どうも鳥井(@hirofumi21)です。
BRUTUS特別編集が、またやってくれました。
「一気に読み切る総まとめ」と題して、日本美術と西洋美術を時代別にわかりやすくまとめてくれています。これがすごく面白くて、勉強になったので、今回はこの雑誌をご紹介します!
興味ある方、これは一読の価値アリですよ。
やっぱりずば抜けている、江戸時代。
日本史の流れの中で読んできても、やっぱり突出しているなぁと思わされるのが、江戸時代。
江戸時代の日本美術には、有無を言わさずの「存在感」があります。
やはり、江戸(東京)が中心となり、この当時から町人文化となって広がっていったというのが一番大きな原因なのでしょう。
誌面には江戸を代表する作品が多数掲載されているのですが、その絵の力強さとインパクトは、他の時代とはまるっきり異なります。
自然と惹きつけられてしまうというか、そこに「活気」があるようにみえるのです。
このブログでもよく書いている“人気(ひとけ)”や“にぎわい”のようなものが作品からヒシヒシと伝わってくる。さらに、“侘び寂び”に対するカウンターカルチャーではないですが、随所に「侘び寂びの影」も感じられるというのが、また素敵だなと…。
日本史という時間軸に沿って、江戸という時代を読み解いていくと、やはりこのような要素が江戸の魅力なんだなと、再確認できました。
参照
葛飾北斎も現代を生きる上であまりにも参考になるので、誰にも教えたくない。 | 隠居系男子
松尾芭蕉も現代を生きる上であまりにも参考になるので、誰にも教えたくない。 | 隠居系男子
日本が始まった。室町時代。
そして、今回のBRUTUS特別編集を読んで、俄然興味を持ち始めたのが「室町時代」です。
「日本が始まった。室町時代」と題されており、まさにそう思わされるような内容となっていました。
以下で、少し引用してみます。
8代将軍・義政は思うに任せぬ政治への関心を次第に失い、1483年、俗世を避けて東山の麓の山荘に引きこもった。
屏風や几帳で仕切って使う大空間から、壁を立てて屋内を仕切り、板の間に畳を敷き詰め、常時そこで過ごすことのできる新しい生活空間ー現代の我々が知る「和室」へ。寝殿造りから書院造りへの転換期に義政が身を置いた私室は、わずか方丈(1丈四方=四畳半)の部屋だった。
限られた知己を招き、胸襟を開いてもてなすプライベートな居室は、そのご勃興する侘茶の茶室の原型とも言える。世を捨てた将軍が最後に辿り着いた、限りなく丹精で清潔なこの場所から、日本的、と言われる空間が始まったのである。
なんとまぁ、ワクワクが止まらない文章なのでしょう…。こうゆうところは、文字通り「隠居系男子」なんだと思います。
そういえば鈴木敏夫さんも事あるごとに「日本が始まったのは、室町時代だ」と言っていたなと。
今回の雑誌をキッカケに、これから自分の中で室町時代のブームが来そうです。
日本美術×現代アート
さて、この雑誌でもう一つ面白かったのが「日本美術×現代アート」特集。
雑誌自体は、縄文時代から明治時代までの日本史を一気読み切るカタチで構成されているのですが、最後の4ページで、2000年以降の日本の現代アートと日本美術の関係について、年表形式でまとめられています。
そして、これが非常に面白い!
解説をしている山下裕二さんも書いていますが、「団塊の世代は日本の文化に対する拭いがたい劣等感と、アメリカへの憧憬を抱いて育ったため、日本美術を見ようともしない人が大半だった」と。
でもいま日本美術を意識的に見てくれている若い人たちは、未知のものとして日本美術を見ていて、新鮮な気持ちでそれを受け止め始めている。
さらに、タイミングよくそれがインターネットの普及と重なったことで、ネットを通じて爆発的に共有され、口コミが発生し、「日本美術ブーム」と言える状態が出現したのだと。
そんな状況下の中で、2000年以降にどのような「出版」や「イベント」が行われ、どのように日本美術ブームが勃興してきたのか、それがこの年表を通して見ることができます。
この年表を眺めていると、これから更なる日本美術ブームが来るのだろうなということは予測できますし、そうならないわけがないだろうと変な確信が持ててしまうほど…。
「和樂」という雑誌の編集長も以下の記事で「日本文化ブームが来る!」と仰っていましたが、今回のBRUTUS特別編集を読んでみて、改めてその意味するところがわかったような気がします。
参照:現代は第二次ジャポニスム!和樂編集長「2020年まで日本文化ブーム続く」と語る
最後に
「西洋美術がわかる。」の方はまだ一切読めていませんが、きっとこっちはこっちで非常に良い出来栄えなんだろうなと。
「日本美術や西洋美術に興味はあるけれど、何から読んでみればいいのかわからない…。」そんな人に非常にオススメしたい一冊となっています。
「ネット記事以上、新書以下」という、いい感じで取っ付きやすい今回のBRUTUS特別編集、ぜひ読んでみてください。
それでは今日はこのへんで!
ではではー!