするものだ。
それに何より楽しくないか?
この発想は非常に同意です。
堀江さんは以前から「情報のシャワーを浴びる」と表現していますが、収監されてシャワーどころか、情報の滝に打たれてきたんだと思います。
書籍をガンガン読み込んできたことによって、以前にも増してこの考えがより一層強まったのではないでしょうか。
本の中で追体験したことを自分も経験できる時代
本というのは読めば読むほど、そこに描かれていることを追体験できるので、いろいろな分野に興味が湧いてしまうのは当然のことだと思います。
昔であれば、そういった思いも本を閉じた時点で諦めなきゃいけませんでした。しかし今は、それを実現できてしまう時代です。
それは今までもこのブログで散々書いてきたように、ネットのインフラや国のボーダーレス化がそれを可能にしてくれるはずです。
このブログも、そのような考えのもと、あえて“ジャンルレス”に書いていて、自分の興味があることをメインに書いています。
「ブログでアクセスを稼ぎたければ専門に特化しろ!」というのが昔からの通説ですが、書きたいことを書いたほうがいい!本当にそう思います。
どうせ一人の人間が一度に興味を持てる範囲なんて、たかが知れています。なので、意識しなくてもジャンルはある程度まとまっていきます。だったら自分の「視座」を思いっきり売りにしたほうがいい。そして、それが何より「楽しい」はずです。
日本人の魔女狩り体質について
オウム事件を扱った書籍、森達也著『A3』という作品を紹介しながら、堀江さんは日本人の魔女狩り体質について警鐘を鳴らしています。
マスコミの扇動報道の危うさ
この『A3』は話題作でありながら自分はまだ読めていないのですが、内容は、オウムの一連の事件から、マスコミの構造や現代社会全般すらも見通せるようなものとなっているらしいです。
マスコミが「オウム=悪」とゆう構造をつくってしまったせいで、僕たちは何も疑うこと無く「オウム=悪」と捉えてしまうようになってしまいました。
オウム事件に限らず、僕らは、実際に起きた事実をもとにそう判断しているのか、それともマスコミによってそう“思わされて”しまっているのか、この章を読むとハッとさせられてしまいます。
中国の反日デモ=悪という構図
この話の典型例として、堀江さんは日本人の「北朝鮮」に対するイメージをあげているのですが、以前このブログでも書いた「中国の反日デモ」に関しても同じことが言えるのではないでしょうか。
参照:反日デモ最大級のあの日、僕は北京日本大使館の前にいた。 | 隠居系男子
昨年の反日デモ時の日本のマスコミ報道では、中国人が暴徒化した部分だけを切り取って、何度も放送していました。あれだけを見せられれば「中国=悪」と思ってしまっても仕方がありません。
しかし、本当に暴徒化した人たちなんて、数万人の中の何百人であって、その人数は全体の数%でしかないわけです。
それをまるで、参加者全員がそうであったかのごとく報道することにより、マスコミは「中国=悪」という構図を日本の中で作り出してしまいました。
僕が記事の中でも書いたように、実際のところは、お祭り半分で参加した人もいれば、参加したけど「あくまで国家間の問題」と冷静に捉えていた人もいて、本当に人それぞれです。
実際に現地へ行き、彼らを個人として捉えて対話をしてみれば、絶対に「中国=悪だ」なんて短絡的に判断してしまうことはあり得ません。
記事中にもあるように蒼井そらさんという、日本では比較的風当たりの強い職業を経た女性が、今日本と中国の架け橋となってくれていることも、なんだか象徴的であるように感じます。
日本人は、普段大人しいだけに、大きな事件が起こるとすぐに魔女狩りを始めてしまいます。暴徒化しない分、この部分のヒステリックさは異常なものです。自戒も込めて、本当にこの中立的な視点は常に失いたくないものです。
最後に
本を紹介する記事が長くなってしまってもよろしくないと思うので、具体的な内容に言及するのはこの辺にしておきます。
本書の中で紹介されている冊数は決して多くはないですが、本当に様々なジャンルの本が紹介されているので、何かしら自分に響く部分があると思います。
他にも個人的に気になったところといえば…
- 年収1000万円から1500万円に増加した男性が、1億円から5000万円に落ちた男性よりモテる理由。
- 「成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集」が止まらないくらい面白い!
- 成毛眞さんとの対談の中で語られていた「なぜAmazonレビューは全く役に立たないのか?」
など、興味深い話はたくさんあります!
また、以前書いた「大前研一×堀江貴文『日本のテクノロジー』対談は文系にもみて欲しい!」の記事でも紹介した、新刊『ゼロ』の着想の経緯も書かれていました。
更に、文系が理系的な思考を学ぶ上での有益な書籍などもいくつか紹介されていたので、大前研一さんとの対談を見て、理系的な思考を学ぶ意欲が湧いた人にもオススメです!
本を読んだら、その本をどう解釈して、自分が生きる上でどう活かすのか、それを読みやすい文章でサクッと学べるので、興味がある人は是非手にとってみてください!
それでは今日はこのへんで。
ではではー!
鳥井弘文
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