どうも鳥井です。
最近意識的に実験していたことがありまして。
下記の2つの有料記事を、関連しそうなブログを書いたときは、積極的に参照リンクとして記事末尾に差し込んでいました。
ネット上で注目される専門家になるためのテンプレは確実に存在する。|鳥井弘文|note
次世代を生きる若者が、好きなモノに囲まれた人生を送るための唯一の方法。|鳥井弘文|note
参照:ネット上で個人が作り出すべきは「熱狂」であり、「拡大・拡散」は企業に任せる時代。 | 隠居系男子
この2つの記事はもともと無料で公開していたものです。それに加筆修正を加えて有料化しました。
公開からもう半年以上経ちますが、既に300本近く売れています。
しかも、関連した内容のブログ記事を書いて公開すると、販売から半年以上経っている今でも淡々と売れていくんです。
今日はこの実験を通して気がついた、「宣伝の大切さ」について少し書いてみようかと思います。
「本当に伝えたいこと」の数はそれほど多くはない。
「ノウハウ」や「本当に伝えたいこと」の数ってそんなに多くはありません。
それを生産できる本数も限られています。
逆に言えば、一つの作品としてしっかりとまとめてしまえば、しばらく作らなくても済むということです。
日々のブログは宣伝に使える。
でも、日々のブログは違う。
この作品(商品)がなぜ大切なのか、その理由をあの手この手を使って様々な角度からアプローチすることができます。
ときにはそのタイミングで起きた時事問題に絡めてアプローチしてみたり、ときにはタイムラインに流れてきた他人の意見に便乗する形でアプローチしてみたり。
ゴールはひとつでも、たどり着くための道のりは無限大。
つまり、ゴール(作品)は一つでも、そこにたどり着くための道のりは無限大に存在するというわけです。
「なぜ、あなたが今この有料記事(作品)を読むべきなのか」その興味関心を引く方法というのは、それこそ場面ごとで異なり無限に存在する。
この点、ジブリの鈴木敏夫さんが映画「もののけ姫」の公開時に「宣伝キャラバン」として全国行脚していたときの話が僕はとても好きで、よく思い出します。
「ジブリンの仲間たち」という書籍から、少し引用してみましょう。
「各地区の土地柄に合わせたセールストーク」
「宣伝キャラバン」は、簡単にいうと配給会社による営業活動です。たとえば、メーカーが新製品を開発したら、営業マンが販売店をまわってPRしますよね。映画でも同じことをやるんです。
北海道、関東(東北を含む)、中部、関西(四国を含む)、九州、各地区ごとに、映画館主たちに集まってもらって、「こういう映画なので、ぜひみなさんの映画館でかけてください」と売りこむわけです。
映画館主たちはそれを聞いた上で、当たりそうかどうかを値踏みし、かける映画を決めていく。シネコンが主流になるにつれて、こういうセールスもだんだん内実を失っていくんですが、当時まだこのやり方が生きていました
そこで僕は何を話したか? 各地区の土地柄に合わせたセールストークをしたんです。たとえば、北海道ならこんな具合です。
「じつは『もののけ姫』という映画は、蝦夷の地から始まるんですよ。アイヌの文化も描かれます。北海道のみなさんにとっては、非常に親近感が感じられるんじゃないでしょうか」
関西なら「この映画には、鉄を作る〝タタラ場〟が出てきます。昔のタタラ場といえば島根が有名ですよね」と言う。九州へ行けば、「物語の舞台となる森は、鹿児島の屋久島を参考にしています。宮崎駿は屋久杉の森が大好きで、ロケハンにも行きました」と話す。ぜんぶご当地映画にしていったんです。
最後は中部地区だったと思うんですけど、名古屋には映画と関係するネタがひとつもない。そこで「私、鈴木敏夫は名古屋の出身でございまして、根っからのドラゴンズ・ファン。そういう意味では、ご当地映画のひとつと言えなくもないんじゃないでしょうか」と言って笑いをとった。
カンタンに作品が作れる時代だから、作品数を増やしてしまう。
いかがでしょうか。
同じ作品(もののけ姫)だとしても、その売り方や宣伝の仕方は無限大だということです。
「そんなの当たり前だろ!今更なにを言っているんだ!」とこのブログを読んで呆れている方もいるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか?
どうしても僕らは、これだけカンタンに表現ができてしまう時代に生まれてしまうと、「作品(商品)」の数の方を増やそうとしてしまいがちです。
「ネットはフローが原則なんだから、初速が命。もし初速で売れなかったら、次の作品。また売れなかったら、次の作品。と作っていくしかない」と。
それが今のネット上の定説だと思います。
定説じゃないとしても、大多数の人々がそんな行動を繰り返している。
しかし、こんな時代だからこそ、今僕らが本当に注力するべきは「宣伝の仕方」なのではないでしょうか。
作品数を無理やり増やしても、自身が枯渇してしまうだけ。
そもそも、自分の霊を込めた作品なんて、一生をかけて作ることができる数というのは限られています。
それを無理やり増やそうとして、自分のアイディアを絞り出そうとすれば、創造力が枯渇していくだけ。
その枯渇感を味わって挫折しそうになっている人を、僕はネット上で何人も見てきました。
一つの作品をより長く広く届けるためにはどうすればいいのか?
だったら、売り方を考えましょう。
一つの作品(商品)をより長く淡々と売り続けていくためにはどうすればいいのか。より多くの人に届けるにはどうすればいいのか。その方法を考える。
そうやって視点を変えてみると、その道筋が無限大に存在することがわかってくると思います。
最後に
「200円程度の有料記事を数百本売っただけで、偉そうなことを言うな!」と思う方も多いかもしれません。
自分でも本当にそう思いますが、このことを気づけただけでも、今回の実験は非常に価値があったなと思うのです。
少しでも皆さんの参考にもなれば幸いです。
それでは今日はこのへんで。
ではではー!