どうも鳥井(@hirofumi21)です。
以前「その人“らしさ”とはどこから来るのだろう? | 隠居系男子」の記事で少しだけご紹介した「ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち」。
この本、本当に面白いです。
あまりに面白すぎて、ブログで紹介するのももったいない気がしてきたので、前言撤回して内容に関する書評記事は書かないことにします。
代わりに水野敬也さんのつぶやき載せておきますので、こちらをどうぞ。
「ニコニコ哲学」川上量生著がめちゃ面白ったです。昨日の深夜になんとなく読み始めたら面白すぎて一気読みして寝不足気味です。コンテンツやクリエーティブがとんでもないレベルで俯瞰されてます。「ニコニコ哲学」http://t.co/mZ9lJoj736
— 水野敬也 (@mizunokeiya) 2014, 11月 18
このつぶやきを読んでみても読みたいと思わなければ、読まなくて良いと思います。
さて今日は、この本を読みながら思った「いまクローズドの空間で書くこと・語ること」について少し自分なりの考えを書いてみようかなと。
有料で会員制でクローズドなサイトで公開されるはずだった。
今回の書籍はcakesの「川上量生の胸のうち」という連載をまとめたものとなっています。
つまり、有料会員制のクローズドな環境でしか読めないということを前提として語られたものです。まぁ実際は「今だけ無料」でかなりバイラルしてしまったんですが…。
それは本書の中で川上さんも語っているところです。
連載が始まって驚いたことに、有料で会員制でクローズドなサイトのはずのケイクスで、ぼくの連載は無料記事として、非会員でも読める状態で公開されていたのだ。
ネットの片隅でつぶやいたつもりの、ぼくのとっておきの危険な話はあっというまにツイートと〝いいね〟をされまくり、はてブではホットエントリに駆け上がった。
なんてこったと思ったが、もう遅い。諦めてエゴサーチしていたのだが、意外なことにそれほどネットは荒れていない。それもこれも加藤さんの編集能力のおかげだろう。
このクローズドな環境のおかげなのでしょう、川上さんの連載やインタビューの中でもかなりキレッキレな部類に入り、歯に衣着せぬ物言いが読んでいて最高に面白いです。
川上さん初の書籍「ルールを変える思考法」もとても興味深い内容ではありましたが、書籍として出されることを前提として書かれていたため、ライブ感というか、臨場感のようなものはやはり失われていて、少し内容が丸くなっていたと思います。
参照:ニコニコ動画を運営するドワンゴ会長・川上量生著『ルールを変える思考法』が完全に星5つだった! | 隠居系男子
トークイベントの空間とも異なる。
クローズドな環境といえば、人数限定のトークイベントでも同様の効果があるように思われます。
しかし「限られた時間内で、目の前に聴衆がいる」という点でやはり異なるのではないでしょうか。トークイベントの場合には会場の雰囲気や、聞き手を意識した内容になってしまいますから。
川上さんが以前ゲンロンカフェにご出演なさったときのトークイベントに参加したこともありますが、本書のインタビューほど突っ込んだ内容は話していなかったように思います。
参照:ゲンロンカフェ主催「風立ちぬ」公開!川上量生×東浩紀対談「川上量生の見た宮崎駿と鈴木敏夫~コンテンツとプラットフォーム~」に参加して来ました。 | 隠居系男子
敢えてクローズドの空間で話したり、書いたりしてみる。
この本を読みながら思ったのは、今までオープンな空間で話してきた人が、敢えてネット上のクローズドの空間で話したり書いたりしてみることがいま面白いのではないかということです。
自分も最近noteの有料マガジンを始めて、オンラインコミュニティメンバーの皆さんに向けてクローズドな空間の中で記事を書いているのですが、書く時のテンションが全く異なります。
特に意識したわけでもないのですが、このブログを書いている時とは自然と変わってきて、自分でも驚きました。
参照:「note」で有料オンラインコミュニティ始めます。 | 隠居系男子
最後に
数年前までは、どんどんオープンな方向へ向かっていたインターネットという空間が、今ここにきてかなりクローズドな方向へと舵をきり始めたと思います。
LINEグループ然り、有料メルマガ然り、オンラインサロンに然り…。不特定多数の人が見れないところで、何か新しいものが生まれてきているように感じます。
「フローなんだけれど、クローズドな空間」というのが今後キーワードになってくるのではないでしょうか。
そして、できればそこに“編集作業”も入った方がいい。今回の連載の面白さも「ケイクスの加藤さんが編集している」というところがとても大きなポイントだと思うので…
これについては、また別の機会に書けたらいいなと。
それでは今日はこのへんで。
ではではー!