どうも鳥井です。
最近よく思うのですが、お客さんを選ぶお店がめちゃくちゃ増えてきたなと。
普段、町中でそう感じる機会も増えてきましたし、実際に店主の方からそういったお話を聞く機会も多くなりました。
「コンセプトをちゃんと理解している人に来て欲しい。」というような。
具体的にはどういうことか?今日はそんなお話を少しだけ書いてみようと思います。
デスティネーション・ストアの出現。
近頃、スマホのマップ機能やSNSの普及により、大通り沿いにお店を作らなくてもよくなってきました。
なぜなら、路地裏にあるようなお店でも、ちゃんとお客さんが辿り着いてくれるようになったし、集客はSNSで済むようになってきたからです。
その分、浮いた家賃や広告費などで、内装や商品(サービス)の品質向上に資金を投資する、そんなお店が増えてきました。
いわゆる「デスティネーション・ストア」と呼ばれるような、そのお店を目的にその土地に訪れる価値があるぐらい、世界観が作り込まれているセレクトショップや飲食店が、いまブームとなっています。
売上や事業規模拡大よりも、こだわりを理解してくれる人の方が大切。
彼らの話を聞く限り、彼らの目標は「売上」が第一ではなくなってきている印象を受けます。
それよりも、わかっている人、感性が合う人、そういった人たちが集う場になって欲しいということが優先順位が高い様子。
そうすると何が起きるのか?
お店側が、お客さんを積極的に選ぶようになるんです。
具体的には、自分たちの理想と違うお客さんが来たら、あからさまに無視をしたり、本当にこの分野に詳しいのか、逆に知識を試すような質問をしてみたり。
また、悪評が立たないぐらいな些細な言動で「もうこのお店には来ないでください」ということを伝えたりします。
それが、圧迫接客(※いま僕が勝手に考えました)をするお店が増えてきたという意味です。
圧迫接客を繰り返しても、お店が回る仕組み。
「ビジネスとして、そんなことをして本当に成り立つのか?」と思う方もいるかもしれません。
でも、そういったお店には、必ず常連さんが存在していて、常連さんだけでちゃんとビジネスが回るようになっている。
前述したように、テナント料も決して高くないですし、そもそも売上を伸ばすことを重要視していません。
なので、このような圧迫接客を繰り返しても、お店が回るようになっているのです。
逆に、コンセプトを理解していない一見さんのお客さんを排除することにより、いつもの常連さんの満足度が高まる、というような構造になっていたりもします。
このあたりは、ネットの炎上マーケティングなどとも似ていますよね。
セレクトショップや飲食店のスナック化。
もちろん、これまでも高級店ではこのような圧迫接客をするお店は多かったと思います。
でも今は一般的な価格帯のお店でも起きてきている。
これはある意味で、セレクトショップや飲食店も「スナック化」してきたということなんだと思います。
そうすると、一般的な価格のお店でも「会員制」になるということも十分にありえるなと。
「常連さんの誰かの紹介じゃないと入れませんよ」というような。
もう、お金があればどこでも「お客様は神様です!」と扱われた時代じゃないのでしょう。
お客さん側も選ばれる人間にならないと、行ってみたいと思うお店にさえも気軽に行けなくなってしまうのかもしれません。
最後に
ただ、いつも思うのは、なんだかこの風潮、個人的には好きになれません。
きっと、SNS文化が広く一般的に普及したことが原因なのだとは思います。
参照:「スナック」と「ブティック」の話がおもしろい!スナックのようなウェブメディアを目指して。 | 隠居系男子
百歩譲って、セレクトショップの圧迫接客はアリだと思います。
まだ売買契約が成立する前段階で、暗に「あなたは招かれざる客です」と伝えているわけですからね。
ただ飲食店の場合は、どうなんでしょう?
売買契約が既に結ばれているんだから、そこは分け隔てなくしっかりと接客するべきではないでしょうか。
もし圧迫接客をするなら、お代はいただかないとかにしたほうが良いのではないかなど、余計な心配をしてしまいます…。
でも、良くも悪くもこの流れは必然だと思います。今後さらに加速していくことは間違いないでしょう。
招かれざるお客さんは、売上第一主義のお店(大型ショッピングモールのようなお店やチェーン店)しか行けない未来が、そう遠くない未来にやってくるのかもしれません。
それでは今日はこのへんで。
ではではー!