どうも鳥井(@hirofumi21)です。
全て自分たちのできる範囲でやること、やってみること。素人だからこそ生まれるズレや隙。手の届く範囲でやることが、今のこの時代において、とても大事なことだと思うのです。
分業制ではなくて、そこで生まれるシズル感を、自分一人で全て体現できるようになっていくことが、これからは大切になってくるはずです。
プロフェッショナルの仕事は、もっともっとグローバル基準になっていく。
もちろん、全ての工程が各分野のプロフェッショナルが担当する分業制の仕事も絶対になくならないでしょう。
しかしそれは、もっともっとグローバル基準になっていくはずです。日本国内だけで秀でたぐらいでは全然ダメで、世界で指折りの人材にならないといけない。本当に限られたグローバル人材しか生き残れない世界になっていくはずです。
つまり、多くの人はここからはみ出してしまうことになる。というか、日本人の大半はきっとここからはみ出してしまうでしょうね。もっともっと国境が曖昧になっていって、グローバル基準の技術をもったプロ同士で仕事を奪い合うことになるのですから。
でも、そんな世界になったとしても、人間として生きていかないといけない。だからこそ、一人でも世の中に求められるような仕事をできるようにならなきゃいけないと思うのです。
でも、これに悲観的になる必要はないと思っています。ひとりの人間としては立派に成長できる方法は他にもありますから。
千切りのスペシャリストか?町のとんかつ屋さんか?
例えば、今あなたはキャベツの千切りがめちゃくちゃうまいとします。その才能は自他共に認める程です。
その千切りのテクニックを活かしてあなたはどんなキャリアを歩むのか。ひたすら千切りの能力だけを高めていって、超高級料亭で出されるキャベツの千切り担当になることも良いでしょう。
そうすれば、色々な世界をその目で見ることができて、最高級の食材を扱えて、華やかな人たちにも囲まれ、自分もその一員になった感覚に浸ることができるようになるかもしれません。
でも、そのことが一人の人間として成長できているかどうかというのは、また別の話でしょう?
だったら、そのキャベツの千切りのテクニックをいかした上で、そこからとんかつを作る方法も学んでいきながら、規模は小さくてもいいから、自分ひとりで切り盛りできる町のとんかつ屋さんの店主になったほうがいいかもしれない。
もちろん、とんかつを揚げるテクニックは、グローバル基準のプロフェッショナルの方には一生勝てないでしょう。でも、街のとんかつ屋さんを一人で切り盛りできるようになったら、人間的にはとてつもなく成長できると思うのです。
そこには必ずストーリーが生まれるはずで、絶対にファンもつくようになるでしょうし、「とんかつも大好きだけど、そのとんかつと一緒に食べる千切りキャベツが何よりも大好きだ!」っていうちょっとニッチな人たちが、あなたのつくる「とんかつ定食」を求めて、遠方から足を運んでくるようになるかもしれません。
もちろん、小さくても自分一人でお店を切り盛りしなくちゃいけないわけですから、会計も学び、お店の回転率なども考えながら、毎日必死で回していかなければいけないわけです。料理をつくるという腕前だけでは、到底どうしようもできない壁に毎回ぶち当たるでしょう。
でも、そうやって数々の試練を乗り越えていくわけですから、経験値がドンドン溜まっていくのは当然です。すると、気が付けば一人の人間として、とてつもなく成長できている自分に気づくはずなのです。
最後に
誤解して欲しくないのは、一つの技術だけに特化したプロフェッショナルの仕事を否定するつもりは毛頭ないといういこと。
でも、今後世の中に求められる仕事というのは、中途半端なプロは全員排除されていくだろうから、それを見据えた上で、これからは千切りのスペシャリストになるよりも、人間的にも成長することができる町のとんかつ屋さんになったほうがいいなと。
少なくとも僕は、千切りのスペシャリストになるよりも、町のとんかつ屋さんになりたい。
…えーっと、何の話でしたっけ。まぁいいや、そんなことを考える今日このごろです。
これに類似した話は、以下の記事にちゃんと書いてあるので、そちらを参照してください。
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それでは今日はこの辺で。
ではではー!
あえてバッキバキにブランディングしない、少し隙を残すこと。その隙って絶対にマニュアル化できないし、往々にしてひょんなキッカケや偶然から生まれるから、逆にそれが“らしさ”に繋がっていくんだよなぁ。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2015, 10月 28