Pen「東京の楽しみ方教えます」特集にみる新しいライフスタイルの提案の仕方

Pen (ペン) 2014年 3/1号 [雑誌]

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

いまさらではありますが、「Pen (ペン) 2014年 3/1号」について書いてみようと思います。

以下の記事にも書かれていますが、今回のこの特集かなり良い出来だと思います。

「Pen (ペン) 2014年 3/1号 東京の楽しみ方、教えます。」雑誌メモ – Future Insight

今回は、自分が読んでみて気になった部分を3つほど紹介しつつ、何が良かったのか少し考察してみようかなと。

「手書き・ナチュラル」など最近のトレンド

まずは王道ではありますが、最近の観光雑誌やライフスタイル雑誌にありがちな「肩肘張りすぎない見せ方」がうまいなと。

自然体のイラストの挿絵だったり、手書きをそのまま採用したような地図だったり、写真でお店や場所を紹介するだけではなく、そのあたりのビジュアルを含めた見せ方が非常上手かったです。

キュレーター目線からの特集の組み方

次に気になったのが、特集がキュレーター目線であること。

今までのガイド雑誌は、エリアごと分かれており、まずはわかりやすくその土地のメインのお店ガッツリと掲載し、あとは小さく複数の店舗を紹介するという形でした。

しかし、今回の雑誌は、どのお店も同じぐらいの大きさで特集されており、そこに明確な優劣は見えてきません。

掲載順序もバラバラで「この有名店が後で、これが先!?」というような並びが多かったのも非常に印象的でした。

それも全て、場所がメインではなく紹介している案内人(キュレーター)の視座がメインになっているということが原因なのだと思います。

例えば、代官山特集であれば博報堂アートディレクターのツチヤヒロノブさん、インテリア特集はインテリアスタイリストの川合将人さん、セレクトショップ特集はファッションディレクターのカワサキタカフミさんなど、人が見える特集の組み方になっているんです。

一般的にはそこまで知名度が高くなくても、目利きの人物を人選して、そこから紙面を構成していくのは目新しく感じますし、上手いなと。

リアルなライフスタイルの提案

3つ目は、「読者のリアルなライフスタイルにだいぶ寄せてきている」ということです。

今までは「消費者(読者)はこうあるべきだ!」というタイプの街特集が主流でしたが、今回は読者が「こうありたい!」というところを探って、そこにしっかりと置きに来ているなと感じられる部分が多かった印象です。

例えば、ファッションのセレクトショップ特集の冒頭部分。少し引用してみます。

セレクトショップにもいろいろあるが、いまの「東京らしい」センスが感じられるのはどんなショップだろうか。

まずはカワサキさんが挙げるキーワードはミックス感だ。

つまり一つのコーナーで色々なブランドのアイテムが見比べられること。ブランド毎にコーナーがわかれていると、どんなにいいものがあっても、馴染みがなければ素通りしてしまう。ブランドを探すのではなくて良い物を探すというスタイルが今の東京の気分なのだ。

もうひとつのキーワードは「リアル感」だ。人気ブランドだからといってコレクションを全てラインナップするのではなく、東京の街に似合うリアルクローズが、しっかりとセレクトされていることが重要だという。

決して奇抜になりすぎず、こなれたセンスにあふれたアイテムが丁度いい、というわけだ。

これでもやはり雑誌のおしつけがましい感じは残りますが、「業界人大注目の新しいショップが〜、パリでも評価される〜、西海岸の風が感じられる〜」などなど、読者が置いてけぼりの内容ではなく、だいぶ読者の方に寄せてきたなぁと感じられる内容になっていると思います。

セレクトショップ特集に限らず、飲食店やアートギャラリー、インテリアショップなども、読者が今漠然と感じている空気感のようなものを上手く探り当てて、そこを狙いに来ている感じがしました。

紙面の順序にしても、突然ガチな軍物を扱うお店を紹介したり、新橋のカプセルホテル、しっぽりとした釣り堀、Wi-Fiやコーヒーがある「俺のカフェ」特集など、一見統一感がなく、様々なライフスタイルを提案しているように見えるのですが、全体を通して見た時、全て一人の読者に響くというような、一人の人間の多面性を狙っているところが良かったなと思います。

最後に

この特集のノリで、以前このブログでも書いた「東京右半分」についても紹介して欲しかったなと。やはり新しい東京と言っても、まだまだ西側がメインであるということなのかもしれません。

参照:僕が「東京右半分」を面白くて、つまらないと思う理由。 | 隠居系男子

PenはKindle版で購入できるようになりましたし、電子になったことで保存も非常にしやすくなったので、この号は買っておいて損はないと思います。

興味がある人は是非読んでみてください!

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

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