シンガポールから日本が学ぶべきところは“矛盾はあっても、葛藤はない”その姿。

マリーナ・ベイ・サンズ

そこは振り切った国でした。どうも鳥井(@hirofumi21)です。

今日は、内田樹さんの以下の記事から考えたことについて、自分なりに少し書いてみようと思います。

日本のシンガポール化について (内田樹の研究室)

これまでも、シンガポールと日本が比較されるということは、頻繁に目にしてきました。

同時期に、かたや経済的に急成長、かたや急降下しているというところをみれば、比較されて当然だと思います。

個人的には内田樹さんの記事の中に出てくるジム・ロジャーズさんの考え方は嫌いじゃないです。この本も最近読了して、非常に学びの多い一冊でした。

また、今年の5月にシンガポールに実際に訪れた際には、日本からシンガポールに移住した事業家・加藤順彦ポールさんともお会いしてきました。まさに内田さんの記事の中で書かれている「移住した外国人」の代表格といえる方でしょう。

<追記>
加藤さんがNHKのドキュメンタリーで取材された時のブログ記事です。このブログと合わせて読んで欲しいと思います。
Nスペ”新富裕層” vs.国家 ~富をめぐる攻防~に出場しました。 | 加藤順彦ポール|Asian視座でいこう

日本はシンガポールを見らうべきか、否か。

まず僕の立場をハッキリさせておくと、僕はどちらの考え方も間違っていないと思います。完全に中立です。そもそも、論点は「金儲け」にあると思っていないので。

以下で具体的に説明します。

まず、シンガポールは国家単位で「金儲け」に走っている。それはそれでいいと思います。

建国の歴史からみても、「金儲け」が世界的に善だった頃に急速に発展してきたんだから、何も間違っていない。

しかし、僕が考えるシンガポールの最も尊敬すべきところは「金儲け」に思いっきり“振り切っている”ところだと思います。

それこそ「官民共犯的」に“振り切っている”ところ。

移民も当然皆、「金儲け」したい外国人です。金儲けしたいから、シンガポールに移住している。これは紛れもない事実。

「目的はそれだけではない」と言い張る人間もいるかもしれませんが、シンガポールにこのタイミングで移住しているなら、「金儲け」したいということが一番重要な目的であることは間違いありません。

それは、あの国に行けばすぐに分かることです。もう一歩足を踏み入れた瞬間に空気が、雰囲気がそう言っています。笑

それこそ極端な話、「金は儲からなくてもいいから、生きがいを重視したい!」なんてことを、あの国で口にしたら笑われる。

でもそれでいいんだと思います。

シンガポールから学ぶべき所は、その「完全に振り切った一貫した姿」であって、「金儲け」を国家戦略の主軸においているところではないと思うので。

日本がシンガポールから学ぶべきところ

日本の場合、シンガポールから学ぶべきなのは、思いっきり“振り切る”ところであり、日本は何の分野で振りきりたいのか、それを明確に決めることだと思います。

振り切ったあと、どれだけそれを当然のごとく受け入れ、それが当たり前のような素振りで「官民共犯的」に振る舞えるのかどうか、にかかっていると思います。

この主軸になれる日本の武器を何にするべきかはわかりません。金儲けなのか、はたまた職人気質的発想なのか。

しかし、主軸となれるような分野は、日本に沢山あるはずです。それこそ農業や観光だけしかないというような国とは根本的に違うはずです。

「世俗的」なものから、「伝統的」なものにいたるまで、もちろん、家電や自動車に代表される最先端技術もそこには含まれるでしょう。

どの分野の何の価値観を国家のメインにしたいのか、それを決めるのが先決なのではないではないでしょうか。

それこそ、そこに“「矛盾」はあっても、苦悩をもたらす「葛藤」はない。”というような態度を国家全体でとられるように…。

参照:No.006 その涙を疑う理由はない―『風立ちぬ』 | 総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

いずれ国家の境界線がなくなっていくことは間違いないでしょう、でもだからこそ国(場所)の特色を出していくべきなんだと思います。

本当にソレを好きな人間、興味ある人間が自然と集まってくるような場所となり、その快適環境を提供するのが国家の役割になっていくんでしょう。

以上そんなことを、内田樹さんのブログを読んで考えたので、今回書いてみました。

それでは今日はこのへんで。

ではではー。

鳥井弘文

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