だから、他の地域の成功事例は役に立たない。地域を本気で変えたいと思うリーダーたちに、僕が全力でオススメしたい本。

今日は、最近読んだ本の中で、全力でオススメしたい本をご紹介してみようと思います。

それが「ミスターミニット」を運営するミニットアジアパシフィック代表取締役社長・迫俊亮さんの「やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力」という本です。

書籍のタイトルにもあるように、リーダーを任されている人たちにはぜひ読んでみて欲しい本のですが、僕はそれ以上に地方で自分たちの町を変えていこうとしている若い人たちにぜひ読んで欲しいと思っています。

今日は本書の一部を引用しつつ、なぜ本書が地方を変えたいと思っている若い人たちにオススメなのか、その理由を少しだけ書いておこうと思います。

「なぜこんな仕組みをつくったのだろう?」「この仕組みの本質はどこにあるんだろう?」と考える姿勢が大切。

下記は「だから、Google本は役に立たない」という章からの抜粋です。まずはこの部分を読んでみてください。

エクセレントカンパニーの本(Google本)を読むときや他社の先行事例を参考にするときに必要なのは、「なぜこんな仕組みをつくったのだろう?」「この仕組みの本質はどこにあるんだろう?」と考える姿勢だ。

どんな文化を持っていて、何を目指しているのか。この制度で社員にどう影響を及ぼしたいのか。うちだったら、この仕組みに類するのはどんな仕組みか。 上澄みではなく本質を見極め、その本質だけお借りする。

これが、「正しい他社事例の使い方」ではないだろうか。 繰り返しになるが、そのために必要な自社理解を進めるためのヒントは、「現場」にあるのだ。

僕がこの部分を読みながら思ったことは、これって地域(ローカル)も全く同じだなと。

むしろ、地域活性化の事例ほど、他の地域の成功事例をそのまま持ってきても意味がない。

なぜなら、地域の成功事例って基本的に「ブリコラージュ」でつくられているからです。エンジニアリングで作られているわけではありません。

参照:ボトムアップ型のDIYでつくりだす。なぜブリコラージュ的な発想が、いま重要になってきているのか? | 隠居系男子

「いま、ここにあるもの」を使わなければいけない地域。

この点、グローバル都市は、他の国のグローバル都市の成功事例をそのまま持ってきてもいい思います。

「いま香港でこんな商業施設が流行っているから、これだけの予算を投入して、バンコクにも同じ商業施設をつくろう!」というやり方は、十分に考えられる。

でも、ローカルは違います。

限られた予算の中で、その土地が持ち合わせている気候風土や伝統文化、その土地に暮らす人々、そういった前提条件を全て加味した上で、「いま、ここにあるもの」で作っていかなければいけない。

グローバル都市のように、更地に莫大な予算をかけてエンジニアリングの手法で何かをつくるわけではないのです。

参照:真のグローバル化とは、徹底的に日本の原風景を理解すること。 | 隠居系男子

他の地域の成功事例(PR動画やゆるキャラ、大型ショッピングモールなど)をそのまま持ってきても、失敗してしまうのは当然です。

表層ではなく、その趣旨目的に立ち返ること。

だからこそ大切なことは、上記でも引用したように「上澄みではなく本質を見極め、その本質だけをお借りする」という姿勢です。

このブログでもいつも書いている「必ずその趣旨目的に立ち返ること」と同義だと思います。

成功の本質をしっかりと読み解いて、自分たちの地域でこのやり方や考え方を採用するとしたら、どんな施策が良いのか?それを必死で考えることが何よりも重要。

僕たちが運営する「灯台もと暮らし」で見てきた地域も、既にうまくいっている地域というのは、そんな視点で物事を捉えて考えることができる人たちが必ず存在していました。

最後に

本書は経営陣も現場も腐ってる企業で、外部からやってきた29歳の若い社長が見事に再建を果たしたという話です。

行政や町の人々がやる気をなくしてしまっている地域で、どうにかまた復活させようと頑張っている若い人たちにこそ最適の1冊だと僕は思います。

ご興味がある方はぜひ読んでみてください。

きっと何かしら参考になる部分があると思います。

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