インターネットがなければマガジンハウスを読んでいたであろう若者たちは、これから先どこへ向かうのか。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日Kindle版も発売された川上量生著「鈴木さんにも分かるネットの未来」を、この連休で読んでみました。

やっぱり非常にわかりやすく簡潔に書かれていて、誰でも読むことができる素晴らしい良書です。

これから「『インターネットとは何か?』を知る上でおすすめの本は?」と聞かれたら、「ITビジネスの原理」と「インターネット的」、そしてこの「鈴木さんにも分かるネットの未来」を3冊セットでオススメしていこうと思います。

参照
平成生まれにオススメしたい!『ITビジネスの原理』という良書。 | 隠居系男子

2001年出版の糸井重里著『インターネット的』が驚くほどの預言書だった。 | 隠居系男子

「インターネットは、マイナーな趣味と相性が良い。」

さて、本書の序盤で早速目に飛び込んできたのは、以下の部分です。

マイナーな趣味を持っている人が困っている共通のテーマは、同じ趣味を持つ仲間を見つけにくいということです。

マイナーな趣味だと、なかなか、自分のまわりの現実世界で同じ趣味の知り合いを見つけるのが難しいのですが、ネットだとかなりマイナーな趣味でも日本中から探せるため、比較的容易に仲間を見つけられるのです。

だから、特に現実世界で仲間を見つけにくいようなオタク趣味はネットと相性がよく、現実世界よりもネットに仲間と帰属意識を持つような人間になりやすいのです。

この一文を読んだ時に、ふと思い出した本が「オリーブの罠」でした。

オリーブ少女にみる、マイノリティの熱狂。

この本の内容を思い出すと、、オリーブこそまさにここに書かれているような「マイナーな趣味を持っている人たち」に向けて作られていた当時のメディア(雑誌)だったんだろうなぁと思います。

この本の中に書かれている筆者の体験、そして全国のオリーブ少女たちが自分たちのための共同体(コミュニティへの帰属意識)を求めて、この雑誌を貪るように読んでいたことが、この本を読むととても良く伝わってきます。

詳しくは書きませんが、未読の方にはぜひ読んでみて欲しい。特に僕らの世代(昭和平成を跨ぐ世代)にとっては、そんな世界があったのかという驚きと、どこか幼少時代に感じ取っていた懐かしい感覚みたいなものが交じり合いながら、いい塩梅で「マイノリティの熱狂とは何か」ということを知ることができます。

若者は、これからどこへ向かうのか?

さて、上述したような「オリーブ少女」として育ってきた層、いわゆる“マガハ世代”と呼ばれる人たちが、これからもずっとマガジンハウスの出し続けるものを拠り所にして生涯を過ごすのは、間違いないと思います。

だからこの層を狙うのであれば、マガジンハウスの文脈をネットで代替することが何よりも大切になってきて、そこで今非常にうまくいっているウェブメディア兼ECサイトというのが「北欧、暮らしの道具店」さんなのだと思います。

自分が気になるのは、そこではなく、これからそういったコミュニティを必要とする若者たちの方。

世間的には青文字系と呼ばれる、マジョリティではないけれど、クラスに必ず2〜3人は存在するであろう子たち、もしインターネットが登場していないかったら、そのまま成長していわゆるマガジンハウス系の雑誌を好んで愛読していそうだった子たちが、これから先どこへ向かうのか。

紙の雑誌ではなく、インターネット上のどこかであることは間違いないけれど、どういったコミュニティを形成をしていくのか、そこに非常に興味がある。

今のようにSNS上の繋がりだけで満足していくのか、それとも何か新しいインターネット上のメディア(コミュニティ)が過去のオリーブ的な役割を担うようになっていくのか、はたまた全く別の生態系ができあがってくるのか。

そんなことを漠然と考える今日このごろです。

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

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