久石譲著『感動をつくれますか?』久石譲は超一流アスリート的な考えの持ち主だった。

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

Kindleの角川セールで話題になっていた久石譲さんの書籍『感動をつくれますか?

僕も御多分にもれず購入し、先日読み終えました。

「ジブリ音楽といえば、久石譲!」というほどジブリとの関わりの深い久石譲さん。ジブリ関連の記事や、鈴木敏夫さんの著書の中で何度もそのお名前を見つけてきましたが、僕が想像していた方とは少し違ったようです。

イケダハヤトさんも「現在セール中!久石譲の名言まとめ:「感性」の95%は知識や経験の蓄積にある : イケハヤ書店」という記事の中で仰っているように、久石さんは超一流アスリート的な考えの持ち主でした。

今日はこの本を読んでみて、個人的に気になったところをいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。

ジブリ好き、表現者、そして超一流アスリートのインタビューが好き方、この本は必読です。

久石譲のアスリート性

久石さんは、作曲家としてもっともプライオリティをおいていることは何ですか?と問われたら迷わず、「とにかく曲を書き続けること」と答えるそうです。

作曲家の基本命題は、「いい曲をつくる」ことだ。コンスタントにあるレベル以上の曲を沢山作り続けていくためには、そのとき時の自分の気持ちに依存しないことだと僕は考えている。

この感覚がもはや、芸術家というよりアスリートだなと。さらに、アスリートを感じさせる一文は、音楽家と監督の関係にも現れていました。

監督の意向に従うことは大事だが、望んでいる通りのものを書いていたのではいけない。監督がこんな感じの音楽が欲しいと、ある思いを抱いている。監督の漠然とした思いを、各々プロの立場で形にしていくのが僕らの仕事。

この辺りの話を読んでいると、イチローや中田英寿、本田圭佑のインタビューを読んでいるんじゃないかと勘違いしてしまいそうになるぐらい、徹底したアスリート精神を持ち合わせている方なんだということが伝わってきます。

久石譲さんのルーティンのこだわり。

以前、以下の記事でもご紹介したことがありますが、久石さんは徹底したルーティンで毎日を過ごしている方としても有名です。

参照:ルーティンの生活が自分の世界を変える。 | 隠居系男子

今回の書籍の中でも、久石さんの1日が紹介されており、ルーティンの内容が書かれていたのですが、僕が気になってしまったのは以下の言葉。

頑張ろうとすれば、夕食抜きでぶっ通しでもできる。朝までやることもできる。しかし、それをやってしまうと過度な負担をかけることで、翌日の効率が確実に落ちる。マラソンランナーと一緒で、長距離を走りぬくには、ペースを崩さないこと。

イチローが試合前に行うウォーミングアップもそうですが、やはりコンスタントに成果を挙げるためには、この部分を意識していることがとても重要なんだなと思います。

過去に何度も書いてきていますが、タモリさんの「いいとも!」はその最たる例。
参照:毎日続けることは才能さえも凌駕する。 | 隠居系男子

徹底した今日性。

もう一つ、この本を読んでいて強く感じたのは「徹底した今日性の追求」です。

アスリートに近い感覚を持ち合わせ、さらに芸術家的な発想も同時に持ちあわせているからこそ生まれてくるのが、この「徹底した今日性の追求」なのだと僕は思いました。

久石さんは音楽を創りだす際に、自分を社会の一員として位置づけ、需要と供給を意識し、今自分は何を求められているかを見据えた中で作品を作っていくと仰っています。

しかしだからといって、作曲をビジネスライクに考えているわけではないとも書かれています。一番大切にしている価値観は“創造性”だと。

今日性を描くための徹底したインプット

では、久石さんが「今日性」を出すためにこだわっている事というのは何なんでしょうか?

久石さんは、それは「日々のインプット」であると述べています。

最近いろんな人と話していて思うのは、結局いかに多くのものを観て、聴いて、読んでいるかが大切だということだ。

想像力の源である感性は、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。

そのインプットの一環として、『冬のソナタ』をご覧になった時の感想も大変興味深いものでした。

ドラマもストーリーも音楽のメロディーも、通俗的すぎるぐらいのほうがインパクトが強いことがある。作り手がへんに気取っているようなものは、人間味が感じられず結構つまらないものになりやすい。

あざとくても、下世話でも、そういうものが求められているならば、堂々とやりきってしまうほうがいい。

この一種の割り切りのようなもの、竹を割ったような超現実的な発想が、久石譲を久石譲たらしめている一番の原因なのかなと。

最後に

「貧しい・不幸自慢はよくない!、日本の休日制度に対する疑問、会社に入った以上は男女関わらず社長を目指せ!」などなど、とにかくアスリート的発想が強かった久石さん。

音楽やアートの分野でよく観られるような浮世離れした感覚ではなく、超現実主義的なお方でした。

気になる方はぜひ読んでみてください。もちろんKindle版ありです!

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

それでは今日はこのへんで!

ではではー。

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