【インタビュー書き起こし】休日のなまものと、進撃の巨人とインターネット。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

突然ですが、今日はインタビュー原稿の書き起こしを少し載せてみようかなと思います。

実は最近、くいしんさん(本名:大川卓也さん)が、僕にインタビューするという企画を行ってくれています。それをまとめた電子書籍が、近々Kindleで発売される予定です。(時期はまだ未定)

数ヶ月間にわたって毎月1回、夜に2人で飲みながらインタビューしてもらうという感じで進めてきました。テーマはざっくりと「隠居系男子」というブログについて。

しかし、正直そこまでキッチリしてません。二人で雑談している場合がほとんどです笑

その中で今日は、書き起こし原稿の一部をこのブログに掲載してみようと思います。

完全に書き起こしそのままなので、話し口調で書かれており、非常に読みづらいですが、そのライブ感も合わせて楽しんでもらえると嬉しいです。

それでは、どーぞ!

6月下旬、新橋の居酒屋にて。

鳥井 聞きたいことは、聞けてますか?

大川 聞きたいことは、聞けてるんですけど。ちょっと全然話にそってないので。今、ここでオープニングトーク終了ということで(笑)。

鳥井 はははは(笑)。

大川 各エントリについて聞きたいなっていう時間ですね。

鳥井 はい、なんでも大丈夫です。

大川 今日5月なので、まず5月4日、ひとりの時間、ひとりの時間は大切だよっていう、大切にしてますって話なんですけど。

鳥井 はいはい、かきました。

参考:一人の時間。 | 隠居系男子

大川 すっごいライトなやつもはさみたいなと思って。何してんの?っていう話です。ひとりの時間に。タスクがないとします。急ぎでこれやんなきゃいけないみたいな仕事のタスクがないです。空きましたと。半日空きました。何するんですか?

鳥井 どっか行って、ずーっと町並みを散歩するのが好きですね。観察しに行くのが好きですね。

大川 へえー。

鳥井 ふらっと。どこか、馴染みの場所だったりもしますし、新天地だったりもしますけど。結構ふらっと行って、ふらっとその界隈にどんな人がいるのかなあとか、何が今流行ってるのかなとか、なにかそういう、とにかく、見に行きたいです。なまものを。

大川 それって、それこそ降りたことない駅で降りてみるみたいな、そういうようなこと?

鳥井 ありますあります。結構繁華街行っちゃうことが多いですね。でも、新宿意外に行かないんですよ。行く用事があんまなくて。新宿とか池袋とか、表参道とか、銀座とか。そういうところ見に行きたいなって。

大川 それって、さっきの話とつなげると、街があって、それがひとつの装置として、それに対して人間がどう動くかみたいなのを見てるってことですか?

鳥井 うーん。なんか高尚な言い方をすればそうだと思うんですけど。でも、もっともっと単純に言うと、なんか、何かに生かせるものないかなって探してるんだと思います。それはたぶん、絶対に本とかウェブじゃ見つからないものを探しに行ってるんだと思っていて。

大川 それってもちろん本を読むのもそうなんですけど、僕が生きてきた世界だと、それこそお笑いのライブでもいいし、演劇でもいいし、美術館に行くとか映画館に行くとか、誰かがつくったもの、カルチャーとかアートとかを吸収するみたいなところに行くんですよね、僕は。僕の周りに居る人もそうなんですよ。それともちょっと違いません?

鳥井 なんかライブ感を大切にしたいのはあります。さくっと時間が空いたら、なまのものを見に行きたいっていうのはすごくあります。

大川 なまのものって何ですか。人とか、お店とか?

鳥井 結局、映画とか、演劇とかそういうライブのものはすごく好きなんですけど。ライブなもの、なまのもの。本とかだって結局何回も幾度となく編集を重ねられてできているわけじゃないですか。映画とかもそうだと思うんですけど。そうじゃなく、今、なまで起きてるものを見に行きたい。そこで起こる緊張感みたいなものとか、なまなましさ、リアルさみたいなところって、作りこまれてるものとはまた違った面白さがあるなと思って。それはやっぱり、その場にいかなきゃ体験できないと思うから。なんか、新宿の東口行ってみたいって思うし。銀座の四丁目の交差点見に行ってみたいとか思うし。池袋の東口から西口にかけて歩いてみたいとかそういう感覚です。

大川 僕で言うと、音楽のライブとか生なんですけど。例えば僕芸術もすごい好きなんですけど。でも芸術が好きって言ったって、それって芸術が好きなんだっていうだけで、この画家がどういう風に生きてどうこうみたいなのはすごい詳しいとか、今の現代アートの事情に詳しいとかでは全然ないんですよ。ただ芸術っていうものが好きだっていうだけなんですよ。鳥井さんも、生のものが好きで、演劇とかも好きだっていう話しましたけど、まずそれってあんまり、それこそ隠居系男子で演劇を見てきたぞっていう話とかないじゃないですか。

鳥井 ないです、ないです。

大川 あんまり見に行ってないですよね?

鳥井 自分の文脈がないから、書かない。

大川 自分の文脈がない? ああー。

鳥井 そこの背景を知らないから、そこで評論家ぶるのも嫌だし。そういうのは一切書かないですね。

大川 たまには見に行くんですか?

鳥井 たまには見に行きたい、美術館とかも。

大川 あんまり行かない?

鳥井 そうですね、ほとんど行かないです。ふわっと時間が空いたりじゃない限りはいかないですし。行ったとしても、じゃあそこに飾られてるこれがなんなのかっていまいちよくわかんない中で行くし。写真展とかもそういう感覚で行くんですけど。文脈ないものは語らないようには…

大川 それって、何なんですか。自分にも聞きたいんですけど。芸術を好きっていう気持ちはあるんですけど、何ならギャラリーとかもちょいちょい行くんですよ。それって、Twitterとかにも絶対書かないんですよね。別になんかルールづけしてるわけでもなくて、なぜかそうなんですよ。確かに、文脈がないからっていうのが大きいんですけど。文脈がなくても別に書いてもいいわけじゃないですか。それってどういう意味ですか、文脈がないから書かない。

鳥井 僕それに対してだと明確な答えがあって。ウェブって、玄人の知見を、知見というか玄人の発言をすぐに見れるようにしちゃったことってすごく罪悪だと思っていて。例えば、ギター少年が今日ギターを始めようと思って、奥田民生にあこがれて、田舎に居る子です、函館っていうちっちゃな町にいるギター少年だとして。たまたま音楽の先生、いやもっといいや、もっとダサくていい。親父が昔憧れてたから、物置に古いギターがあった。弦買ってきてレコード屋さんに行ってギターのCDを聞き始める。コードの本買ってきて。ずっと練習する。

でも、今の子たちってたぶん「ギター うまい」で検索してYoutube見ちゃうじゃないですか。そうすると、鬼のようにうまいギターとか見せられて、もう、現実見せつけられるみたいなことがあると思うんですよ。なんかその絶望感というか。そういうので僕、「進撃の巨人」流行った理由ってそこにあると思ってるんですけど。

大川 はいはいはい。

鳥井 「進撃の巨人」の設定の、なんかああいう巨人と人間っていう設定ですけど。あれって結構今のウェブと現実の世界の、僕達はそこから切り離されて壁があったと思っていたのに、横がつながっちゃったせいで巨人みたいな、もう絶対に敵うわけのない人達とめぐりあってしまったって、進撃の巨人のオープニングってまさにそういうのを象徴してるんだろうなって勝手に想像してるんですけど。

だから、玄人の答えが全部見えちゃうじゃないですか。そんな中で浅はかなことを語った瞬間に、はてなでボッコボコにされるんですよ。っていうのは、今の若い子というか、好奇心を抱いた瞬間に生まれてくるワクワク感を、メリメリメリって踏み潰すくらいの強烈感があるから。そこにビビってしまって、誰も遠慮しろなんて言ってないけど、勝手に遠慮してしまう自分がいるみたいなのがあるんだろうなあって思っています。

……だからこそ、だからこそですけど。すいません、なんか僕ばっかりしゃべっちゃって。今の若い子達の向かう先って、全部新しい、新しい世界のものしか流行っていかないじゃないですか。少し前ならアニメブームもそうですけど。いわゆる玄人がいない世界の、まだ誰も足を踏み入れていないところに踏み込んでいかない限りは、すべて玄人がいるんですよね。

だから、ロックバンドというか、バンド組むとか音楽やるとか、ファッションもそうだと思うんですけど。ちょっとでもいきがってみた瞬間に、それ以上の玄人たちからボコボコにされちゃうから。だからアニメとか、サブカルとか、アイドルとか、あと、ボーカロイドなんてまさにその象徴だと思ってて。あんなの普通の人間の価値観から言ったら興味持つはずがないんですけど。そこにユートピアがあるっていう風に、誰も踏み入れてない世界だから、今は自分達が玄人になれるみたいな。自分達より上の世代がいない。っていう所であそこまで流行ったんだろうなって、盛り上がったんだろうなってのは思います。

大人たちには到底理解できないだろうっていうスタンスを示したからこそ、アイドルとボーカロイドってその文脈なんだろうなって、勝手に。アイドルはもっと、昔のおにゃんことかもあるからまた別だと思うんですけど。

大川 AKB以降っていうのは、訓練っていうのがないというか。あるんだけど、訓練をする前からステージに立って、だんだん成長していく姿込みで見せるみたいなのは、確かにアイドルっていうこともそうかもしれないですね。

鳥井 最近の若い子の中で流行ってるカルチャーって全部そういうことなんだろうなあって。

大川 ミクチャとか。

鳥井 あと僕、きゃりーのあの気持ち悪いでしたっけ?キモいものに、キモすぎてキレそうみたいな。かわいすぎてキレそうでしたっけ、ああいうノリとか。

大川 好きすぎてキレそう?

鳥井 そうそう、ああいうのとかって結構そっちの文脈なんだろうなぁって。

大川 つまり、松田聖子はハードル高過ぎるだろっていうことですよね。

鳥井 そうですそうです。いざ松田聖子を目指したいんですって、例えば14歳の女の子が言っても、それにはこうこうこういう段階があって〜、すべてつらさを見せつけるじゃないですか。ネットを通じて。本当は見えなかったはずにもかかわらず。例えばそんな子がTwitterをやりはじめ、フォロワー100人前後のときにそういうことを言って、お花畑みたいなことをつぶやいた瞬間に、横槍を刺してくる大人が山ほどいるっていう…。

大川 もう1個は、スルーされるっていう話ですよね。

鳥井 そうですそうです。

大川 誰も読んでくれないもそうだし。

鳥井 ある程度成長する、いわゆるのど自慢大会出るまでは、誰からもそういう批判を受けず、親族とか友人たちからうまいねうまいねって言われて、ある種鼻高々でいられて、そこまでは育ったはずなのに。今の世の中って、「歌ってみた」で一瞬でボコボコにされるし。

でもそういう発信するハードルも下がってしまったから、そうなるとわかっていてもしたくなっちゃう欲望も、またそれとは対極にあると思うんですよね。ボコボコにしたい欲もあれば、発信しちゃくなっちゃう欲。まだ完成もしてないにもかかわず人目にさらしてみたく欲みたいなのも一方ではあるはずなので。それが色んな夢を食いつぶしてきたんだろうなあって。思いませんか。

大川 でもそっち側をやってますよね、鳥井さんは、どっちかっていうと。起業家として、こういう事業があって、こういう形でスケールさせて、こうなっていくんですっていうのを描いて、それこそ事業計画書みたいなものとかが必要じゃないですか、普通。っていうやり方じゃないやり方を提示してるみたいなところはありますよね。ニコ生ってことですね、じゃあ。わかってきた。もと暮らしはニコ生ってことですか。

鳥井 いやいやいや(笑)。

大川 事業計画書とかあるんですか。

鳥井 ないっすないっす。

大川 ないんだ。ないっすもんね、だって。

鳥井 作る必要性ないですからね。投資受けたいわけでもないから。

大川 計画はないんですもんね?

鳥井 ですね。

大川 はははははは(笑)

鳥井 ないですないです。仰々しく語れるような計画は全然ないです。でもなんかそういう人達に対して…

大川 つくね、食べてください。

鳥井 あ、ありがとうございます。

★★★

以上、明日に続きます。

それでは今日はこの辺で。

ではではー!

(書き起こし:木村すらいむ

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