地域の課題の可視化に留まらない、ローカルウェブメディアの可能性。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

3月25日に「IN&OUT&灯台もと暮らし 北海道新幹線開業前夜! 上野で考える函館の未来」を開催しました。

当日は30名以上の方々に集まっていただき、おかげさまで大盛況でした。

個人的に一番衝撃を受けたのは、「函館」をテーマにしたイベントだったので、イベント開始前から来場者の皆さん同士で活発な交流が始まっていたこと

これまで様々なイベントを開催し、参加もしてきましたが、こんなイベントを目にしたのは初めてでした。やはり「地元」という共通項は強力ですね。

イベントの詳しい内容については、「IN&OUT -ハコダテとヒト-」の馬場さんが書いてくれた以下のレポート記事を御覧ください。

Tumblr inline o4nh6mnCmt1qjoc1h 500
参照:IN&OUT-ハコダテとヒト- — EVENT REPORT

今日は、このイベントを通して気が付いた「ローカルメディアの可能性」について、少し自分の思うところを書いてみようかと思います。

自分たちの地域を良くするために「課題の可視化と共有」に留まらない。

さて、従来のマスメディアとローカルウェブメディアの一番大きな違いは、きっとその地域の課題への踏み込み具合だと思います。従来のマスメディアは、「課題の可視化と共有」止まりで、あくまでも情報の伝達者としての役割でした。

しかし、今インターネットを使ってローカルウェブメディアを作っている層は、メディアという機能をあくまで一つの手段として使っているにすぎないため、「課題の可視化と共有」に留まりません。

それは先日行われた「ジャーナリズム・イノベーション・アワード2016」のレポート記事でも語られていたことに近いです。関連する部分を少しだけ引用しておきます。

既存マスメディアは、テレビや新聞という太いパイプを構築し、読者開発や拡散について考えていなかったので手段に注目してしまっていますが、メディアを手に入れた個人や小さな組織、NPOは伝えたい事があるからメディアを使うのです。

引用元:全国紙がローカルメディアに敗れた理由 イノベーション=技術革新という「誤解」(藤代裕之) – 個人 – Yahoo!ニュース

そもそも、ローカルウェブメディアを運営している人たちの設立趣旨は、もっともっと自分たちの地域を良くしたいということ。

つまり、「地域の課題を可視化する→読者に共有する→リアルの場で、学びと思考を深める→実践する→更に地域が良くなるための研究をする」ここまで達成できて初めて、本当の意味で彼らの欲求が満たされるわけです。

その地域に興味関心のある若者たちの“情報の交差点”が生まれているから。

この一連の流れ実現することができるかもしれないのが、ローカルウェブメディア。そして、実際にそのポテンシャルを秘めています。

たとえば、地域で◯◯という課題が見つかったら、これまで取材した人同士や、読者の方々、メディアを応援してくれている企業を繋げて、何か新しいプロジェクトをメディア発で立ち上げることだってできてしまうでしょう。

もしそのプロジェクトに予算が必要なら、そこでクラウドファンディングなどを使って資金を集めることもできるかもしれない。人手が必要だったら、ネット上に数多ある求人サービスなども駆使しながら、独自の求人をしてみてもいいかもしれません。

ではなぜ、ローカルウェブメディアはそんなことができるのでしょうか?

それは、その地域に興味関心のある若者たちの“情報の交差点”が生まれているからなのでしょう。

日本中の不特定多数の人々に無闇矢鱈に届けるのではなく、その地域に興味関心がある人々にダイレクトに届けることができる環境を作り上げている。

ローカルウェブメディアという軸がしっかりとあるからこそ、そこを母艦にして、当事者意識を持った人々たちの手によって、本当の意味で地域の課題を解決することができるわけです。

最後に

IN&OUT」の阿部さんたちは、自分たちのメディアを「地域の青年団のような取り組み」と称しています。

この「地域の青年団のような〜」という表現は、初めて聞いた時はサラッと聞き流してしまったのですが、こうやって考えてみると、ローカルウェブメディアの可能性を見事に言い表しているなと思いました。

とても今の時代の理に適っている表現です。ローカルウェブメディアはまさに地域の青年団の新しい形なのではないでしょうか。それこそ「地域青年団2.0」です。

そして、そんな青年団の団員は必ずしも地元に居る必要はなくなった。インターネットの力によって日本中、いや世界中どこにいても、その地域の課題解決に携わる事ができるようになったのです。

その個の力を結集して、体現することができるのがローカルウェブメディアだということでしょう。

IN&OUT」は、その第一人者になってくれるはずです。皆さんもぜひご期待ください。僕も全力で応援していきたいと思います。

それでは今日はこの辺で。

ではではー!

スポンサードリンク