最近気になるロボットの話。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日、奥田浩美さんのインタビューを読んでいたら、ロボットに関してとても興味深いことが語られていました。

今はまだ、ロボットに対して人間が何かをしてあげられる時期なんです。だからこそ、介護施設などでロボットを活用することにはとても意味がある。これからは少子高齢化が進んで子どもが減り、面倒を見てあげる存在が減少する時代です。そういうとき面倒を見てあげたくなるロボットがいることで、人と人のつながりやコミュニケーションが生まれていくと思うんです。

私は、何かに貢献したいと思う気持ちこそが人間の本質だと思っています。多くの開発者は、完璧なロボットをつくろうとしがちで、だから介護ロボットというと、歩行を助けるロボットやおむつを換えてくれるロボットなど、面倒を見て「あげる」存在ばかり。私はそうではなくて、逆に人間から面倒を見て「もらう」ロボットがひとつの領域として絶対にあるべきだと思います。

実はロボットって、国や文化によってイメージが違います。日本人には、そういうふうに人とコミュニケーションして共存するロボットが受ける。アトムやドラえもんの世界が根底にあるからでしょうか。一方で、米国では、ロボットは戦うための兵器のようなイメージがあって、実際に開発現場を見ると、歩いてくるものを突き飛ばして起きてくる、走ってくるロボットを蹴り上げる、といったどこか戦闘的なロボットがつくられている。また、ヨーロッパでは移民の延長の視点で、人間の代わりの労働力になるロボットをつくりたいという発想が根底にあって、だから「そもそもロボットに顔は必要だっけ?」みたいな感じなんです。

引用元:限界集落という「未来」から見える、シビックテックの底力~ウィズグループ代表取締役 奥田浩美氏 – 電通報

このお話を読んだとき、なんだか純粋にワクワクしたんですよね。

「人類は、ロボット(AI)に滅ぼされる」みたいな未来予測もありますが、もしそうじゃない未来があるとすれば、きっとこっちのベクトルだろうなあと。

ロボットクリエイター高橋智隆さん。

そんなことを漠然と考えていたら、「理系に学ぶ。」という本の、川村元気さんとロボットクリエイター高橋智隆さんの対談の中で、同じようなことが語られているのを見つけたんです。

川村 高橋さんの作るロボットは、どれもヒト型ですね。

高橋 そもそも『鉄腕アトム』に憧れていて、そんなアニメの影響もあって、自分の中でのイメージはずっとヒューマノイドロボット、ヒト型だったんですよね。ただ、「どうしてヒト型である必要があるの?」という問いには答えられないまま来たんですけど、最近になってやっと理由が見えてきて、おそらく人が感情移入をして、擬人化して、対話をするためのヒト型なんだと思っています。

(中略)

川村 この間、サンフランシスコにあるピクサーのアニメーション・スタジオに行ったときに知ったんですけど、メイン棟が「スティブ・ジョブズ・ビルディング」という名前で、実はジョブズがしょっちゅう遊びに来ていたと聞きました。理系の彼も、アニメから何かヒントをもらおうとしていたんだと思います

高橋 アニメーターは人間が愛着を感じる対象を自然と知っているんでしょうね。一方で工業製品を作っているエンジニアはその感性が欠如していて、例えばロボットアニメで当たり前に起きていることが、実際のロボットでは何も実践されていないということがよくあります。理系の研究者やロボットマニアだけの世界にいたら、日常生活に入っていくロボットは永遠に作れないと思いますね。

(中略)

川村 ロボット開発というジャンルにおける今の日本のポジションについては、どう思っていますか?

高橋 実は日本はずっとロボットの分野では世界一だといわれてきました。でも、東日本大震災の原発事故の処理に投入されたのは、軍事の予算を突っ込んで作られたシンプルで頑丈な海外製の作業ロボットだった。つまり、日本のロボットは研究から抜け出せていなくて、産業として成立していないまま、水をあけられている。

川村 悲しい状況ですね。

高橋 となると、可能性があるのはやっぱりコミュニケーションロボットしかない。存在を擬人化して捉えることができて会話をしたくなる「かわいい」という感性のデザインは、欧米人には理解はできても作り出すことができないんじゃないかと。 川村 確かに海外のロボットってかわいくないですね。それにしても、ここにきてソフトバンクまでロボット(※2015年2月から一般販売された「Pepper」)を作り始めて、いよいよロボット戦国時代に入ったなという気もします。

ちなみに、高橋さんの講演は僕も以前取材したことがあって、ここで語られていたお話もとても印象的でした。

参照:“異端児”に「本当に好きなことだけを追求できる」教育環境を提供する「異才発掘プロジェクト ROCKET」 | 隠居系男子

コミュニケーションロボットを作り出す時に、僕らに協力できることがあるかもしれない。

で、なぜ突然こんなブログを書いたかといえば、こんな未来をつくりだしていく上で、僕らにも何か協力できることがあるかもしれないなと思ったからです。

というのも、最近理系の方々の対談などを読んでいると、ものすごくロジカルに語りながら、本質をついた発言をズバズバできるのに、「コミュニケーションの仕方がわからない。人が何に感情を突き動かされるのかがわからない。」という話をしている方がとっても多いんです。

一方で僕らは毎日コンテンツを作り続けている。「没入感とは何なのか、人が読んでいて本当に心地いいと思えるものとは何なのか、そもそもコミュニーケーションってなに?」っていうことをド真剣に考えながら毎日試行錯誤しています。

そんな僕らが導き出した答えが、コミュニケーションロボットを作り出すうえで、何か活かせるようになる。そのような状況が、そう遠くない未来に訪れるような気がするのです。

最後に

何度かこのブログにも書いてきましたが、僕は「人機一体」の未来に期待したい。そして、今日のお話も「人機一体」の一例だと思います。

参照:キーワードは“人機一体”。人間とテクノロジーが共存する未来を感じた超福祉展。 | 隠居系男子

コンテンツづくりも「ロボットに全て置き換わる」という未来じゃなくて、人機一体で作り出すコンテンツが一番良くなるはず。

いつか僕らも、そんな未来をつくりだすために貢献できたら嬉しいなあと考えています。

それでは今日はこの辺で。

ではではー!

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