どうも鳥井(@hirofumi21)です。
これだけ雨後の筍のようにウェブメディアが出てくると、その媒体名を読者の方々に覚えてもらうだけでも一苦労です。
そこで多くのウェブメディアが試そうとするのが、既に著名なヒト・モノ・コトを紹介して、その記事をバズらせ、それで媒体名も一緒に覚えてもらおうとする手法。
でも僕は、それは大きな間違いだと思っています。今日はそんな話を書いてみようかなと。
著名人のインタビュー記事が掲載されていても、媒体名は見てもらえない。
確かに、既に著名な方々を取り上げれば、大きくバズる可能性は高いです。
既に著名な方々は拡散力が強いですからね。まだメディア自体で拡散力がない場合、非常に魅力的な伝達手段に思えます。だからきっと、紙の雑誌の表紙を誰にしようかみたいな感覚で、編集部側はできる限り著名人を選んでしまうのでしょう。
しかし、本当にそれでメディア名も覚えてもらえるか?ウェブ上で。
答えは否。ウェブはアンバンドルで広がっていくため、いくらそこに注力しても、紙の雑誌の表紙ほどの威力は持ちません。
参照:「息の長いコンテンツ」という言葉から考えたこと。 | 隠居系男子
その記事を読んだ一般読者からしてみれば、「あー、◯◯さん、また取材されてるわ〜。今回もおもしろかった。はい、離脱。(タブ閉じる)」ぐらいです。
そこでもメディア名を見てもらうのは至難の業。それこそ編集部の力が試されます。ファッションでも流行のアイテムを身にまとっていればなんとなく今っぽくは見えますが、本当にオシャレな人だなと思わせるためには、並大抵のセンスじゃ到底無理なことに似ていますよね。
むしろ、ここで厄介なのは「あの人取材したの!?すごい!」って業界関係者から言われるところ。業界知名度は上がっても、一般知名度は上がらないメディアが多いのは、そんな理由からだと思います。
自分の知り合いが出ていれば「何の媒体!?」と気になってしまうのが人の性。
しかし、取材されている人が自分の知り合いであれば、そうではありません。
一般読者であっても、「え!◯◯さん、インタビューされてるの!?」と驚きに変わり、「どこどこ、何の媒体?」と確認したくなるのが人の性です。
もしその知人が、自分にとって普段から「彼/彼女はセンスが良い人なんだよなぁ〜」っと思っていた人であれば、「そうそう、この人の魅力はそれなんだよ!よくぞ言ってくれた!」となって、その知人をコンテンツ化したことを賞賛すらしてもらえます。
だからこそ、メディア名を覚えてもらって、媒体のファンになってもらうためには、その人がセンスがいいと思っている知人が2人以上出てればいい。(1人だと偶然の可能性もあるため)
もしくは、会ったことがなくても密かに憧れているロールモデルでもよくて(ポップスターはダメ)、知り合いとロールモデルが2人以上出てればいいというわけです。
「一体何のためにウェブメディアを運営しているのですか?」という疑問。
「いやいやいや、そうは言っても、一般人なんかを取り上げたところで、全然拡散していかないじゃないか!」と思う人もいるかもしれません。
そんな人に逆に問いたいのは「一体何のためにウェブメディアを運営しているのですか?」という質問。
単純にPV増だけを目指しているのであれば、ドンドン著名なモノだけを取り上げていけばいいでしょう。きっとうなぎのぼりにPVは跳ね上がっていきます。
でも、ウェブメディアを起点にして、媒体のコンセプトに共感してくれる読者を着実に集め、そこからコミュニティ化など何かしら次のステップにつなげていきたいと思うのであれば、無闇矢鱈にPVを増やすことには何の意味もありません。ただ不特定多数の人々に、暇つぶしのコンテンツとして消費されて終わりです。
だからこそ、同じ趣味趣向の人たちを集めたいと思ったら、サイトコンセプトを明確にして、同じ趣味趣向のグループの中でキラリと光るセンスを持っている一般人を取材したほうが、そのクラスタの人々に着実に伝染していくというわけです。
友達の友達は、その友達と思想信条・価値観が近いのも世の常ですからね。
参照:ウェブ上では取材対象者も、有名人より一般人の方が拡散力ある時代。 | 隠居系男子
「この人は、◯◯だ」というイメージがそのままメディアのイメージに繋がる。
逆に、その人にとって「この人は◯◯だ」と思っている人が、そのメディアに2人以上出てしまうと「あー、このメディアはそういうメディアなんだな」と思われてしまいます。ここは注意が必要。
その◯◯というのが、メディアのコンセプトと合致していればいいのですが、そうじゃなかったら厄介です。
だから、ウェブメディアでの取材対象選びというのは、大切になってくるんですよね。
言われてみれば単純な事だとは思うのですが、他の方に話すと「あー、なるほど!」って言ってもらえることが多かったので、いつも自分が考えていることをカンタンにまとめておきました。
特に大きなバズを狙わない(狙えない)ローカルメディアなどを運営している方には、ぜひ意識してみて欲しいポイントです。
最後に
「個人がメディアになる時代」
この言葉には色々な意味が含まれて使われていますが、もはやメディアとは、個人がその主体となってきていて、いわゆる従来のメディアはコンテンツ制作代行者であり、その拡声器役となってサポート役に徹していくことが主な機能になっていくのかもしれません。
ちなみに完全に蛇足ではありますが、個人のブランディングの場合は今回の話の真逆です。
一つのメディアだけに何度出ていてもその効果は薄く、いろいろなメディアに出て、読者の方々とのタッチポイントを増やすことで覚えてもらえるようになります。詳しくは以下の記事を読んでみてください。
参照:タッチポイントを増やす。個人が活躍する時代に必要なこと。 | 隠居系男子
それでは今日はこの辺で。
ではではー!