ネットベンチャーとサッカー業界から探る「プロフェッショナルが生まれるための環境」

セブ島に来て9週間経ちました。どうも鳥井です。

今日は本来のこのブログらしく、日本のネットベンチャー業界に対して自分が考えていることを少しだけ書いてみたいと思います。

やはり今、ネットベンチャーと言えば一番良く耳にするのはリブセンスだと思います。そして社長である村上太一さんは各メディアでも頻繁に取り上げられており、新しい世代の起業家として注目されています。

僕も彼を紹介した書籍『リブセンス <生きる意味> 25歳の最年少上場社長 村上太一の人を幸せにする仕事』は読ませてもらいました。

率直な感想はやはり皆さんと同様「素直・真面目・普通」これに尽きると思います。

そして僕はこの本を読んだ後に、日本のネットベンチャー業界に一つの時代の変化が訪れたんだなと思いました。

彼はこれから日本で生まれてくる新しいタイプのベンチャー起業家の第一弾であり、彼のようなタイプの起業家がこれからどんどんと現れてくると思います。

では、なぜ僕がそう思うのか。

何かプロフェッショナルな人間が生まれる時、その環境には、3段階ぐらいのステージがあると僕は思っています。以下がそのステージです。

ステージ1:教育システムがない。ロールモデルもいない。社会からの期待もされていない。

このステージでプロフェッショナルになれる人
→常に自分の頭で考えて、目上の人から言われたことも本当にそれが正しいかどうか、常に考え抜いて実行した人。周りからはかなり尖った人だと思われる事が多い。

ステージ2:教育システムがある程度整う。ロールモデルも幾人か存在する。社会からも注目される業界になり始める。

このステージでプロフェッショナルになれる人
→指導者の助言を素直に聞ける人。淡々と努力できる真面目な人。いい意味でフツーの人。

ステージ3:教育システムが完全に整う。王道の成功法も確立される。様々なタイプのプロフェッショナルが現れて、ロールモデルもバリエーションが豊富。自分に合ったタイプを選ぶことができる。

このステージでプロフェッショナルになれる人
→そのことが大好きで時間を忘れて没頭できる人。そういった人であれば誰でも一定レベルのプロフェッショナルになることができる。

という感じです。

でもここまで読んでみて、いまいちそのイメージが湧かないという人もいると思います。そんな人のために、ここでちょっとした喩え話。

この3つのステージを日本のサッカー業界に当てはめて考えてみましょう。世界で活躍する日本のプレイヤーが育ってきた過程です。

(※僕はサッカーに全く詳しくないです。完全にスポーツニュース的な知識しかありません。あくまでイメージを掴む為の例なので、多くの人がイメージしやすいサッカーを使わせてもらいます。)

80年代、日本でのサッカーの知名度はあまり高くありませんでした。
この時がステージ1以前の状態です。

しかし、Jリーグの開幕や日本代表のワールドカップの出場を受けて、日本でのサッカーが徐々に盛り上がりを見せてきます。そんな中、中田英寿という逸材が現れました。彼は類まれなる才能を発揮して、時にはその尖った性格がメディアから叩かれることもありました。しかし彼が日本人で初めて世界で活躍したプレイヤーだということは間違いないでしょう。

ちなみにベンチャー企業だと、この世代が孫さんやホリエモン、藤田さんあたり。

その後、中田と同時期にプレーしていた小野や稲本、中村俊輔などが後に続き、日本人プレイヤーが世界で活躍するようになってきます。

ここがベンチャー企業だといわゆる76世代。GREEの田中さんとかmixiの笠原さんとか。

そして今、サッカー業界ではステージ2〜2.5ぐらいを迎えていると思います。

前回のワールドカップで岡田監督の采配が注目されたのも記憶に新しいですが、指導者の質もかなり重視され、幼い頃からの英才教育システムも整ってきていると思います。根性論ではなくスポーツ科学をしっかりと取り入れたプログラムが組まれているのもその現れでしょう。

そしてこの環境下で練習している子どもたちは、◯◯選手が憧れです!と小さなころから目を輝かせ「夢は世界の舞台で活躍すること!」と口を揃えて言っています。

今もしサッカー業界で世界を舞台に活躍したかったら、その最短方法はきっと、しっかりと結果を出している指導者のもとで、早くから英才教育を受け、素直にそして愚直に練習することなのでしょう。尖っていてはダメです。

今現在日本代表で活躍している選手たちを見ていると、きっとこうゆう風に育ってきたんだろうなという選手が多いと思います。…まぁ、本田は違うかもしれませんが。笑

(世界のファンタジスタになれるかどうかはまた別の話。…また全く新しいタイプの尖った子がいつか現れるんでしょうね。)

話は大分それてしまいましたが、日本のベンチャー業界も今は丁度こんな感じだと思います。

日本の国内を舞台にベンチャーで成功したければ、幼い頃からビジネスに興味関心を持つように親が仕向けて、テレ東の番組を見せたり、時には自分で小さなビジネスをやらせてあげる。

そして、一流私立大学に内部進学できる高校に入れさせて、高校時代からビジネスに没頭できる環境に身を置き、早くから起業家になりたい人々の集まりに参加し、そこで行われるコンテストなどで賞を取っていく。

まさにリブセンス村上さんが通ってきた道がこれだと思います。

日本には大なり小なりそれなりの成功を収めた起業家が沢山いますし、セミナーや教育プログラムも怪しいものだけではなく、上の世代の方々が作り上げてくれたしっかりとしたモノも沢山あります。

鉄製の頑丈なレールが引かれているわけではないですが、あぜ道や獣道程度の道は、上の世代の人達の足あとでしっかりと出来上がっている状態だと思います。

この道を通っていける人たちであれば、かなりの高い確率で日本で起業家として成功できると思いますし、それを実行できるのがまさに村上さんのような素直で真面目、いつも笑顔で周りから好かれるタイプの若者なのでしょう。

しかし一方で、アジアではまだ0からのやり方を誰も示せていません。
僕らは本当に自分たちがやりたいことを通じて、アジアの新興国の空き地からそのあぜ道を創る役割を担っていければと思っています。

アジアでステージ1を創り上げることに貢献出来れば、この上ない喜びでしょう。

いつかそんな日が来ることを願って今日も僕らは努力して行きたいと思っています。

それでは今日はこのへんで。

ではではー。

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