日本の良さを全世界へ同時に届けていく上で大切な事は、外国人に迎合しないこと。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

世界へ向けて日本の情報を発信していくメディアを運営していると、各国へ向けてのローカライズの度合いが度々問題になります。

「中国人が求めているのはこんな情報だ。」「いや、アメリカ人はこれ!」「でも、東南アジアはそうじゃない!」などなど、一体どこの国の人々へ向けて届けていくのが正しいのか、わからなくなってしまう状態。

日本を海外に届けていく方法というのは、僕は2種類あると思っています。一つは、1国に対して徹底的にローカライズさせていくこと、そしてもう一つは全世界に対して同時に届けていくことです。

中国で働いた経験をもとに、全世界に同時に届けていく場合には一体どうやって届けていけばいいのか。そんなことについて今日は書いてみようと思います。

中国ひとつとっても、ローカライズは非常に困難。

まずは、僕の前職で得た経験の話を少しだけしてみようと思います。

僕は大学卒業後、北京の日系ITベンチャー企業に入り中国版のTwitterと呼ばれるウェイボーというSNSの上での日本企業のマーケティング運営代行やコンサル的なことをやってきました。

中国人に対して、どのような切り口で日本を紹介していけばいいのか、どんな表現が中国人に好まれ、そして嫌われるのか。日本の大企業から中小企業まで様々な企業の事例をみてきたつもりです。

その経験の中で確信したことは、本当に中国にローカライズさせようと思ったら、徹底的に中国に寄り添って、中国人に迎合していかないと全く結果が出ないということです。

中国国内でも地域によって特色が全く異なります。2大都市と呼ばれる北京と上海でもその趣味嗜好は全く異なりますし、更に深センや台湾、香港・マカオのように海外文化がどんどん入ってきている都市がある一方で、内陸の都市はまだまだ発展途上国と同じ様相を呈しています。

徹底的にリサーチして、それこそ現地のオフィスでは中国人の社員を半分以上雇って、幹部も現地に住み込むぐらいの覚悟が必要です。

そして、韓国の企業はそれをしっかりとやっていました。家電や車、ファッションやエンタメ分野で、韓国の企業が中国でヒットを打ち続けていた理由というのは正にここにあったのでしょう。

本来であれば韓国ぐらい徹底して行わなければならないのが、ローカライズの本質だと思います。当時の日本企業はそれを全く理解できていないところが非常に多かったです。

全世界に同時に届ける場合には、「日本人が興味のあるもの」を届けるべき。

じゃあ、全世界に一斉に届けていく場合にはどうすればよいのでしょうか。

たった1国に届ける場合であっても、それぐらいローカライズさせていかなければ立ち行かないのだとしたら、全世界に同時に届ける場合は、一国毎にローカライズしていたら、どれだけ時間やリソースがあっても足りません。

しかし、全世界の人々がが同じように興味を持つ分野がたった一つだけあるんです。アメリカ人でも、中国人でも、インド人でも、フランス人でも、日本に興味がある人であれば、一貫して同じように興味を持つ分野…

それが「日本人が興味のあること」です。

外国人が主語ではなく、日本人が興味のあることです。

日本人が本当に面白いと思うもの、日本国内で流行っていること、本当に美味しいと思えるもの、そういったモノは日本に興味のある外国人であれば世界中のどの国の国民であっても共通して興味を持つ分野なんです。

まさに、以下の記事に書いたようにローカルのメディアがグローバルになっていくという形です。

参照:タイムアウト東京にみる、ローカルなメディアがグローバルのメディアになる形。 | 隠居系男子

だからこそ、全世界に届ける訪日外国人向けのウェブメディアは、本当に大好きな人がその記事を書くべきであって、日本人の思うがままの感情を書き出していったほうが良いわけです。プロのライターさんが海外の人に迎合して書いた提灯記事なんて一切必要ありません。

参照:ウェブ時代は、プロのライターよりも大好きな人が語るアツい記事のほうが面白い! | 隠居系男子

最後に

これは、いつもメンバーに口酸っぱく伝えていることなのですが、日本人は海外に向けて自国のコンテンツを発信していくのが本当に下手くそです。セルフブランディングが下手なのは、もはや国民性レベル。

日本人として生まれ育ってしまった以上は、したたかに狙いに行くな!これを外国人の中で流行らせてやろうとなんて絶対に思うな!といつも伝えています。

しかし、内輪で盛り上がる才能でいったら、日本人は間違いなく世界トップレベルだと思います。職人気質で、オタク気質で、ハイコンテクストを共有して楽しんで、とても内向的。それが日本人の特徴なんです。そして、現状海外から評価されている日本というのもまさにこの部分。

だからこそ、そんな日本人が今なにに興味を持っているのか。それをキャッチアップしたい外国人の人たちに、不自由なく伝わるようにウェブ上に置いておくことこそが、全世界に向けて同時に発信していく上で一番求められているコンテンツなのではないかと思うわけです。

これから日本のモノやコトを、海外に発信していこうと考えている人の何かしらの参考になれば幸いです。

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

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