どうも鳥井(@hirofumi21)です。
「これからの時代に売れるモノは、ツールかグッズだけ。」っていう、いかにも隠居系男子っぽいブログを2015年内に書きたかったのに、結局書けなかった。それだけが悔やまれる。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2015, 12月 31
上記のツイートにあるように、2015年中に書きたいと思っていたけど結局書けなかったネタです。
今だからこそ、あえて断言しておきたい!これからの時代に売れるのは、ツールとグッズだけであると。今日はそんなお話です。
ツールとは?
まずツールとはなにか?これはFashionsnap.comの光山社長がPodcast内でも語っていたことなのですが、万人にわかりやすい例は、UNIQLOのヒートテックだと思います。
そのプロダクトの背景に人は見えないけど、機能性が優れていて、圧倒的に使いやすかったり、ただただ便利だから使っているようなもの。
最近このブログで紹介したもので言えば、以下の洗濯機なんかは僕にとってのツールの最たる例です。
参照:25歳以上で仕事(人生)を楽しみたい独身男女には、ドラム式洗濯乾燥機が断然オススメ。 | 隠居系男子
グッズとは?
一方で、グッズとはプロダクトの背景に人がしっかりと見えるもの。誰かに紐付いているもの。
文字通りグッズなので、アイドルグッズやキャラクターグッズなんかが、わかりやすい例かと思います。
ただし、グッズというのは既に存在するツールや他人のグッズなんかも、自分のグッズ化できるところが面白いところ。
「自分には、ものづくりなんて出来ないよ!」という人も、自分のお気に入りのツールや他人のグッズを、自分のグッズ化できるだけの何かしらの才があれば、それはあなたのグッズに生まれ変わります。
この点、本というのはものすごくグッズ化しやすいプロダクト。
もともと書籍というのは、著者のグッズなわけですが、そこに興味関心が近い情報発信能力の高い人のグッズにも同時になり得るわけです。
特に紙の本は、これから贈答品や雑貨化すると言われていますが、これも最終的には誰のグッズなのかということが重要であるがゆえに、そう言われているのでしょう。
あとは無印良品のような中立性の強いプロダクト(文字通り無印ですね)も、誰かのグッズ化しやすいのかなと。
下記の記事で紹介した無印良品の「シャツホルダー」はツールにも近いですが、僕が購入した要因はこのプロダクトが、はせおやさいさんのグッズだったからこそ、でもあります。
参照:無印良品の「シャツホルダー」は「ニットホルダー」に名称変更した方がいいくらい、ニットを収納するのにピッタリだったというお話。 | 隠居系男子
「グッズづくり」が圧倒的に上手いメディア3例。
さて、グッズを売るためには、何かしらの情報発信が必要で、誰かのフィルターを通し、「◯◯のグッズ化」という包装紙で包むような作業が必要だということは、ここまで読んでいただければ理解してもらえたと思います。
ここからは、その包装紙で包む作業がめちゃくちゃうまいメディアを3つご紹介しておきます。
まず、「北欧、暮らしの道具店」さんは自分たちのメディアというフィルターを通してグッズ化するのがうまいメディアです。もともとは、ただのプロダクトであっても、自分たちの視座にかなうモノだけバイイングしてきて、記事コンテンツとしてパッケージング化し「北欧、暮らしの道具店」グッズに昇華させているわけですね。
一方、「ほぼ日」さんは、グッズづくりの過程を見せるのがとても上手いメディア。何もないところから自分たちの「必要」や「興味」に駆られて、ほぼ日らしいグッズを自分たちでゼロからつくりあげていくわけです。そのグッズ作りの着想段階から読者へ公開し、ドンドン共有することで、それを読み続けてきてしまった読者としては「もう買うしかないよね」となってしまい、ほぼ日グッズを買ってしまうのでしょう。
3つ目の、「くらしのきほん」さんは、松浦弥太郎さんのずば抜けたセンスと存在感に起因してグッズづくりをしているので、一番わかりやすいグッズづくりをしているメディアだと思います。松浦弥太郎という視座から生まれてくるグッズは、まるで松浦さんの分身かのように読者の目にはうつるので、松浦さんの提案する世界観や暮らしに一歩でも近づきたい読者の方々は、くらしのきほんグッズを購入してしまうのでしょう。
最後に
何度も繰り返しますが、今このタイミングで断言したいことは、これからの時代に売れるのは、ツールとグッズだけであるということ。
そして、ツールをつくるためには「グローバル・ハイクオリティ」の物をつくらなければいけない。輸送のコストが下がり、越境ECなどもドンドン盛んになってきている昨今、勝負しなければいけない相手はそれこそ世界中にいるわけです。そこで勝ち残ることができるのは、文字通りUNIQLOのようなグローバル企業だけ。
つまり、僕らのような一般人は、既に存在するプロダクトを自分たち編集力でグッズ化するか、もしくは、「ほぼ日」さんや「くらしのきほん」さんのように自分たちの独自のグッズをつくる他ありません。
有料課金モデルで高めるべきは、コンテンツの「クオリティ」ではなく受け手側との「距離感」。の記事と同様、音楽系、特にアイドル業界を追ってきた人たちにとっては、何をいまさらと思うかもしれないですが、これからは様々なプロダクトがもっともっとグッズ化していき、いかにエモさを共感してもらうかということが肝心になるのでしょう。
もっと言うと、コルクの佐度島さんが言うように、そのグッズを触れた時に“分人”が引き出されるかどうかという事なのかもしれません。
これ以上書いてしまうと、また違う話題に飛び火していきそうなので、やめておきますね。これはまた別の機会に。
それでは今日はこの辺で。
ではではー!