鈴木敏夫と中田ヤスタカが語る「創作意欲とは何か」ということ。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

今回は、昨日の記事の続きです。

『ジブリ汗まみれ』の中で中田ヤスタカが語った、ボーカロイド論が”日本らしい”。 | 隠居系男子

実は前回の中田ヤスタカさんの話を越え、鈴木敏夫さんの話は更に興味深かったです。

「創作意欲とは何か」

「皆が評論家になってしまう時代に、決めることは一瞬で決めて、あとはちゃんとやることの方に時間を費やすべきだ」ということ。

この辺の話について、書き残しておきたいと思います。

色々なモノを作っておいて、その中から選ぶということが当たり前の時代

ボーカロイドの話を聞いた鈴木さんは、作ったものを複製して、様々なパターンを作ることが可能となった現代の在り方に疑問を投げかけます。

色々なモノを作っておいて、その中から選ぶということが当たり前となってきてしまっているのが現代。

しかし、昔の人は自分の頭のなかで色々とシュミレーションをしながら、「これしかない!」という完成版を明確にして作り始めていたのだと。

それは1個しかなく、それを作ることへ向けてとてつもない創作意欲が湧いてきて、その1個を創りあげればおしまい。

ジブリのポスターと、きゃりーぱみゅぱみゅのアルバムタイトル

でも今の時代はそうではないと。

この具体例として、鈴木敏夫さんはジブリのポスターのデザインを決めるときの話を持ち出します。

例えば、ジブリでポスターつくろうとすると、デザインする人が色々なレイアウトを作ってきて、その中から選んでくださいって言うわけ。

あれ、頭に来るんだよねー。「一個にしろ!」っていいたい!

だって、「一個一生懸命作る」っていうのと、「最初から5個作る」っていうのは、いいものが出来るわけがないのよ。そうすると、みんなが評論家になってしまう。

これに対して、中田ヤスタカさんも過去に経験した同様のエピソードについて食い気味で語り始めます。

中田さんが、きゃりーぱみゅぱみゅのアルバムタイトルを考えていた時、3つぐらいアイディアを出してきゃりーぱみゅぱみゅ本人に見せたら「もうちょっと考えましょ?」と軽くスルーされてしまった、と。

そのあと2週間ぐらいずっと考えてみても全く浮かばなくて、きゃりーぱみゅぱみゅのNYライブを観た時に「あっ!」と1つのタイトルが浮かび、それを本人に言ったらサクッと一発で決まったらしいのです。

創作意欲とはなにか?

お二人がこのお話の中から「創作意欲とは何か」ということについて導き出した結論は、以下のようなものでした。

・「どっちにしようかな~」となっていない時の凄さ。

・迷いのない時の方が、すごいものが出来上がる。

・何パターンも作り出して、その中から選び出そうとしていたらダメ。

・一つのものを創り上げていくまでの「考えるプロセス」が大事。考えついたものが過去にあったものでもイイ。

・皆決めることに時間をかけるけれど、決めることは早く決めて、あとはちゃんと創作する方に時間を掛けた方がいい。

最後に

今回の話は、自分が以前書いた記事とも繋がるところが多く、とても興味深く聞かせてもらいました。

参照:いま、一手間かけること、即決すること。 | 隠居系男子

他にも、自分の頭で考える大切さについては、全くその通りだなと。

たとえ考えた結果が、他人と被ってもいいんです。

そもそも、今自分たちが考えているもの、悩んでいるものなんていうのは、過去に必ず先人達が悩んでいたことだし、考えていたことなわけだから、それは当たり前なんです。

ただ、それをわかっていたとしても、直ぐに答えを探しにいってはいけない。

答えにたどり着くまでの、その考える過程を何度も繰り返すことが、最良のものを創り上げることにつながるのだと思います。

つまり、創作意欲とは、その1つのモノにたどり着くまで、考えるプロセスの中で生まれてくるエネルギーそのものを言うのでしょう。

このようなことを最近実感する機会が多いので、今回ご紹介してみました。

皆さんの何かしらの気付きにも繋がれば、幸いです。

それでは今日はこのへんで!

ではではー。

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