次の時代のコンテンツビジネスモデルとはなにか?版権モデルの次なる一手。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

インターネットが発展した現代において「コンテンツでどうやって食っていくか」というのはとても重要な問題です。既に多くの有識者の方々が自分の意見を書かれています。

今日は、この問いに関する自分なりの考えを一度まとめておこうかなと。

個人的にその一つの答えとなりそうだと思っているのが、コンテンツを起点とした「コミュニケーションをのせた物販モデル」ではないかと思っています。

今日はそう考える理由について少し書いてみます。

コンテンツ課金モデルの限界

インターネットが発達して、テキストや音楽、画像や動画など「コンテンツ」という無形物はすぐにデジタル化されてしまい、いくらでもコピーが可能となってしまいました。

どんなにコピーコントロールや著作権法でガチガチに固めて守ろうとしても、コンテンツがどんどんコピーされていってしまうことは、もう防ぐことはできません。

そうすると、まず一つ目として考えられる対抗策としては、コピーされても何の意味もないコンテンツビジネスモデルをつくりだすこと。

たとえば、「隠居系男子」というブログ上で読まないと何の意味も持たない状態を作り出してしまう。百歩譲って転載されたとしても、鳥井というライターが書いたことがわからなければ、何の意味も持たないコンテンツにしてしまうこと。

その媒体に載っかているからこそ、その人が言うからこそ、意味のあるものしていくというやり方です。

そうしたうえで、コンテンツ自体に課金をしてもらうことで、受け手の方々に楽しんでもらうというかたちです。

これはこれで一つの方法と言えるでしょう。でもこれって、コンテンツを売っているようで、結局はコミュニケーションを売っているのと同じなわけです。

しかも、このコミュニケーションという無形物に対して魅力を感じ、しっかりと価値を見出して定期的につながり続けてくれるという人は本当にごく一部。

ある程度のリテラシーが求められてしまう上に、実際に課金し続けてくれるという人はそれほど多くはないでしょう。

版権ビジネスモデルの次なる一手とは?

やはり、結局大事になってくるのは、モノであり有形物なんだと思います。

漫画もアニメも、昔から版権ビジネスで成り立ってきているように、コンテンツそれ自体をどうやって物に落とし込むのかが重要。このあたりの苦労話を読むには、以下の本が非常にオススメです。

しかし、インターネットの発達と同時に、モノが売れなくなった今の時代に、ただ単純にコンテンツをモノにのっけてみたとしても、誰も買ってくれないのは明らかです。

しかも、アニメや漫画のようにわかりやすく物に落とし込みやすいコンテンツであればいいのですが、それ以外のコンテンツ、例えばブログの記事やウェブメディアの記事は版権ビジネスというのはなかなか難しい…。今のところ、書籍化ぐらいしかその方法は思い浮かびません。

コンテンツを起点にした「コミュニケーションをのせた物販」が重要になる

この点、「コルクを抜く」という電子書籍の中で漫画「宇宙兄弟」や「バガボンド」の編集者をなさっていた佐度島庸平さんは以下のように語っています。

佐渡島:仮にほとんどの作品が無料に近い形で読めるようになったとしても、作品を読んで感動したという「証し」は必要だと思います。

それは萌え系のグッズでしかできないとは思いません。ミュージシャンのライブグッズも、一般的な市場では無価値でも、アーティストのファンにとっては価値がある。それ自体がライブに行ったという「証し」でもあるからです。

みんなが「もの」に記憶を込めたがっているんだと思います。

漫画の単行本も究極的に言ってしまえば『紙の本』というグッズであり、電子版で読めるのに、あえて紙の本で読むというのは、“単行本”というグッズ萌えしているわけです。

「作品」というコンテンツそのものに課金しているように思えて実はそうではないと。

例えば同じ漫画であっても、僕にとって「進撃の巨人」は電子版でいいけれど、「スラムダンク」や「バガボンド」はやっぱり紙で欲しい。前者はコンテンツが欲しいだけですが、後者はコミュニケーション込みの「証し」が欲しいということです。

「進撃の巨人」ぐらい多くの人に認知され、エンタメとして楽しんでもらえる作品であれば、それでもいいのかもしれませんが、それは漫画業界の全体の1%未満にすぎない。

これを多くの人が横展開できるビジネスモデルだとは言い難いわけです。ものすごく確立が低い博打みたいなものですから…。

だからこそ、多くの人が横展開できるのは「証し」の方であり、「コミュニケーションをのせた物販」なのではないかと思うのです。

最後に

ここまで書いておきながら、じゃあそれが具体的にどんなものになっていくのかは今の自分にもまだわかりません。

これから新しく作っていこうとしているウェブメディアは、もちろん「伝えたいことを伝える」ということも大切にしていきますが、それと同時に、この「証し」とは何かを考えつつ、横展開できるビジネスモデルも一緒に探っていきたいなと思っています。

参照:株式会社Wasei設立のお知らせ。 | 隠居系男子

僕達のやり方を見てくれた人が、「自分の得意な(好きな)ジャンルに合わせたらこうやればいいんじゃん!」と思ってもらえるようなかたちを提示できればいいなと思っています。

参照:「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」小さな成功体験を積み重ねた先にあるもの。 | 隠居系男子

コンテンツの中身そのものを語るとともに、“型”も一緒に提案していきたい。そんなことができれば嬉しいです。

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

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