どうも鳥井です。
若い頃から、趣味で色々なビジネス本や経営本を読んできましたが、そこで得られた知見が実態に即さないなあと思う場面もしばしば…。
僕が実際に起業してみて、「今は本当はこうなんじゃないのかなぁ…?」と漠然と思っていたことが全て書いてある本を見つけました。
そんな本を、今日はご紹介してみたいと思います。
ビジネス・フォー・パンクス | ジェームズ・ワット, 高取 芳彦, 楠木 建 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
「顧客が一番大事!」は本当か?
例えば、「会社にとって、株主が一番大事!」なんて書いてある本は、会社法のテキストぐらいなんですが、それでもやっぱり「顧客(エンドユーザー)が一番大事!」という主張が一番多いと思います。
でも、そんな言説を読む度に、僕は何となく違和感を感じていました。
本当にそうなの…?と。
誤解を恐れずに言えば、僕は「社員(従業員)」が一番大事だと思っています。
そして、その次に仕事で関わってくれる人々(社外だけど同志であるという人です)。
僕がこのブログで「メンバー」と書く時は、ここまでを含んだ人を指していることが多いです。
そして、一番最後に僕らにとってエンドユーザーさんである、読者の方々が大事だと思っています。
社員>仕事で関わってくれる人>読者という順番ということですね。
「まずは社員のことを考え、顧客のことはその次に考えればいい。」
そんなことをモヤモヤと考えていたら、本書にも全く同じことが書いてあり、その理由も非常に納得してしまいました。
少し引用してみましょう。
ターゲット市場なんて言葉も無視しよう。あんなもの、人を馬鹿にしてステレオタイプに無理やり当てはめる、時代遅れの思い上がった屁理屈でしかない。ここまで薄っぺらな理屈を持ち出すのは、マーケティング講座でゴミ知識ばかり頭に詰め込んできた連中に決まっている。
(中略)
21世紀型の会社では何事もそうだが、人を雇う場面でも、古くさいルールの出番はなくなっている。
力のある人材は何十年も同じ場所でおとなしく働くことを望まない。「一生同じ仕事をさせられるなんて、生きてるんだか死んでるんだかわからない」「ゾンビにでもなったほうがましだ」と考えている。
今の優秀な人材が望むのは、全力で打ち込め、裁量があり、成長でき、挑戦でき、きちんと報われる仕事だ。そこから導かれる結論は何か。そういう仕事が与えられなければ、最高のスタッフをよそに奪われるということだ。
社員が愛着を感じないような事業では、顧客はそもそも見向きもしてくれない。だから、まずは社員のことを考え、顧客のことはその次に考えればいい。ひねくれて聞こえるかもしれないが、本当だ。息の長い会社を築くには、これ以外に方法はない。
いかがでしょうか?僕はもう一言一句、同意でした。
特に「まずは社員のことを考え、顧客のことはその次に考えればいい。ひねくれて聞こえるかもしれないが、本当だ。息の長い会社を築くには、これ以外に方法はない」の部分は、本当にそのとおりだと思います。
なぜ経営者は、社員のことを第一優先に考えてもいいのか?
じゃあ、なぜ経営者は社員のことを第一優先に考えるべきなのでしょうか?
顧客のことは社員の次でも良いという理由部分も秀逸なので、合わせて引用しておきます。
経営者が社員に目を配れば、社員は顧客や、会社にとって重要な人たちに目を配る。これまでの常識とは違うが、話は単純だ。経営者がチームや社員に尽くせば、彼らは同じように顧客に尽くすということだ。
まずは社員が自分たちの仕事を愛さなければ、顧客が愛してくれることは絶対にない。そして、この最初の愛の力はいつまでも続く。顧客の前に立つのは社員たちだ。彼らが会社の姿をより広い世界に示していく。
社員が刺激を感じ、自信を持ち、仕事に打ち込み、評価されていると感じるほど、自分が関わる人に会社や商品のことをうまく伝え、いい印象を与えるようになる。
先日公開した、株式会社Waseiのコーポレートサイトのインタビューの中で自分が語りたかったこともまさに、ここに書かれているようなお話です。(言語化下手でごめんなさい)
最後に
本書は、2007年に300万円で始めた「ブリュードッグ」というクラフトビール企業の創業者が書いた書籍です。
8年足らずで売上70億円を超える急成長を遂げて、その過程で実践してきた方法が余すところなく書かれています。
他にも、マーケティングの章やセールスの章など、共感してしまうところが非常に多かったです。
時代が大きく変化してきている中で、企業の在り方、もはやこれを企業と呼んでもいいのかわかりませんが、チームを組んでコミュニティをつくり、文化をつくり出していきたいんだという方には、とても参考になると思います。
気になる方はぜひ手にとってみてください。
それでは今日はこのへんで。
ではではー!