『KAMINOGE 鈴木敏夫 with 川上量生』から考えるニッチな雑誌の新たなカタチ。

KAMINOGE vol.25

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

まさか、このブログでこの雑誌をもう一度取り上げることになるとは思ってもみませんでした・・・。

だって、本当は格闘技雑誌ですから。個人的にはものすごく縁遠いところにいるわけです。

しかし、前回の井上雄彦さんの巻頭インタビューに引き続き、今回は「鈴木敏夫さん with 川上量生さん」なので紹介しないわけにはいきません。

参照:KAMINOGE vol.24 井上雄彦が考える「強さ」とは何か? | 隠居系男子

そして、この2つのインタビューを読んでみて、雑誌の新たな可能性についても少し思うところがあったので、その部分についても少し書いてみようと思います。

ジブリの“過激”な仕掛人 鈴木敏夫

まず、結論から言ってしまうと、今回のこのインタビューは今までに全く読んだことのないもので、“個人的”には大変面白かったです!

鈴木敏夫さんに関する記事やインタビューは、『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』なども含め、かなり触れてきたという自負はありますが、それでも今回のようなインタビューを読んだのは初めてです。

では、実際にどんなインタビューなのかといいますと、まずは下ネタ満載!

いや、下ネタというほど下衆いものではないかもしれませんが、ジブリ映画の中に込められたエロス、宮﨑駿さんの中にある妄想の世界を「そんなに喋っちゃってもいいの!?」っていうぐらい語ってくれています。

そして、宮﨑駿さんに対する愛のあるダメ出しもいっぱいで、読んでいるこっちがついついニヤニヤしてしまう程です。笑

もちろん、それと同時に真面目な話もたくさんあって…

  • 鈴木さんも川上さんも自分が仕掛けたものを横から見ているのが好き。
  • 金儲けするなら独立した方がいい。でも成功した人の末路はろくなもんじゃない。
  • 鈴木さんがジブリの社長になりたくない理由。
  • 特定秘密保護法案がジブリ作品に与えた影響。

などなど…鈴木敏夫ファンからすると読みどころ満載なインタビューとなっています。

KAMINOGEらしさがインタビューに溢れている。

ただ、このインタビューを「面白い!」と思ってくれる人がどれほどいるのかと考えてみると少し疑問です。

個人的には鼻息を荒くしながら食い入るように読み進めたわけですが、きっとかなりのジブリファン・鈴木敏夫ファンじゃないと、この面白さは理解できないような気がします。

そう考えると、やっぱりメジャーな雑誌ではこのインタビューはあり得なかったのでしょう。

前提知識がある中で読むからこそ、今回のインタビューは非常に面白いのであって、それがない人が読んでもきっとキョトンとしてしまう。

それは川上量生さんに対しても同様で、やはりある程度川上量生さんに対して知識がなければ「なぜこの人がこんな合いの手を入れてくるのか?」ということもわからないでしょう。

でもだからこそ、いいな!!と。

そこに「KAMINOGEらしさ」があるような気がします。

僕はまだ前回の井上雄彦さんの回と、今回のインタビューしか読んでいないのですが、それでもこの2つの中には他にはない「KAMINOGEらしさ」があったと思います。

それはまさに、「ここでしか語らない、ここでしか読めない。」というもの。

ニッチな雑誌がメジャーな人物の特集を組む時代!?

僕がこの2回分のインタビューを読みながら思ったのは、これからこういったニッチな雑誌で、全く本筋とは異なった面白い特集が組まれていくのではないかということ。

そもそも、井上雄彦さんや鈴木敏夫さん、川上量生さんのように個人で集客力がある人達、コアなファンがいる人達にとっては、発表する媒体が何であろうと、ファンはちゃんと読みに来てくれるわけです。

今の時代、何かの雑誌で特集が組まれたことは、SNSなどを通じてファンの間では瞬時に伝わっていくので、その情報さえフォローしていれば読み落とすということはありません。

逆に、にわかファンやアンチが読んでいる可能性も多分にある、『BRUTUS』や『Switch』のような有名カルチャー誌だと、都合の悪い話も多いはずです。

その証拠に、3名共インタビューの中では、非常にのびのびと語っている印象がありました。

KAMINOGE』のような格闘技雑誌だから、読む人も限られていて、ある種の炎上が起こる心配もない。

更に格闘技に寄せて話すので、普段文化的な側面から話を展開している人達にとっては、新たな一面も出すことができる。

そんな風に考えると、今後「メジャーなものをあえてニッチな雑誌で特集していく。それも本筋とは全く違った切り口で。」という流れはドンドン加速していくのではないでしょうか。

最後に

さて、ここまで内容のことばかり触れてきましたが、雑誌の中で使われている写真もすごく印象的で、表情豊かなカットがたくさんありました。(表紙をみてもそれは明らか。笑)

これもやはり、普段プロレスラーの方々を撮っているからこそ、出てくる“味わい”なのでしょう。

内容の面白さだけではなく、色々な可能性を感じさせてくれた『KAMINOGE

ここまでくると、今後の特集にも期待してしまいます!

次は更に振り切って、能年玲奈・橋本愛のコンビで「潮騒のメモリーズ」とか、キョンキョンとかはどうでしょうか?

さすがにそれは無理ですかね…。笑

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

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