「ユーザーと友達になること」の重要性。『シャオミ 爆買いを生む戦略』を読んで。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

まだ読み途中で20%ぐらいしか読んでいないのですが、「シャオミ 爆買いを生む戦略 買わずにはいられなくなる新しいものづくりと売り方」という本がとてもおもしろくて参考になるので、読了前ですが紹介しておきます。

シャオミ(小米)とは、「中国のスティーブ・ジョブズ」と呼ばれている雷軍が率いる中国発のスマホメーカーです。

最近では、スマホ好きやモバイル界隈の方を中心に、知名度が上がってきたメーカーですが、僕が中国で働いてきて日本に戻ってきた直後は、ほとんど誰も知らないメーカーでした。

僕が中国で体感した、シャオミの圧倒的な人気。

しかし、中国では当時から圧倒的な人気でした。(2011年〜2012年頃)

実際に一緒に働いていた社員も、驚くほどシャオミの情報収集にハマっていました。彼に聞けばシャオミのことは何でもわかるぐらい詳しかった。

中国人の若い人たちの給与から考えると、iPhoneを購入するというのは夢のまた夢なのですが、シャオミのスマホだったら彼らの給与でも頑張れば買える。

その上で、iPhoneに引け劣らないスペックということが人気の理由でした。

当時はまだまだAndroidがiPhoneよりも劣っていたときだったので、品質が良いというのは、iPhoneを購入できない中国人には願ってもない商品だったわけです。

更に海外メーカーとは異なり、Android OSを改良してオリジナルのOSを作ることにより、中国で独自の進化を遂げたウェブサービスにも最適化しており、かゆいところに手が届く仕様となっていたのです。

それが話題を呼び、中国版Twitterと呼ばれる微博では、僕の同僚のような人々のツイートで溢れかえり、口コミの嵐。当時はウェブ上でしか販売しておらず、その販売告知も微博で行われていて、販売開始と共に一瞬で完売していく様子などは、本当に衝撃的でした…。

当時の僕はリアルタイムでその光景を見せつけられて、iPhoneを持っていたのにも関わらず、実際に購入してみたくなる程。(※本当に購入しようと思い、購入画面まではいった)

シャオミの理念、それは「ユーザーと友達になること」

そんな圧倒的な人気を誇るシャオミが、どうしてこれほどまでに中国で人気のスマホメーカーになることができたのか、その理由について語られているのが本書です。

そして、その中でも僕が肝だなと思ったのが、「ユーザーと友達になる」という話です。

少し長いですが、引用してみたいと思います。

これまで、企業と消費者の関係は対等ではなかった。企業が消費者の前にひざまずき、消費者を神のようにあがめ、お金さえ払ってもらえるなら何でも言いなりになる。あるいは、企業が消費者をひざまずかせ、「うちの製品は最高だ。文句があるなら買うな!」と言い放つ。

どちらの場合でも、ユーザーに自社のブランドや製品を心から好きになってもらうのは難しいだろう。こうした旧来のやり方では、ユーザーとの間に、お金でつながる関係しか結べない。消費行為が完了すれば、企業とユーザーの関係はそこで途絶えてしまう。むしろ、アフターサービスやクレーム・トラブル・追加コスト・イメージダウンなどを恐れ、製品を購入した客とはそれ以上関わりたくないと思う企業さえある。

企業も人間も同じで、友人だけが正当な評価や賞賛を与えてくれるものだ。ユーザーと強い信頼関係で結ばれるには、友達同士になるのが一番なのだ。

ユーザーとの関係についてのシャオミの理念、それは「ユーザーと友達になること」だ。

社員自身がシャオミ製品のユーザーとなり、その友人たちにもユーザーになってもらう。すべての社員がカスタマーサービスの担当者として、ユーザーと積極的に友人関係を結ぶ。

オープン性とサービスを重んじるシャオミの経営によって、ユーザーが参加できるようになった。ユーザーと友達になるということは、つまりユーザーと一緒に楽しむということだ。

決して、形式的なアンケート結果を上から目線で発表することではない。友達同士のようにユーザーと遊び、製品について意見を交わし、ソーシャルメディアを通じてコミュニケーションを取ることで、需要を吸い上げると同時に製品の口コミも広まっていく。

単に製品そのものを売る時代は終わりを告げ、「参加する楽しみ」を売る時代がやってきた。だからこそ、「ユーザーと友達になる」という、思考の転換が必要なのだ。

リアルイベントメディアを通じて「メディアと読者」の関係から、「友達」になる。

少し話が逸れますが、僕らも「灯台もと暮らし」というウェブメディアをつくり運営しています。

ただ単にメディアを運営しているだけであれば、読み手との関係は、あくまでもウェブメディア運営会社と読者の関係止まりです。

しかし、ここにTwitterやFacebookなど、SNS上での交流が生まれると、読者から“知り合い”になることができます。

そして、その“知り合い”になってくれた方々に、僕らが主催するリアルイベントに来てもらうことで、知り合いから“友達”になれるのです。

僕らが主催するイベントでは、来てくださった方に、できる限り最大限のおもてなしをしたいとは考えていますが、“お客様”として崇めたいとは思っていません。

知り合いが主催するイベントにフラッと遊びに来てくれて、楽しく飲んで気の合う仲間が増えていく。そんな場所を目指しています。

実際に、リアルイベント遊びに来てくれた方々は、かなり高い確率で僕らと友達になってくれます。(もちろん来場者同士でも。)

そして、そこからSNSで「もとくら」について投稿してくれたり、ブログで紹介してくれたりするのです。

参照:「灯台もと倶楽部」第1回のお礼と、イベントレポ記事で初めて気付いた「もとくら感」 #もとくら | 隠居系男子

「なぜ自分たちは、ウェブメディアにもかかわらず、リアルイベントを開催するのか?」今までそのうまい理由付けが見当たらず、なんとなく直感的にそのほうが良さそうだからという理由で(実際によかった)続けてきましたが、その本当の意味、そして上記の記事に書いた“もとくら感”というのが、この「ユーザーと友達になる」ということなのだと思いました。

最後に

後半は本書の内容からは少しズレてしまいましたが、この本はスマホなどメーカーに限らず、ウェブメディアや地方自治体など、コミュニティが必須な全ての団体において参考になる本だと思います。

そして、これはまだうまく言語化できないのですが、これこそ「Think globally, Act locally」のひとつの形でもあるよなぁと思うのです。

参照:「Think globally, Act locally」という言葉について思うこと。 | 隠居系男子

僕も近いうちに読破して、このあたりの感覚も上手いこと言語化できそうだったら、またこのブログで書いてみようと思います。

それでは今日はこの辺で。

ではではー!

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