どうも鳥井(@hirofumi21)です。
このブログで何度も書いてきた「何かを分析するときには、その対象物の違うところと、同じところを比較する」という話。
この話に関連して、これまたこのブログではお馴染みのラジオ番組「荻上チキ・Session-22」で、非常に参考になることが語られていたので、今日はその内容をご紹介してみたいと思います。
「2じゃなくて3で比較すると、立体的に見えてくる。」
今日ご紹介するのは、音楽評論家・松村洋さんが出演していた回です。
参照:2015年08月11日(火)松村洋「鉄道歌謡から見えた、日本近現代史」Session袋とじ – 荻上チキ・Session-22
松村さんは各地域の音楽を研究しているようで、その時に心がけているのが、3つの地域を同時に比較するといういこと。
具体的には、タイ、沖縄、日本本土など、三角形の形で比較していくと、どこが似ていてどこが違うということが、立体的に見えてくると言います。
これに対して荻上チキさんも以下のように賛同していました。
物事を考えるときに比べるのが大事ですけど、2じゃなくて3以上で考えて立体的にすると、色々と見えてくる。2じゃなくて3というのがミソ。2だとどっちがすごいかっていう単純な比較になってしまうけれど、3箇所以上だと複雑に分析することができる。
一方で、「比較対象があまりに多いとわけがわからなくなってしまう。だから分析するときは、まずは3がオススメだ」と、お二人とも意見が一致していました。
3つで仮設を立て、追加取材で更に本質に近づいていく。
この話は、感覚的にもすごく共感できるところ。
今「灯台もと暮らし」を運営する上でも、これは常に意識して欲しいこととして、最近編集会議などでも何度もメンバーに伝えています。
同ジャンルのテーマで記事を作っていく時には、できることならまずは3箇所(3人)を同時に取り上げたい。
3つ比較することによって、その3つの共通点や相違点を探りだしていく。そうすると徐々に徐々に、多面的で立体的的な“何か”が見えてくるからです。
そこである程度、仮設が立てられるようになってくる。その仮説に従って、更に追加取材を続けていくことによって、今よりももっと本質に近づいていけるようになると思うのです。
でも、常にフラットな目線で取材する。
ただし、ここで注意が必要なのは、たまたま抽出したその3箇所に当てはまったことを盲信しすぎないこと。その3つがたまたまマイノリティ側だったという可能性も十分にあり得るからです。
だからこそ、先入観を持たないようにすることが大切。自分たちのシナリオありきの取材は絶対に行わないこと。
「もしかしたら、◯◯なのかもしれないな…」ぐらいに心に留めておきながら、現場に行ったらまたフラットな目線から物事を見られるようにしておくことも、同じぐらい大切なことだと思っています。
最後に
もし、比較したい場所があったら、まずは3つ抽出して比較してみる。そこで見えてきた共通点や相違点を分析していく。
そうすると、なぜ今その場所やコトが盛り上がってきているのかということが徐々に理解できるようになってきます。
これが記事として情報でまとまっていれば、他の場所やコトで横展開するときにもうまく使ってもらえるはずです。それは知識だけではなく、“知恵”の部分としてもそう。
参考:「自分の好きなことを好きなように書いて、書き続けること」その真意について。 | 隠居系男子
僕達のようなメディアが、今後取り組んでいかなければいけないことはそんなことだと考えています。今日の記事が、読んでくれた皆さんにも何かしらの参考になれば幸いです。
それでは今日はこのへんで。
ではではー!