佐久間裕美子著「ヒップな生活革命」を読んで。僕らはもうアメリカの真似をするべきじゃない。

ヒップな生活革命 (ideaink 〈アイデアインク〉)

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

昨日ぐらいから話題になっている以下の記事。

アメリカ人の生活を変えている「ヒップ」な革命とは? 佐久間裕美子さんに聞く・前編 | ライフハッカー[日本版]

丁度僕もこのインタビューの元になっている本『ヒップな生活革命 (ideaink)』を先日読み終えたばかりなので、今回はこの本について書いてみようと思います。

僕がこの本を読んで思ったことは、ただひとつ。

「今、僕らにとって大切なことは、やっぱり“土着の文化”に立ち戻ることなんだ」ということです。

もうアメリカの真似をする必要はない。

この本を読むと「メイド・イン・アメリカが最高だ!」と信じて育ってきた上の世代の人たちは、「また、面白くてセンスのあるアメリカが戻ってきた!」と思うのかもしれません。

しかし、僕はそうじゃないと思っています。少なくとも、この本の中で語られている新しいムーブメントというのはそうゆう話ではありません。

今アメリカで起きているのは、目の前にあることに対して一つ一つ丁寧に行っていこうという流れ。それこそ「地に足が着いたような生活」です。

たとえば、サードウェーブコーヒーの勢いなんかがまさにそう。東洋経済オンラインの記事で紹介されていた以下の表が非常のわかりやすいので引用してみます。

東洋経済オンライン

画像参照元:「スタバの次」の時代到来は必然である? | コーヒーで読み解くビジネス戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

このように、今アメリカで起きていることは、「標準化と均質性の追求」ではなく「個性と多様性の追求」なわけです。

もちろんその思想自体を広げていきたいとは思っているかもしれませんが、そのビジネスを世界展開して画一化させていきたいとは思っていないはずです。それよりも、自分たちのコミュニティや土着の文化の方が優先的で何よりも重要。

だからこそ、僕らはポートランドやブルックリンから学ぶべきことはたくさんあっても、そこで流行っていること自体を模倣して真似ることは答えじゃないはずなんです。そして彼らもきっとそれを望んでいないでしょう。

「自分のコミュニティや文化圏の中だったら、それをどうやって体現するの?」もっと言ってしまえば「今本当に自分たちが気になっていることは何?」それに対して答えを導き出すことが今僕らに求められていることなんだと思います。

激動の時代の中で「生きる」を捉え直す。

本書の中で、佐久間裕美子さんは以下のように述べています。

サブプライム危機が起きて、それまで揺るぎないものと思われていた「アメリカン・ドリーム」のあり方が、もはや絶対ではなくなりました。

自分とは無関係だったかもしれない国家レベルのマネーゲームの失敗のおかげで、家や車といった物質の価値がある日突然変わってしまう危機を体験したからこそ、物的所有や金銭的成功よりも、自分の人生の舵を自分で取れる状況を作ることや、自らが社会を変える力の一部になろうとする力が、メディアや文化の様々な場所に生まれてきたのかもしれません。

アメリカではリーマン・ショックをきっかけに、このムーブメントが加速してきたわけです。日本でも同様に3.11をその契機として「生きる」とは何かを考え直す人々が増えています。

世界的に広がりを見せているこのような思想や価値観を横目で見ながら、あとは自分たちの日々の「生き方」について僕らは目を向けていくべきなのではないでしょうか。

最後に

「自分たちが住む国やコミュニティ、土地に一番求められている文化とは何だろう?」それが今一番大切なことなのだと思います。

だからこそ、“土着の文化”に立ち戻るべきなんだろうなと。それこそ、以下の記事でも書いてきたように。

参照
地に足の着いた人々から新しい文化は生まれていく。を伝えたい。 | 隠居系男子

真のグローバル化とは、徹底的に日本の原風景を理解すること。 | 隠居系男子

「ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉」でガウディに全く心惹かれなかった理由と、心底行ってよかったと思う理由。 | 隠居系男子

本書の最後にも書かれていますが、日本人が一番こういった思想を体現することが得意だったはずです。今こそ日本の文化の核としてあったものがなんだったのか、振り返ってみる時期なのではないでしょうか。

気になる方はぜひ本書を手にとってみてください。「今のアメリカを知る」というよりも、自分たちの生き方や考え方を考え直す良いきっかけになると思いますよ。

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

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