【第3回】なぜ蔵前という街を選んだのか?「Alt81」が蔵前に溶け込むまで。

蔵前イメージ画像

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

今回は、蔵前にある革小物ブランド「Alt81」高崎真行さんのインタビュー記事の続きです。

前回までの記事はこちら。
【第1回】蔵前に店を構える革小物ブランド「Alt81」は、なぜウェブコンテンツに力をいれているのか? | 隠居系男子

【第2回】革小物ブランド「Alt81」がウェブコンテンツに力を入れるようになったきっかけとは? | 隠居系男子

なぜ、蔵前という街を選んだのか?

ーー ちょっと話変わってしまうんですけど、この蔵前っていう場所を選んだのはどういった理由からだったのでしょう?

高崎 そうですね。まず、革製品を企画販売する前職からお世話になってる人や職人さん、あとは革屋さんがこの辺は本当に多くて。

ーー はい、本当に多いですよね。

高崎 革の卸問屋さんも多いですし、あと職人さんも実は近くに結構住んでたり、職人さんの集まる町だったり。歩いて革屋さんに行けて打ち合わせもしやすかったので、まあここかなみたいな感じで一番最初決まったんです。

ーー あっじゃあもう革を仕入れる所とかもやられてるんですか。

高崎 あっそうです。仕入れるというか、問屋さんに買い付けに行ってます。

ーーで、この蔵前界隈でやっていれば全部揃うと。

高崎 そうですね、はい。

ーー じゃあ最初っから、もう蔵前でやろうっていうのは決めていたんですか?

高崎 蔵前か浅草橋かっていうことはずっと言ってました。たまたまこの場所が倉庫だったんですけど、この倉庫があいているから、「じゃあ蔵前にしよう!」と決まりました。メイン通りから一本挟んで、誰も通らないような道だけど、別にいっか、事務所だしっていって。でも始めてみたら、半分お店にすることになって、何でこんな所にお店作ったのって言われるようになってしまって。

ーー あはははは。でも目的買いするために訪れる方が多いってなると、逆にこれくらい落ち着いた場所の方が良かったりするのかもしれないですよね。

高崎 そうなんですよ。あたかも計算ずくですみたいな感じで僕も話しています。こじつけですけどね(笑)。

「実は出店して1年は、周りのお店とコミュニケーションしてなかったんです。」

ーー どうですか、実際にやってみて。蔵前でやってよかったなあという印象ですか?

高崎 今はもう蔵前じゃないと成り立ってないだろうっていうくらい、やっぱり色々と良さを実感しています。利便性もちろんなんですけど、蔵前に来て初めて知ったことがかなりたくさんありました。

僕達、実はここにお店を出して1年間くらいは、周りのお店とか周りの人達と一切コミュニケーションしてなかったんです。仕事の関係で会社にずっと居るわけでもなかったので。僕たちはあんまり気にしてなかったんですけど、実は周りの方すごく気にして頂いてて。あそこにお店あるけど、どうなんだろうみたいな感じで、周りの店がざわざわと、近寄りがたいなっていって。

この近くに、マフィン屋さんがあって。

ーー あ、知ってます!デイリーズ・マフィンですよね!

蔵前デイリーズマフィン外観
画像引用元:【蔵前】「デイリーズ・マフィン」町の散策のお供においしい洋菓子はいかが? | 灯台もと暮らし

高崎 そうです。すごい近いっていうかすぐ目の前なので、よくお昼とか朝に買いに行ってたら仲良くなって。そしたら「高崎さん蔵前の集まりに全然出てこないけど、なんか出てこない理由あるんですか?」みたいな話をされて。「えっ、なんですか?その蔵前の集まりって」。そこで「モノマチっていうイベントがあるんですよ」っていう話を聞いて。「えっ、全然誘われてもないし、聞いてないよ!」みたいな。         

ーー あははは(笑)。

高崎 「じゃあ今度行きましょうよ!」って誘ってもらって、その集まりに参加したんです。その時に、いろいろなブランドさんやお店があることを改めて知ったというか。色んな方を紹介していただいて、「はじめまして、あそこでお店をやっている高崎です」って自己紹介をすると「あー!知ってる!知ってる!あのすごい入りにくいところだよね!」って。

ーー あはははは(笑)。

高崎 それこそエムピウの村上さんが、「もう高崎くんの所一番入りにくいお店だよね!」って言ってくれました。(笑)

蔵前エムピウ村上

画像引用元:【蔵前】若者よ、蔵前から大志を抱け!エムピウ店主・村上雄一郎さん | 灯台もと暮らし

それからは、周りのお店ともコミュニケーションをとりながら、そういうイベントがあったらすぐに参加するようになったんです。

僕はもともと蔵前にあるブランドですっていう意識があまりなかったんです。

買って頂くお客様はたぶんビジネスマンの男性、こだわっている方。こだわっているならこういう店構えにした方がわかってもらえるんじゃないかとか考えていて。お値段も張るので、何も知らないブランドでいきなり3万円くらいのお財布っていうとやっぱりハードルがあるかなというところから、ちょっと高級感のある内装にして。まずお客様ありきで店を作ってしまったので、周りからは蔵前っぽくないよねってよく言われます…。

ーー うんうん。

高崎 蔵前に合わせて作ったわけではなかったので、言われてもしょうがないことだったんですけど、それが1年間の空白期間を作ってしまったわけです(笑)でも、蔵前に来てみて、周りのお店とのかかわり合うようになったっていうのはすごく良い。ここに来て良かったなって思える一番大きなことですね。

お店を営む人たちが驚くほど繋がっている街、蔵前。

ーー あっ、やっぱりそうなんですね。僕らも「灯台もと暮らし」で蔵前の特集を始めてから、そこで初めて蔵前の人達に取材依頼をさせてもらったんですけど、ビックリするぐらい、みなさんよく繋がってるんですよ。

高崎 そうですね。特に村上さんは、もうハブになってて。村上さんの事務所にお邪魔してコーヒーを頂きながら雑談してたら、誰かしら来るみたいな。そこで「はじめまして」ってご挨拶をしてネットワークが広がっていく。たぶん村上さん居なかったらそういうネットワークの広がり方はしなかったんじゃないかな。

ーー 僕らも取材をする前まではそこが繋がっていることがわからなくて。蔵前って最近盛り上がってきてるし、センスも良くて、シュッとしてるお店がいっぱいあるので、そういう盛り上がりをメディアとして見せれればいいなぁぐらいに思って特集企画を始めたんですけれど、実際に取材をしてみると、人同士の繋がりがすごくて。やっぱり、人がこの街を作ってるんだなっていうのが見えてきたので、途中からちょっと変えましたもんね、特集の色というか見せ方自体を。

高崎 ここにお店をオープンした時はまだ周囲にお店が無くて、あるといったら、ちょっと先にあるKONCENT(コンセント)さんでしたが距離的にご挨拶行くのもどうかと悩んで、結局、大家さんとお隣さんにご挨拶しただけでした。でも実は街全体で繋がっていて驚いたんです。

なんのつてなく、知り合いのお店があるわけじゃないんですけど、そんな僕でもウェルカムみたいな感じで迎えてもらえました。そのの懐の深さがすごい良いなと思っています。実際僕もすごく助けてもらってます。

★★★

次回に続きます。

それでは今日はこの辺で!

ではではー!

公式サイト:Alt81 -日本の考え方を形にする-「Alt81 Web Shop」

(写真撮影:タクロコマ 一部画像提供:灯台もと暮らし

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