写真が苦手な理由。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

久しぶりにがっつり個人的な内容を書いてみようと思います。

このブログを定期的に読んでくださっている方はご存知だと思いますが、僕は写真を撮りません。

撮ったとしてもほとんどこのブログには載せていません。というのは、写真で伝えることが好きじゃないからです。特にあからさまに加工された写真で何かを伝えることは苦手です。

それはなぜか?

単純に、嘘をついているように思えるからです。そして、コンプレックス。

地元である北海道・函館市で幼少期を過ごしていた時に感じていたトラウマのようなものが影響しているのだと思います。今日はそんな話を少し書いてみます。

観光都市・函館の飾り立てられた写真の数々。

僕の地元である函館市は、観光都市としてそこそこ有名な街です。でも、あの地で生まれ、あの地で育った人間からしてみると実際は寂れた街です。

観光で2−3日程度行くなら非常に良い場所だなとは思いますが、住んでいれば絶対に「寂れた街だな」って感じてしまいます。

本来はそんな場所にも関わらず、観光都市ということで、観光ガイド本はたくさんありますし、観光地に行けば「これでもかっ!」というぐらい函館の街並みを切り取ったポストカードやポスターなどが売っています。

僕が幼少期の頃はまだ今のように加工技術も優れていなかったので、あからさまに修正された写真がたくさん並んでおり、本当にその景色を見たことがある人間からすれば、「絶対にこんな景色は広がってない!」っていうようなものばかり…。

自分が見ているものとは全く違うものが写真で表現されていて、それで観光客を呼んでいるということに、子供ながらにいつも強い違和感を感じていたのだと思います。

飾り立てられていない“日常”の写真が見たい。

だから、今でも函館の飾り立てられた写真を見ると虫酸が走ります。

また、同様の理由から「世界の絶景◯選」というような記事も、著作権フリーで加工だらけの画像を並べただけのようなモノを見ると、すぐにタブを閉じてしまいます。

実際に行ってもその景色は絶対に存在しないですし、その画像に騙されて足を運ぶ人がいるのかと思うと、なんだかものすごく罪悪感のような気持ちが胸いっぱいに広がってしまうのです。

先日書いた「ハレとケの話」で言えば、「ハレ」だけでもお腹いっぱいになるのに、そこに更に「ハレ」の要素を足して、興味を引こうとしている感じにモヤモヤしてしまうというか…。

実際に観たいのは「ケ」の写真。観光地であれ、自然風景であれ、そこにある“日常”をそのまま切り取って見せて欲しい。

むしろ、実際に足を運んでみたら「なんだ、写真より全然綺麗じゃん」と思うぐらいでも良いと思っています。期待との落差をなるべく作らないで欲しい。

だからこそ、プロの写真家さんが撮った写真よりも、実際にその地に足を運んだ素人ライターさんが撮った生の写真の方がよっぽど説得力があると思うのです。

参照
ウェブ時代は、プロのライターよりも大好きな人が語るアツい記事のほうが面白い! | 隠居系男子

大好きな人が撮っている写真も面白い!「りんご飴×美女」りんご飴[ringo-a.me] | 隠居系男子

たとえプロのルールからは逸脱していたとしても、その“手作り感”の方が見る人の心には届くはずだし、響くのではないかと。

加工された写真も、個が際立ち“ストーリー”があれば惹き込まれる。

ただ、最近は「加工されている写真もいいなー」って思える機会が増えてきました。

それは、その写真にストーリーが感じられるとき。言い換えると、撮影者に見えている世界感がこちら側にもしっかりと伝わってくる時です。

たとえどんなに加工されてあったとしても、そこにストーリーが付与されていれば僕はアリだと思っています。むしろそうすることによって、スッと自然に入ってくる時もある。

手前味噌で恐縮なのですが、例えば以下の記事内で使われている写真なんかがそうです。

参照
レトロな谷中千駄木をカメラを持って、お散歩 | MATCHA – 訪日外国人観光客向けWebマガジン

【SAKURA】桜こぼれる神田川。西早稲田の陽だまりを歩く | MATCHA – 訪日外国人観光客向けWebマガジン

【KAMAKURA】古都・鎌倉のはじまりはここから。鶴岡八幡宮への散歩道「小町通り」 | MATCHA – 訪日外国人観光客向けWebマガジン

たぶん、この場所に行ってもこの景色は広がっていません。あくまでこのライターさんたちの主観でありフィルターを通したこの街の姿です。でも、この記事を書いてくださったライターさんたちがここで何を強調したいのかということは明確に伝わってきます。

ちゃんと一つのストーリーを伝えるためのデフォルメだということが伝わってくる。そこに非常に好感が持てるなと。

以前、奈良に行った時、たまたま訪れた「入江泰吉記念奈良市写真美術館」に飾られていた写真も、まさにそうゆう写真だったように思います。

参照:奈良写真美術館は、奈良の観光を締めくくるのに最高の美術館だった。 | 隠居系男子

最後に

最近は、写真に対するコンプレックスやトラウマのようなものも、徐々に払拭できるようになってきました。

むしろ、写真の可能性に魅力を感じているぐらいです。それこそ「MATCHA」を始めたおかげです。

こんなことを気付かせてくれたMATCHAライターの皆様には、本当に感謝の気持でいっぱいです。

自分もそろそろ「ケ」を表現した写真に挑戦してみたいなーと、漠然と思う今日このごろです。

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

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