どうも鳥井(@hirofumi21)です。
先日つぶやいた以下のツイート。
教える側にまわることの一番の危うさとは、自分のまわりに集まってくる人たちがドンドン受け身体質の人たちばかりになってしまうこと。「インキュベーションされるヤツらが劣化していく」ってホント名言だなと思ってる。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2016, 2月 10
だからこそ人に何かを教えたい!と言うよりも、自分が精一杯楽しんでいるところに自然と集まってくる人たちと一緒に何かやったほうがいいと思う。それが結果的に、教えるという行為に繋がったとしても。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2016, 2月 10
「一方的に教える」じゃなくて、壇上から降りて「共に考える」という方向性にシフトしたいと思っている人が多いのはおもしろいなぁ。なんでなんだろう?でも確実に今は、セミナーよりもそっちの方が時代に合っているとは思う。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2016, 2月 10
最近また「共に考える」という部分を強く意識するようになってきたので、今日はそんなお話を書いてみようかと思います。
「これからの暮らしを考える〜」というフレーズに込めた想い。
1年前、「灯台もと暮らし」を始める時にすごく悩んだのが、タグライン(サブタイトル)。
「灯台もと暮らし」という名前が比較的抽象的な名前なので、一目ですぐにわかるようなタグラインをつけたかったのです。
参照:新しいことを始めるとき、間口は広く取る。 | 隠居系男子
社内で喧々諤々の議論をした結果、最終的には「これからの暮らしを考えるウェブメディア」という形に落ち着きました。今は、この「これからの暮らしを考える〜」というフレーズがとても気に入っています。
そしてまさにこれこそが、僕らが求めていた「共に考える」というあるべき姿を物語っているのかなと。
旧来メディアの「知らない君たちに、僕らが答えを教えてあげよう」というスタンスは本当か?
このタグラインを決めた時に「読者に対して答えを示さないと、それはメディアではない」という声もチラホラと聞こえてきました。
確かに、雑誌を筆頭に紙媒体はまさにそんな感じですからね。「知らない君たちに、僕らが答えを教えてあげよう」的なスタンスです。(3年前の稚拙な僕は、それにリリー・フランキー現象と名づけました)
参照:POPEYE11月号「大人になるには?」特集にみるリリー・フランキー現象 | 隠居系男子
でも、メディアの役割は本当に「答えを提示する」ためだけなのか。「これからの暮らしを考える」そのためのきっかけが載っているかもしれないメディアではダメなのか。
読者の方々や、取材対象者の方々と一緒に考えていきましょうという新しい形を提示してみたい。作り手と受け手の間の双方向性を大切にし、その考える姿勢や知恵のようなものを共有するメディアをつくってみたかったのです。
答えよりも、“知恵の部分”を共有する。
そもそも今の時代、生活様式がドンドンと多様化していく中で、各人の置かれている状況というのは、それこそ十人十色です。
高度経済成長期のように、皆が団地に住んでいて同じような生活を送っていたような時代であれば、答えは明確で、求められているのは模範解答だけだったのかもしれません。
しかし、今は一つの答えだけを提案したところで、本当にフィットするのは、ごく一部の限られた人たちだけになってしまう。そこに汎用性は全くありません。
であれば、答えを提示するだけではなく、そこにたどり着くまでの“考え方”の部分を共有する。各人が自身の置かれた状況の中で判断し、その環境の中で一番最適な解を導き出す為にはどうすればいいのか?その“知恵の部分”を共有するしかないのだと思うのです。
そしてそれこそが、これからの時代のメディアの役割だと僕なんかは思うわけです。
「共に考える」メディアが増えてきた。
さて最近では、徐々に徐々にそんなメディアが増えてきた印象を受けます。
例えば、わかりやすいところで言うと、「ぼくらのメディアはどこにある?」という、現代ビジネスさんとサイボウズ式さんが共同運営するメディアがそう。メディア名からして「共に考える」という姿勢がみてとれますよね。
また、今春リニューアルの資生堂の花椿さんなんかもそう。
画像引用元:花椿 HANATSUBAKI │資生堂
イケダハヤトさんも、「共に考える」という方向性に興味があるようです。
「教える」という行為は、そろそろオワコンだと思う。 : まだ東京で消耗してるの?
最後に
常に僕らの中に一貫してあるのは、この「これからの◯◯を考える」という姿勢なんだと思います。
「こんなことを考えている人たちが世の中にはいる。それを見てあなたはどう思いますか?どんな道を自分自身の手で開拓していきますか?それを皆で話し合い、一緒に考えましょう」というような。
常にそんな場を提供できるメディアで在り続けたいなと思います。
まだまだ漠然としていますが、1年間メディアを運営してきて、そんなことを考える今日このごろです。
それでは今日はこの辺で。
ではではー!