藤原ヒロシプロデュース「the POOL aoyama」は、洋服屋さんじゃなくてお土産屋さん。

どうも鳥井（@hirofumi21）です。

先日、青山に新しくオープンした藤原ヒロシプロデュースのセレクトショップ「the POOL aoyama」に行ってきました。

このお店、洋服屋さんではなく、お土産屋さんでした。

今回このお店を覗いてみて、今求められているリアル店舗とは何たるかを考えさせられたので、今日はそんなことについて少し書いてみようかなと思います。

洋服屋さんじゃなくて、お土産屋さん。

そもそもこのお店、トータルコーディネートが出来ないんです。

僕が行った時は、ほとんどTシャツだけ。

その他には、iPhoneケースや、ディズニーランドとかに売っていそうなお土産に最適な１０本入りのペンセットなど。

良い意味で完全に割りきっています。あれぐらい明確に割り切ってくれれば、こっちも受け入れやすい。

「洋服屋さんと言うのは、もうECサイトには勝てない。」と認識した上で、完全に違う方向に舵をきっている。その答えのヒトツがこの「the POOL aoyama」だったのかもしれません。

マスに向けた提案として、「東京でしか買えない」「東京でしか体験できない空間」という“スーベニア”的な意味では、きっとこれが正解です。

もちろん他人に渡すためのお土産としてもそうだし、自分のためのお土産としてもそう。わかりやすく「東京行ってきました！」っていう感覚が味わえるお店となっていました。

その他にも、「空間提供の仕方・スタイル提案の仕方・時代感の捉え方」すべてにおいて上手だったなーと。

そもそも、プロデュースしている側が、ここで洋服を揃えてもらおうなんて思っていない。

最近の都内の主流なセレクトショップというのは、“ECサイトは存在しないもの”として店づくりされているところが非常に多いです。

リアル店舗とネットは完全に切り離してしまっていて、「自分たちの顧客はECサイトでは買い物はしないものだ！」と決めつけた上での店作りをしてしまっている。

だからこそ“ライフスタイルをトータルで提案する”というようなスローガンを掲げて、雑貨とか家具とか、花とか、食品とか日常の中で必要な物をドンドン並べてしまっていますよね。

しかしその一方で、「ECの存在は驚異だ！」と感じているからこそ、自分たちも必死でネット上に出店しているという…。

「the POOL aoyama」のスゴい所はそこを完全に割りきってしまっている所です。

「どうせみんなECサイトで買い物してんでしょ？」

「ワードローブの要になるものですら、もうECサイトで揃えてる人の方が多いよね。」

「だったら、リアル店舗で買うならこれぐらいが丁度いいんじゃない？むしろ、こうゆうモノを置いてた方が、ふらっと来て買いやすいでしょ？」と言ってくれているような感じ。

きっと、９０年代のストリートカルチャーを今風に焼き直したら、こうなるのかもしれませんね。SUPREMEやAPEなど、もともとストリートファッションというものはお土産のようなものだったわけですから。

ただ一つ気になったのは、来ているお客さん達がやはり画一的でした。「あー、そうだよね。」って思うお客さんが多く、それこそ伊勢丹メンズ館とか、代官山蔦屋書店にいそうな人々。

ここに関しては、もう東京という街の定めなのかもしれません。提案する側が面白いことをやっていても、消費者側がバランスよく足を運んでくれない。

評価はしてくれるけれど、通い続けてはくれない。その辺の問題をどうするのか、今後の課題なんだろうなと。

でもだからこそ、いま地方に路面店を出店するブランドやセレクトショップが多いというのはそうゆう理由からなのかもしれません。もちろん函館蔦屋書店も然り…。

なにはともあれ、「服屋さんとはなんだろう？ライフスタイル提案とはなんだろう？」と改めて考えさせられるショップでした。

「the POOL aoyama」ぐらい明確に割りきって、伝えたいものがハッキリしていれば、訪れる人にも好感を持たれるだろうなと、改めて再認識できました。

一度足を運んでみるだけの価値があるお店だと思います。ぜひ興味がある人は行ってみてください。

それでは今日はこのへんで。

ではではー！

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