「自由になるトレーニング」を読んで思ったこと。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日、「自由になるトレーニング」という対談形式の電子書籍を読みました。ブロガーのイケダハヤトさんと、四コマ漫画エッセイストのヒビノケイコさん、そして、僧侶のプラユキ・ナラテボーさんの対談をまとめた本です。

これがとてもおもしろかった。何がおもしろかったって、お三方それぞれが全く別の性格なのに、しっかりとそのバランスが取れているところです。

価値観が自分と異なる人と付き合う方法、互いの違いを認め合いながら、一緒に成長していける関係性とはどんな関係性なのか。

それを学ぶ上でとても参考になる書籍だと思ったので、今日はこの電子書籍を少しだけご紹介してみようと思います。

「自分のスタイルで生きよう」

まずはお二人のやりとりから。少し長いのですが、引用してみます。

ヒビノ そういえばわたし、ここ最近、柄にもなく「世の中の人のように、もっと、切迫感を持って努力しなきゃ!」という焦燥感に襲われていたんですよ。「ブログを毎日十本更新しなきゃ、炎上させなきゃ」なーんて気持ちにもなったりして(笑) 

でも、ダメでした。自分の持ち味も全然活かせないし、やり方が合わなくて、消耗しちゃう。やっぱり、一つひとつを丁寧に、質良く描きたいんです。

本来の自分のリズムを見失っていたんだなと気付きました。わたしには、余白が必要です。本を読んだり、森の中を散歩したり、料理したり。いろんな人と会って、話したり。そうやって質のいいインプットがたまると、あるとき突然、アウトプットが表現になって、どばーって出てくるんです。  

多数に向けて言われるアドバイスは、自分に当てはまるかどうかはわからない。人とは違う自分のリズム。どうしたら一番、自分を有効に使いこなしていけるのか。そのポイントをつかむことは、大切なことだなあと思いました。そして、その性質に合わせたビジネスモデルを持つことも大事だなって。  

イケダ ぼくは、ヒビノさんと逆ですね。自分に負荷をかけまくるのが好きなんですよ。それで成果が出なくてもメンタルが不安定になることはないですね。ただ、ひたすら自分に負荷をかけて、限界量を増やしていくのが好きなんです。インプットを増やせば成果も上がるので楽しい、というのがぼくが成長するためのやり方なんですね。  

ですからぼくは皆さんにそう提示します。ぼくの世界観で言うと、大体の人はそもそも量が足りないし、やり方も間違ってるんですよね。正しいやり方で、正しい量にすれば絶対にパフォーマンスが上がると思うんです。  しかし、これをヒビノさんがやると、辛いことになるんですね。  

ヒビノ かなり辛いことになって、逆に効率が悪くなります(笑)でも、イケダさんは本当にそのやり方が合っているんでしょうし、そのやり方が合う人も、もちろんたくさんいる。そう考えると、世の中には多様なタイプのコーチがいた方が、伸びる人も増えるってことですね。  

イケダ 本当に人それぞれですね。その人の生きてきたスタイルなんでしょうかね。いろいろなやり方があるので、提示されたものを試して、合ってなかったら、また違うものを選択して、自分で感知することが大事でしょう。そういうことを繰り返して自分で見出していくと。  

僕がお二人を尊敬している理由は、まさに上記のようなやり取りをいつも心掛けていらっしゃるからです。

お互いのスタイルや価値観が全く異なる相手に対しても、互いに相手のスタイルを最大限尊重している。

本来であれば、これだけ価値観が違うお二人なので、いがみ合っていてもおかしくないのですが、互いのスタイルをきちんと尊重し合っているからこそ、両者の特徴も自然と見えてきて発見や気付きに繋がっているんですよね。

以前、「全くジャンルの違う大人同士で仲が良いのは、隣の芝生が青く見えているわけではなく、その戦術やセンスに共感するから。」という記事を書きましたが、お二人の関係性もまさにこの記事内で書いた関係性に近いなと思っています。

プラユキさんの仏教的な解説がわかりやすい!

さて、この電子書籍がさらにおもしろいなと思う理由は、上記のようなお二人のやりとりが行われた後に「仏教的にこの話を解釈するとどうなるのか」プラユキさんのそんなわかりやすい解説が入るからです。

例えば、上記のお二人のやり取りのあとに、プラユキさんは以下のように語ります。また少し長くなってしまいますが、引用してみましょう。

プラユキ そうですね。やはり、自分の個性や持ち味を知っておくことは大切でしょうね。仏教では「根性欲」を知っておくと良い、と言われます。

「根」は機根の意味で、理解力や能力。「身の丈知らず」なんて言葉もありますけど、自分の実力をわきまえずに無理しすぎて、体や心を病んでしまうなんてこともありますからね。気の合わない人とは距離を取るとか、環境を変えるとかして、自分のパフォーマンスが最大限に発揮できるフィールドをまず選んでいけるといいでしょうね。  

次の「性」は性質・性格の意味ですね。ヒビノさんとイケダさんはそれが違っているから、ブログの書き方からライフスタイル全般に至るまで、違ったものになっているわけですね。自分の性質を知り、自分の持ち味として最大限に生かせていけたら、何ごとにおいても、いい結果を出すことができるでしょう。

瞑想はいわば、そうした各人の持つ性質を生かせるように最適化していく技術であり、トレーニングであるといえるかもしれません。お二人ともいろいろな試行錯誤の末に自分の持ち味を活かして今のスタイルを確立し、インフルエンサーになられているんですから、ぜひその道を進んでいってもらいたいですね。  

それから三つ目の「欲」というのは、ここでは「願い」といったような意味です。自分はこの人生で何を成し遂げたいのか。心の奥底にある本当の願いを知っていくことです。  

こうした観点を踏まえて、自分をよく観察し、自分をよく知り、自分に一番あったスタイルでおのおのが自分の人生をデザインしていけたらいいですね。

いかがだったでしょうか。

良い意味で客観的・抽象的に語ってくれるので、イケダハヤトさん、ヒビノケイコさんのお二人に向けた仏教的な解説にもかかわらず、どこか自分に言われているような錯覚を起こしてしまいますよね。

本電子書籍は、このような感じでテーマごとに話が進んでいき、お二人の実体験から導かれる絶妙な掛け合いと、プラユキさんの解説が非常に上手くバランスが取れているんです。

具体的な実体験と、俯瞰的な解説が往復するおかげで、読んでいる方にも内容がすっと入ってくるんですよね。

最後に

スポーツ番組のプレイヤーと解説や、学校の教師と生徒のような関係性がこの本の肝で、面白くしてくれている要素だと思います。

とてもオススメの本です。気になる方はぜひ読んでみてください。

今後3人以上登場するコンテンツやイベントを自分が企画する際にも、非常に参考になる本でした。

それでは今日はこの辺で!

ではではー!

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