【第2回】革小物ブランド「Alt81」がウェブコンテンツに力を入れるようになったきっかけとは?

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どうも鳥井(@hirofumi21)です。

今回は、前回のインタビュー記事の続きです。

第1回目の記事はこちら。
蔵前に店を構える革小物ブランド「Alt81」は、なぜウェブコンテンツに力をいれているのか? | 隠居系男子

ウェブコンテンツの7割は、お客様に育ててもらってるようなコンテンツばかり

ーー ちょっと話が戻ってしまうのですが、なぜホームページのコンテンツをあれほど作り込んだり、サンプル貸し出しサービスを始めようと思ったんですか?

高崎 一方的に発信するのがホームページなので、なるべく多くのことを載せて、共感してもらえるようにしたいと思っています。

お客様のニーズをどれだけ汲み取れるかっていうのは、ブランドによって差が出てくる所なのかなと思ってます。

ーー あっ、じゃあブランドを立ち上げる構想段階から、こういう形で攻めてみようって思われていたんですか?

高崎 そうですね。コンテンツの内容までは特に決めてなかったんですけども、ウェブコンテンツは絶対に作っていこうと思っていました。内容自体は、お客様とのやりとりの中で、お客様のニーズを汲みとって書いています。

こういう所がよくわからないっていうお話を聞いたら、そこの部分を比較検討できるコンテンツを準備しよう!など、そうやってコンテンツがひとつずつ増えていっている感じです。

ーー あー、ではあれは、全体の構成を体系立てて決めてから作り出したというよりも、どんどんお客様とのコミュニケーションとっていく中で生まれていったものなんですね。

高崎 あっ、そうなんです。ほとんどがそうですね。「この財布の内装はどんなもの使ってるんですか?」って聞かれた時に、あっここにこう書いてあるけどわかりづらかったかなって思ったら、それだけをちょっとピックアップして「こういう内装で、こういう特徴がある生地を使ってるんですよ」と付け足してみたり。

お客様に育ててもらってるようなコンテンツばかりで、たぶん7割くらいはそういうコンテンツじゃないかなと思います。

「いきなり解説のコンテンツから見るというお客様はいない。」

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ーー そうなんですね!意外でした。あと、サイト内での回遊のさせ方がものすごくうまいですよね!

高崎 本当ですか。それは嬉しいです。

ーー サイト内のコンテンツをくまなく読ませてもらったんですけれども、なんかこう、同じことをうまく織り交ぜていきながらも、読者に「しつこいよ!」って思わせないようなリンクの貼り方が、すごくうまいなあと思っていて。

高崎 (笑)。本当ですか、僕そこがすごく気になっていたので、そう言っていただけてすごく嬉しいです。

ーー いや、本当にあれは絶妙ですよ!

高崎 お客様は、必ず最初に商品をクリックしてしまうんですよ。いきなり解説のコンテンツから見るというお客様って、ほとんどいらっしゃらなくて。

ーー そりゃそうですね。僕も間違いなくそうやって巡回していました。

高崎 気持ち、すごくよくわかるんです。

そうすると、どんなカバンがあるんだろうとか、どんな財布があるんだろうっていうのを一通りみて、普通はそのまま直帰してしまう。でも、色々と知ってもらいたい。そこでお財布のページを見てる時に、この話はこことリンクしてるからこっちを見に行ってねと書くと実は自然と見てくれるんです。

ーー いや本当そうなんですよ、だからすごーくたくさんブラウザのタブを開いちゃって(笑)

高崎 あはははは。

ーー 1個ずつ内容が濃いので、読んでいて為になるというか、知識になっていくので。もう隅から隅まで読んでしまいたいという気持ちにさせられるんです。

高崎 ありがとうございます。僕らのブランドを見に来るお客様は、やっぱりものが欲しくて来るお客様がほとんどです。でも物から入って、その後ろにある背景を気に入ってもらえないと買ってもらえないんです。

買ってもらえないとブランドとして成立しないので、まずは買ってもらえるために商品のちゃんとした情報を伝えること。その背中を後押しするような、例えば、使っていくとこうなりますよっていう話は、ちょっと買おうかどうかって迷ってるお客様に役立つコンテンツになるように意識しています。

モノの良さから、ストーリーを好きになってもらいたい

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ーー だから僕も、最初は名刺入れとか財布とか商品のページから入ったんですけど、それらを読んでいくうちに、気づけば革の話とかを読んでいて、あとは製法の話とかも読みこんでしまいました。そしてそれらを読んでいくと、今度はストーリーに入っていって。こういう想いで作っていて、だからこそ、この辺りに店舗を構え、さらにそこの技術を残していきたいんだっていう、理念みたいな所に自然に辿り着いて、「あっ!これは絶対に欲しくなるやつだな」って。(笑)

高崎 そこまで言っていただけると、もう本当に御の字です。

ーー ここに購入に来る方、目的買いに来る方の気持ちがすごくわかるなあっていうのが、今の正直な感想です。

高崎 本当ですか。ブランドを作った経緯なんかは正直お客様からすると、一番重要な部分ではなかったりするんですよね。

ーー うんうん、そうなんですよね。でもどうしても作り手側からすると、そっちから伝えたくなってしまうんですよね。

高崎 そうなんですよ。でも、僕らの本心としても、やっぱり気に入ったものじゃないと長く使っていただくってことは難しいと思っているので。まずはやっぱり商品自体を気にいっていただきたいと。

商品を気に入っていただいたら、それを長く使って頂けるように僕達こういう気持ちで作っているので、こういうことやっていきたいと思っていますとか、こういうものづくりを意識していますよっていう話をすると、じゃあもうこれすごく気に入ったから長く使おうとかっていう気持ちにつながっていくのかなと。

あんまり僕達のブランドストーリーをワッと全面に出すとかっていうことはせずに、よければ、ちょっとブランドストーリーでもみたいな感じで。(笑)

「『僕達ってこうなんだ!』っていうのを1回全部消しました」

ーー なぜ、そんな風に考えるように至ったんですか?

高崎 最初は本当に「俺たちはこんなブランドなんだぜ!」っていうのを全面に出して、最後の方に商品紹介という流れにしていたんですけれど、それだとなかなか購入につながらなかったんです。

ーー あーなるほど。

高崎 その時に、あーこれはちょっと違うのかもって思って。だから自分の中にある、「僕達ってこうなんだ!」っていうのを1回全部消して、カバンの知識も全部1回消しました。

そしたら「他と何が違うのか全然わかんないけど、でもこれなんか良いな」と思ってくださる方に買って欲しいと僕らが思うようになって。

最終的に「あなたの買ったものはここまで気にして作ってるんですよ!」って話をすると、「俺やっぱりものを見る目ある」みたいな感動があると嬉しいと思うようになったんです。

ーー あー、なるほどなるほど。

高崎 お客様にとってどうでもいいことかもしれないけど、「実はこういう所をこだわってるんですよ」って伝えると、そういうブランドを自分が選べたことが、すごく嬉しいって言っていただけます。その感じが良いなと。だから自分たちの主張というのはもう抑えようと。そういう部分を意識して大きく方向転換したのが今のウェブサイトになりますね。

★★★

次回に続きます。

それでは今日はこの辺で!

ではではー!

公式サイト:Alt81 -日本の考え方を形にする-「Alt81 Web Shop」

(写真撮影:タクロコマ 一部画像提供:Alt81)

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