販売員が、作り手さんに直接会いに行かなければいけない時代。

先日、「日本のワインを愛でる会」というイベントに参加しまして、そこに持参するワインを選ぶために、ワインショップに行ったんです。

「どんな味がお好みですか?」

販売員さんにこの言葉を聞かれた時に、正直困ってしまいました。

そこまでワインに詳しいわけじゃないから、明確に好きな味があるわけじゃない。

希望の味を伝えるための語彙もそんなに持ち合わせていない。

そして何よりも、もし自分に希望の味を伝えられる語彙があっても、味で選びたいわけじゃないんだろうなあって思ったんです。

「作り手さんがどんな人なのか?」という基準。

じゃあ何で選びたいのか?

僕は「作り手さんがどんな人なのか?」という基準で選びたいと思いました。

どんな人柄のひとが、どんな空間で、どんな想いを持って、どんな信念のもとつくっている人なのか?

そこを知って選びたいなあと思ったんです。

つまり、作り手さんの生きざまを知って、僕にとって納得感のある生きざまを体現している作り手さんの商品を選びたいなあと感じたわけです。

なぜなら、それが自分にとって一番の信頼に値するものだから。

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販売員さんが、作り手さんに直接会いに行ったほうが良い。

ただし、都内の販売員さんの多くがそれを語る術を持ち合わせていないんですよね。

なぜなら、販売員さんは、実際に現地に訪れたことがないし、作り手さんに実際にお会いしたこともないからです。

これまでは、消費者側のひとたちが「味」を基準に選ぶことが多かったから、売り手も商品を試してみるだけで良かった。

でも、消費者側のひとたちが「作り手の生きざま」で選ぶようになってくると、そのひとの人となりに触れて、お客さんに紹介しなければいけない。

たとえ、インタビュー記事や動画などをみたところで、そこにはやっぱり熱量がこもらないから、実際に会う以上に勝ることはありません。

そう考えると、販売員の方が、直接作り手さんに会いに行かなければいけない時代になったのかもしれないなあと思ったんです。

最後に

さて、今日のお話を逆の方向から考えると、作り手さんも、受け手(販売員や消費者)のもとに直接訪れて、全国行脚するということも大切になってきたと言えるのかなと思います。

これまでは、作り手さんは作ることだけに徹していれば良かったのかもしれません。

でもこれからは、自分が全国行脚して、自分の生きざまを丁寧に説明しなきゃいけなくなった。

実際に僕も、自分が率先して購入している商品は、取材やイベントなどで実際に出会って、その作り手さんの生きざまを知っている商品ばかりです。

つまり、「商品の差異」というよりも、生きざまを知っているかどうか、その差異でしかないんだなと。

なんだか自分にとっては大切な気付きだったので、今日のブログに書き残しておきました。

いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても、何かしらの参考になったら幸いです。

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