「作られた物の凄みが見えてくる」“実際に作る”で変わる視点。

あまカフェ1

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

昨日、もとくら編集長の佐野(@tomomi_isano)と一緒にあまカフェに参加してきました。

あまカフェとは、島根県隠岐郡海士町(あまちょう)の食材を使ったお料理や音楽などを通して、海士の魅力を全国にお届けし、旬の食べ物やそこに集まってくれた人たちとの出会いを楽しむというイベントです。

昨日の登壇者は、雑誌「ソトコト」副編集長の小西威史さん、海士町観光協会職員の青山敦士さん、そして主催の株式会社巡の環の信岡良亮さんです。

この御三方のパネルディスカッションの中で語られていた「実際に作ってみる」というお話がとてもおもしろかったので、今日はこの内容をご紹介してみようかなと思います。

「実際に作ること」が大きなムーブメントに。

あまカフェ2

ソトコト副編集長の小西さん曰く、いま「実際に作ること」がとても大きなムーブメントになっているそうです。

最初はやはり、311の後の「食の安全」がひとつの契機となっていて「実際に自分たちで食事を作ってみよう、食材を育ててみよう」という流れだったらしいのですが、そこから派生して今は何でもかんでも自分たちで実際に作ってみようというムーブメントが起きてきているとのこと。

農作業体験や古民家のリノベーション、床貼りワークショプなどがわかりやすい例ですね。

この話の時に、巡りの環の信岡さんが言っていたのが、「自分で作ってみると、作られたものの凄みが見えてくる」ということ。

信岡さんは、最近“しめ縄”を自身でつくることができるようになったらしいのですが、その上で島のおじいちゃんたちが作っている“しめ縄”を改めて見てみると、とっても上手いなぁと感心してしまうそうです。

そうすると自然に「上手いですねぇ。」という言葉が出てきて、そのおじいちゃんたちの反応もまんざらでもなく、何か誇らしげなものに変わっていくのだと。

「作る」は視点が変わるチャンス。

「実際に自分で作ってみるというのは、視点が変わるチャンスになる」というのは、登壇者の皆さんが口を揃えて言っていました。

確かに、実際に自分が体験してみるということで、当たり前に存在している物がいかに職人技や熟練の技の上に成り立っているのかということがわかるようになってきます。

田舎育ちだと成長してきた過程で色々と体験したことがあるので、その感覚はすごくよく理解できるのですが、確かに言われてみれば、都会育ちの人にはこの感覚ってとても新鮮なものなんだろうなと。

高度情報化社会は、情報が少ない。

高度情報化社会になって情報が溢れ、SNSを通じて世界中のあらゆるモノの情報が自然と目に入ってくるようになりました。

しかし「聞く・見る・読む」だけでは、とても情報が少ない世界になってしまいます。

参照:高度情報化社会とは、情報が“少ない”時代。 | 隠居系男子

きっと皆、無意識のうちに情報が偏っていることをどこかで感じていて、実体験で補いたいと思っているのでしょう。だからこそ、今急速に「実際に作ってみる」というムーブメントが起きてきているのだろうなと。

「無知の知」のおもしろさ。

実体験やそこで得られる感覚を通すことで、目の前に存在するモノに対する尊敬の念や、感謝の想いというのは急激に変わってきます。

これは何も説教くさい話ばかりではなく、それが何よりも自分にとってもおもしろいことだと思うのです。

「こんなにも色々な匠の技の上に自分の生活が成り立っているんだ」という「無知の知」が、今を生きる人々に圧倒的に足りない感覚で、新鮮でワクワクするような感覚。

「安いから」という理由だけで、発展途上国の労働力と機械で作られた工業製品に甘んじていた、自分のこれまでの感性が途端に陳腐なものに思えてくるのだと思います。

最後に

全ての「実際に作る」を体験する必要はないと思います。農作業、漁業、林業とか全部体験していたらキリがありませんからね。なにかひとつでいい。

後は、人間だからこその想像力が働いて、色々な人の顔を想像することができて、自然とその人と技術に敬意を払えるようになるはずです。

多くの人が徐々にこのような想像力を働かせることが出来るようになれば、今の技術は伝承されていくだろうし、何が本当に大切なのかということが改めて見直されていくようになるでしょう。

ということで、前置きは長くなってしまいましたが、「灯台もと暮らし」では次回「島根県海士町」特集しようと思っています!

今回のような話を含めて、また皆さんのこれからの暮らしを考えるきっかけになるような事をドンドン発信していこうと思いますので、乞うご期待ください。

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

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