どうも鳥井(@hirofumi21)です。
最近、インタビューを受けるときでもイベントの質疑応答でも、ペルソナ設定やKPI設定についての質問をされることがすごく多いです。
その場その場で相手の質問の意図を汲み取って、色々な答え方をするのですが、正直、明確なペルソナやKPI設定はうちには存在しません。
なぜペルソナ設定やKPI設定にこだわるのか?
さて、一旦自分たちの戦略不足なことを棚に上げて、なぜ皆さんがそれほどペルソナ設定やKPI設定にこだわるのかについて考えてみましょう。
結局質問者の方々も同様に、目標設定に困っているからなのでしょう。そりゃそうですよね、一昔前のPV至上主義だったらどうすれば良いのか比較的分かりやすかったですが、今はただPVがあっても仕方ない、いかに刺さるかの方が大切だという言説も有力になってきて「一体どっちなんだ!?」って思っている人も多いと思います。
そして、それが定まらないと一体誰に向けてどんな風に書けば良いのかわからない…。つまるところ、「何に向かえばいいんだ!?」っていうことなんだと思います。
だからこの質問は、何かわかりやすい目標設定を定めて、そこに向かって一直線で進みたいという気持ちのあらわれなんだと思うんですよ。
でもそんな質問をすると、少し恥ずかしい。「おまえは何のためにブログ(メディア)運営しているんだよ!」って突っ込まれてしまいそうだから。自分も同じような感覚を抱いていた時期があったので、その気持ちはとっても良くわかります。
だからこそ、ペルソナ設定やKPI設定というなんだかそれっぽいキーワードに置き換えて質問したくなるのでしょう。
「あの人」にシェアされるためにはどうすればいいのか?
改めて質問の意図を汲んでみると、その質問の根底にあるのは「誰に向けてどんなふうに書けば良いのか?」という疑問なのでしょう。
もしこの質問に対して、僕なりの答えを何か用意するならば、「『あの人』にシェアされるためにはどうすればいいのか?」を一度考えてみることだと思います。
ブロガーさんであれば、「あのブロガーさん」とかでもいいと思いますし、企業のオウンドメディアを運営している方であれば、発信力もあり自社サービスを愛してくれている「あのユーザーさん」でも良いと思います。
あ、もちろんインフルエンサーの方じゃなくても良いんですよ。特定の個人に向けて書いてみるということが大切なんです。そして、その人にちゃんとシェアしてもらえるような記事を書いてみることです。
そのためにはきっと記事の内容だけをこだわってもダメで、その人に届くまでの動線についても考えなくてはいけない。
つまり、その人のソーシャルグラフなども分析しなければいけなくなるんですよ。最近よく話題になる「記事を届ける部分」の話ですね。
ペルソナのような実在しそうで本当は実在しない人物のライフスタイルをあーだこーだと考えあぐねるぐらいだったら、まずは本当に実在する「あの人」のライフスタイルを想像してみること。そしてその人に実際に読んでもらって、しかもちゃんとシェアもしてもらうこと。
誰にでも中途半端に刺さりそうなものをつくるから、わけがわからなくなるんです。
PVを稼がなくてはいけない、でも読者の記憶にも残らなければいけない。最初から2つの目標を同時に達成させようとするから、一気に無理ゲー感が出てくるわけで…。
まずは第一義的な目的として、「あの人」に刺さるためにはどうすれば良いのか?それを徹底的に研究して試行錯誤を繰り返してみることです。
あの人に届けることで、自然に自分たちが望んでいた読者さんを獲得することができる。
この目標設定のいいところは、「答え」が明確にあるところ。
あの人に刺さって、シェアもしてもらって、あわよくばメディア名を覚えてもらうっていうのは、至極単純な目標なので猪突猛進しやすいです。
あと、これは僕の経験上の話でしかありませんが、「あの人」と自分との“距離”、そこに一直線の道があるとすれば、大抵自分(たち)が狙うべきターゲットってその道の上にいるんですよ。
だから、結果的に、あの人にシェアされるためだけに努力してきたら、自然に自分たちが望んでいたような読者さん(ユーザーさん)を獲得できた!ってことになりやすい。
そうやって、広げていくのが結局一番の近道のような気がします。
最後に
「100万PV」とか「500はてブ」とかそれっぽいKPIを設定してそこを漠然と狙うぐらいだったら、自分にとって100万PVや500はてブの価値があると思える人は誰なのか?まずはそれを考えてみる。
そして、その人にシェアしてもらうためにはどうすればいいのか、それを徹底的に考えてみる方が合理的な気がするのです。
これは極端な例で半分冗談みたいな話ですが、もし現代に豊臣秀吉がいたら、信長の草履を温めるのではなく、信長が本当にシェアしたくなるような記事書いていたんじゃないでしょうか。
それが書き手(編集者)としてのセンスを最速で高めていける方法だと思います。
そもそも、誰にシェアされたいのかすらもいまいちピンとこないという人は、「誰にシェアされたら、純粋に自分(たち)がときめくのか」で判断してみるのはいかがでしょうか。「人生がときめく片づけの魔法」のこんまりさんみたいな話ですね。
この話を書き始めてしまうとまた長くなってしまうので、それはまた別の機会に。
ここまで読んでくださった方の何かしらの参考になれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
ではではー!