インディーズのものづくりにおいて、タッチポイントをどうつくるかが重要になってくる。

先日行われたイベントで、佐々木俊尚さんが「タッチポイントをどう作るかが、インディーズのものづくりにおいて重要になる。」と仰っていました。

これは僕も、非常に同意です。

最近の人々は、以下の記事でも書いたように、自分と価値軸の近い人がつくったものを欲しいと思う傾向が強くなってきています。

その人のセンスや美意識によって選ばれていく時代。 | 隠居系男子

次の時代のセレクトショップがセレクトするのは商品ではなく、人。 | 隠居系男子

そこで価値観軸が近い人同士で繋がるためには、タッチポイントをどうつくり出すのかが、とても重要になってきます。

そのタッチポイントの数が多ければ多いほど、より多くの人に自分たちの価値観を伝えることができて、その結果ファンが増えていきますから。

ウェブよりも、リアルの“1回の握手”を大切にした方が断然効果的。

この点、昨今はウェブマーケティングで様々な成功事例が増えているため、無料で使えるSNSやブログなどの活用が注目を浴びています。

職業柄、僕も頻繁にモノを売っている人たちから「SNSはどうやって使えばいいの?ブログ(オウンドメディア)はどうやって使えばいいの?」と相談されます。

「最近はYouTube(動画)やInstagram(写真)も流行ってるけど、それも同時にやったほうがいいの?」と聞かれる機会も増えてきました。

でもあえて期待と真逆のことをいいますが、そんなことに力を入れるぐらいだったら、実際に顔を合わせて“1回の握手”を大切にした方が断然効果的だと思います。

本当にそれだけ多くの人に認知してもらう必要があるのか?

大手のブランドみたいマス広告にお金を掛けられないから、インターネット上でお金を掛けず多くの人に認知してもらいたい!という気持ちは確かに理解できます。

でも、数人で運営しているようなインディーズのものづくりにおいて、本当にそれだけの人たちに認知してもらう必要が果たしてあるのでしょうか。

例えば、デニムだったら、最小生産数は100本だそうです。

つまり極端な話、新製品を出す度に毎回100人の方が購入してくれれば、何も問題ないわけです。

100万人からの認知は、完全に無用の長物となってしまいます。

ウェブ上で無闇にバイラルさせようとしたり、フェイスブック広告やリスティング広告にお金をかけたりすることはそれほど意味がありません。

ウェブコンテンツは、自分たちの存在を忘れられないために。

それよりも僕は、ウェブ上のコンテンツはあくまでも「自分たちの存在を忘れられないために、その継続性を担保するためのもの」として活用した方がいいと思います。

今までのウェブマーケティングをわかりやすく矢印で表すと、以下のような形が主流でした。

■ウェブ上でのタッチポイントを増やす(認知)→ ECサイトへ流入 or リアルの場に足を運んでもらう(購入)→ ウェブ上で継続的に繋がる(継続)

でも、僕がオススメしたいのは、以下のやり方。

■リアルの場のタッチポイントを増やす(認知&購入)→ ウェブ上のコンテンツで継続的に繋がる(継続) → リアルの場に足を運んでもらう。(再度購入)

なぜなら、リアルの場で握手して認知してもらったほうが、よっぽど本人の印象に残りやすいからです。

参照:高度情報化社会とは、情報が“少ない”時代。 | 隠居系男子

ウェブ上で「価値観に共感してもらい、仲良くなること」は難しい。

EVERY DENIMのお二人は、そのあたりがとても賢くて、この感覚を直感的に理解しています。

まわりの同世代のクリエイターたちがウェブマーケティングに勤しむ中、ゲストハウスやマルシェなどに頻繁にポップアップショップを出店して、価値観が近い人々が集まる場所に自分たちから足を運んでいるんです。

その結果、多くのファンを獲得しています。

先日のイベントでも、EVERY DENIMの島田さんが「今までデニムを履いたことがない女性や、UNIQLOなどのデニムしか買ったことがない人に対して、何かセールストークや秘訣のようなものはあるんですか?」と質問されて、「仲良くなることです」と答えていました。

会場のみなさんは笑っていましたが、僕はこれが真理だと思います。

ウェブ上で「認知」してもらえることはできたとしても、ウェブ上で「価値観に共感してもらい、仲良くなること」は難しい。

だからこそ、1人や2人で始めるインディーズのものづくりの初期段階では、面倒臭がらずに、価値観が近い人々が集まる場所に自分たちから足を運び、リアルの場でのタッチポイントをたくさんつくり出し、泥臭く一人ずつ丁寧に握手していったほうがいいと思います。

そして、そのリアルの場で生まれた関係性を日々保持していくために、ウェブ上のコンテンツを充実させていく。

そういう意味では、EVERY DENIMの山脇さんが書いている「山脇。毎日。」というブログは、大きくバズることはなくとも、確実にその効果を出し続けていると思います。

参照:山脇、毎日。│山脇 耀平 | note

最後に

僕は、今日書いたようなやり方(考え方)が、これからのインディーズのものづくりにおいて非常に重要になってくると思っています。

もちろん、ものづくりに限らず、少人数のチームで何か事業を始めるなら、絶対に意識したほうがいいポイントです。

大切なことは、ウェブの力を過信しすぎないこと。

参照:リアルイベントは自分たちのために。 | 隠居系男子

今日の話が、このブログを読んでくださっている方々の参考になれば幸いです。

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