「ポケモンGO」と「シン・ゴジラ」の共通点。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

この夏、「ポケモンGO」と「シン・ゴジラ」が大ブームですね。

もう日本全国を巻き込んだ社会現象となるような大ブームはしばらく起こらないと思っていたのですが、ここにきて2つも同時にやってきました。

そこでふと思ったのですが、この2つのヒット作の共通点って「日本人であれば、誰でも知っているものを題材にしている」ということなのではないでしょうか。

日本人なら誰でも知っているものを題材にしつつ、今の時代性をこれでもかっ!と盛り込んで、IT技術なども駆使しながら、コンテンツ価値を最大限まで高めているもの。

そんなコンテンツが、広告や宣伝の力に頼ることなく、一般視聴者や一般ユーザーの口コミで勝手に伝染していく。

それが今の時代におけるヒットの法則ということなのかもしれません。

鈴木敏夫さんが「利用されているだけ」と繰り返す理由とは?

さて話は少し変わるのですが、最近、スタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫さんのインタビューで「あれ?」と感じた部分がありました。

それが、しきりに何度も「利用された」と強調するところ。

先日行われた「ジブリの大博覧会 独占LIVE全部見せちゃう!?SP」というLINEライブの中で「ズートピア」の宣伝に利用されたというくだりのお話もそうでしたし、下記のインタビューでも「シン・ゴジラ」について「僕は利用されてるだけ(笑)」と言っています。

参照:「シン・ゴジラ」公開記念特集 鈴木敏夫、庵野秀明を語る (1/3) – 映画ナタリー Power Push

これだけ同じような話を繰り返しているということは、、きっと何かしらの意図があると思うのです。

「説明のしやすさ」と、他者に紹介してもいいと思える「安心感」。

そこで自分なりに考えてみたのですが、「利用された」と言える作品が今は強いという意味なのではないでしょうか。

具体的には、「説明のしやすさ」と、他者に紹介してもいいと思える「安心感」。

「説明のしやすさ」というのは、回りくどいことを言わなくてもいいということです。

例えば「ポケモンGO」と言うのは「ポケモンを捕まえるスマホゲーム」であり、「シン・ゴジラ」は、「ゴジラが東京をぶっ壊す映画」です。

それ以上でも以下でもなく、とても説明しやすい。改めてポケモンやゴジラとは何なのかということを、対日本人相手であれば説明する必要がありません。

次に「安心感」というのは、下記のブログでも書かれているように、コンテンツ至上主義で作られた作品になっているということ。

このクオリティなら自分の事を信用してくれている他者に紹介しても大丈夫だと思える安心感です。

参照:庵野秀明総監督の『シン・ゴジラ』を見てマーケティングが完全に変わると怖くなった。《天狼院通信》 – 天狼院書店

それはつまり、しっかりとそこに時代性が含まれていて、ダサくなく(イケていて)、コンテンツ価値が最大限高められているということ。

そうすれば、人は勝手に自分から「利用されて」口コミをしてくれるんだと思います。

だって、それがなによりも、口コミする側の人間にとって「他者と共有しやすいコンテンツ」となりますからね。

最後に

そうすると、次に宣伝する側が考えなきゃいけないのは、その導火線となりうる人にそっと火をつけること。

その導火線選びが非常に重要になってくる。

確かに、口コミというのは勝手に巻き起こっていくものですが、やはりFacebookのスレッドに誰が一番最初にコメントしたかでその場の空気感がガラッと変わってしまうのと一緒で、最初の口火を切ってもらう人というのはとても大切になってきます。

じゃあ、それは一体どんな人がいいのか?

それはきっと、今の時代に生きる人々が一番敬遠したくなる「嘘」と「退屈」を言わない人。

参照:トークイベント「『北欧、暮らしの道具店』に聞く、ファンに愛されるブランドのつくりかた」の感想。 | 隠居系男子

つまり、鈴木敏夫さんのように「ありのままを正直に、その人らしい切り口で明快に語ってくれる人」ということなのでしょう。

ますます“見せかけ”だけでは通用しない世の中になってきましたね。

最後の方は少し主題から逸れてしまいましたが、この記事を読んでくれた方々の何かしらの参考になれば幸いです。

それでは今日はこの辺で。

ではではー。

[追伸]
ある意味「ズートピア」も、「ディズニーが作った動物アニメ映画」と言えば「日本人なら誰もが容易に想像できるものである」と言えそうですね。

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