日本家屋のような「ボトムアップ構造」のウェブメディアにしていきたい。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

最近MATCHAを作りながらよく思うのですが、僕や青木さんがライフスタイルを提案するタイプのブロガーでよかったなと。

もし、世間一般的に言われるような「プロデューサー」や「編集者」のような側の人間であったら、きっとMATCHAは今のようなカタチにはならなかったはずです。

目指すは「日本家屋的なボトムアップ構造」のメディアなのかもしれません。

今日はこの辺りについて少し書いてみようかなと。

「弱点」が「強み」に変わる瞬間。

僕らが、MATCHAを立ち上げる前に、いつも2人で話していたことは「僕たちはブログ運営はできても、メディア作りのプロではない」ということ。

そしてそれは、ウェブメディアを立ち上げようとする上で弱点になりうるし、一方で強みにもなるなと。

今、MATCHAにはおかげさまで本当に素晴らしい記事が沢山集まってきています。

僕らはネタ振りを細かくしません。その代わり、各自が自分の能力を最大限発揮できるような場所、そしてそれに対して興味のある読み手が集まる場所、そういった場を創造することに全力を尽くそうと思っています。

だから極端な話、ライターさんたちに投げたネタがどう表現されて返ってくるのか、僕らにも正直掴みきれていない時があります。

しかし、最近はそれで良いと思っています。

もし仮に、僕らが「こう見せなければならない!」「こうやって見せるべきだ!」とディレクションをしてしまったら、その出来上がってくるというものは、僕らの範疇超えないですし、その想像力を超えてゆきません。

現に、今集まっている記事も最初の頃はこんなに素敵な記事が上がってくるとは思っていませんでした。しかし、実際には僕らの想像を超えた素晴らしい記事がドンドン集まってきています。

所詮、一人の人間の力というのはたかが知れているんです。それよりも、僕らは人の力を信じたい。

メディア畑出身の人が立ち上げたモノであれば、こうはならなかったでしょう。結果論だと思われるかもしれないですが、まさに僕らの弱みが強みに変わった瞬間でした。

日本家屋的でボトムアップ構造の作り方。

この考え方というのは、以前「『日本的想像力と「新しい人間性」のゆくえ』が新しくて面白い!」という記事で書いた宮﨑駿の『ハウルの動く城』の作り方と同じなのではないかな思っています。

非常に日本家屋的でボトムアップ構造であると。少しその記事から引用してみます。

日本の作品、特に漫画とか連載小説なんかは、どこに帰結するのかという最後のクライマックスを決めずに、とりあえず見切り発車して書き出すことが多いそうです。

でも、西洋の感覚からしたらそれはありえないらしく、「最後に描きたいものがあるからこそ、そこに向けて努力して書いていくんだ!」という真逆の発想らしいです。

このへんは「西洋は結果を求めるけど、日本はプロセスを楽しむ」とも表現されたりすることが多いですよね。

余談ですが、日本の伝統的な家屋もそのような作り方をしていると前にスタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫さんがラジオでお話していました。

「日本の家屋は、まず母屋を作って、そこから家族の増加に従って離れをつくったり、浴室や台所を増設していくという流れ。中心から波状的に増築されていく」という設計思想です。

その日本的な設計思想からヒントを得たのが『ハウルの動く城』のデザインだったりもするらしい。

引用元:『日本的想像力と「新しい人間性」のゆくえ』が新しくて面白い! | 隠居系男子

今まで存在した「トップの権限が強いメディア」というのは、非常に西洋的な作り方だったんだと思います。

「明確なゴールが存在して、他者の力を借りてソレを作り上げていく。」そこに、超優秀なトップさえ存在すれば作り上げられてしまうもの。

しかし、僕らが考える理想形は違います。西欧的なわかりやすいゴールは存在しません。

「日本の良いものを、書き手自身の嘘偽りない言葉でその魅力について語って欲しい」「そして、それをしっかりと伝え残していきたい」という核となるものが存在するだけです。

きっと日本家屋の作り方にも、根底には「皆が住みやすい家にする」という核があって、その中で家族の増減に合わせて最適解を探っていくというカタチだったのでしょう。

MATCHAが目指すところもまさにコレであり、その考え方は非常に近寄っているなと思っています。

最後に

もし、僕らに編集能力があったり、メディア媒体を作る上でのノウハウがあってしまったら、絶対にこんなメディアは完成しなかったはずです。

今までにはなかった全く新しいメディアを創造したいと願い、自分たちの能力を鑑みて「弱み」を「強み」に変えることができた、そしてライターさん達ひとりひとりの能力に対して、絶大なる信頼をおいているからこそ、今のカタチに辿りつけたんだと思います。

参照:僕たちは“場”をつくり、“中身”を作る必要はないのかもしれない。 | 隠居系男子

訪日外国人の方へ向けて、日本の良さを提示していくメディアだからこそ、日本人の持つボトムアップ型の能力も最大限活かしたメディア作りで挑戦していきたいと思います。

紹介しているモノに限らず、こういった“成り立ち”的な部分も日本人だからこそ出来る発想の中で、発展させていければと思います。

それでは今日はこのへんで。

ではではー。

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