庭師・佐野藤右衛門『桜守のはなし』

桜守のはなし

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日、ふらっと本屋を巡回していたら、『桜守のはなし』という本を見つけました。

すごく薄くて、大きな本です。絵本みたいな感じ。

そして、すべての漢字にふりがなが振ってあります。

いつもとは違う切り口ですが、いろいろとインスピレーションを受ける本だったので、今日はこの本をご紹介。

書いていないこと以外は、全て書いてある。

文字数が多くないので、ふりがな振られていても決して鬱陶しくありません。違和感のないまま読みきってしまえます。

むしろ、文字数がギリギリまで削られていて、写真とともに必要なことだけを書いていあるので、逆にダイレクトに伝わってくる。

まさに「書いていないこと以外は、全て書いてある。」というような感じ。

「桜守」のお仕事、日本で代々守り続けられてきた「桜」という花について。

きっと、小学生でも読めてしまうだろうし、今日本語を学んでいる最中の外国人の方も読めてしまうはずです。

「日本の桜という文化」や「日本の職人」という存在を直感的に知ってもらう上でも非常によい書籍だなと思いました。
(話し言葉で書かれており、それが関西弁なので、少しむずかしいかもしれないですが…)

この本の中で、一番惹かれた部分を少しだけ引用しておきます。

桜は、夏は暑く、冬は寒くないとあかん。
本来、人もいっしょやと思います。そやけど、今のわたしらの生活は、ソレをできるだけかんじないようにしてるんですわ。
桜をみるんやったら、自分が好きな桜を1本だけ決めて、春だけやなく、夏の桜、秋の桜、冬の桜と1年とおしてみていってほしいんです。そうすることで、人も自然を感じる事ができる。きっと桜もよろこぶと思いますわ。

桜は守り、そだて、継いでやらな、絶えてしまう木なんです。
守るといっても保護するわけやない。ちょっと手をそえてやるぐらいでええんですわ。
家族をみるのとおなじです。たいせつなのは見守る、いうことです。

それがわたしらのしごとなんだと思いますわ。

最後に

今、「MATCHA – 訪日外国人観光客向けWebマガジン」でも翻訳言語の一つとして、平易な日本語にふりがなを振った「やさしい日本語」という言語を展開しています。

参照:MATCHA「やさしい日本語(にほんご)」版ばんについて | MATCHA – やさしい日本語

MATCHAを始める当初は、こんな翻訳をやろうとはこれっぽっちも思っていませんでした。しかし、素敵なご縁がつながってこんな面白い取り組みを始めることができました。

参照:日本語学習者向けの「MATCHA やさしい日本語版」をリリースしました。 | Hibilog | 世界一周と日常と考察ブログ

「表現の幅・表現のカタチ」として、この「やさしい日本語」はものすごく可能性があると思っています。

やはり、“日本語”として伝えていかないと絶対に伝わらないニュアンスは存在するはずです。

少しでもそれを理解しようとしている外国人に向けて、僕らのほうからも少しでも歩み寄れたらいいなーって。

今回ご紹介した『桜守のはなし』を読んで、自分たちのやっていることが改めて必要な作業なんだと実感できました。

なにはともあれ、気になる方はこの本ぜひ手にとってみてください。

きっと、いつもとは違う読書体験ができると思いますよ。

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

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