地方に人を呼び込む際に、ターゲットを漠然と「日本人」としてはいけない。

地域イノベーター養成アカデミー2013

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

昨日書いた記事「地方の財産は“人”であり、その繋がりを創り出すのもまた“人の生きがい”。」にも書きましたが、先日「地域イノベーター養成アカデミー | 地域で仕事を創りだすための短期実践型プログラム」の修了報告会を見に行ってきました。

総じて非常に良い報告会だったのですが、各グループのプレゼンを聞いて個人的にいくつか意見を持った部分もあったので、今回はそのことについて少し書いておこうと思います。

まだ前回の記事を読んでいない方は、前回の記事から先に読んでください。

参照:地方の財産は“人”であり、その繋がりを創り出すのもまた“人の生きがい”。 | 隠居系男子

ターゲットが曖昧である。

まず一番強く感じたのは、どのグループも「ターゲットが曖昧である」ということです。

このイベントの共通のミッションとして「居住者を増やしたい」「観光客を増加させたい」ということがあったようなのですが、どのグループのプレゼンを聞いていても、その“ターゲット”が非常に曖昧なんです。

漠然と“日本人”と想定しているようなのですが、日本人でも学生のように、お金はないけど行動力がある人達もいれば、高齢者のように、お金が多少かかってもいいからゆっくりと過ごしたいという人達もいるでしょう。

三重県・尾鷲市は、「熊野古道」という世界遺産を有しているわけで、それをどう活かすべきかという課題の中で、世界遺産というブランドは存分に活かすべきはずです。

世界遺産であれば、海外からの観光客も狙うことは十分可能なはずですし、特産品がヒノキなので、海外の人々が欲しがるような超日本らしい商品も作ることも可能でしょう。

しかし、そういった提案はなく、日本人が“平均的に”喜びそうな「ヒノキの灯籠」で町を照らすことだったり、お土産として「ヒノキプロダクツ」といった製品など角の立たない提案となってしまっていたのは、少し残念だったかなと思います。

海外の富裕層に気持ちよくお金を使わせるような施策

これは全体を通して言えることですが、日本の伝統工芸品を改良し、細々とした雑貨で提案しているグループが非常に多かったです。しかし雑貨なので、使える金額には限度があります。

中国や東南アジアで、観光客が行くようなショッピングモールに足を運んでみるとよく思うのですが、「こんなに高いもの誰が買うの!?」というような日本人の感覚からすると絶対にあり得ないお土産がたくさん並んでいます。

もちろん、置いてあるということは需要もあるわけで、一定層の観光客にはしっかりと売れていきます。海外の富裕層にとって、旅行先というのはイチバンお金を使いたくてたまらない状況なわけですから、こういったものを作るのも1つの施策となり得るでしょう。

日本を訪れ、「日本の伝統工芸品は素晴らしいから、とにかく良い物を買って帰りたい!」という外国人観光客がいるのにも関わらず、お金を使う機会を与えないというのは、お金を落としていって欲しい地方側にとっても、非常に勿体無いことだと思います。

ターゲットを明確にすることで、こういった層にも訴求できるようなモノを提案していく事ができるので、やはりターゲットの設定は非常に大切な事ではないかと感じます。

SNSなどネットを使った戦略

今回僕がプレゼンを聞いた中では、どのグループもSNSやウェブメディア・スマホアプリなど、ネット上で行う施策は1つも提案していませんでした。

地方の人に取り組んでもらうことを考えると、ネットを使った施策は困難であると考えているのかもしれませんが、今の環境であればその地にいなくともネット上のコンテンツを定期的に更新していくことは十分に可能です。

やはり、ニッチなコンテンツでも興味がある人達へは確実に届いていくのがネットのメリットなわけですから、これを活かさない手はないと思います。

さらに、これからは各コミュニティごとに合わせたネット上の「場」づくりも非常に重要になってくるはずなので、この辺も是非挑戦していって欲しいなと思いました。

参照:もう年齢じゃない!コミュニティごとに使うガジェットが異なる時代。 | 隠居系男子

最後に

以上、カンタンではありますが上記の3点が各グループのプレゼンを聞いて僕が感じたことでした。

地方と関わっていこうと考えている人の何かの参考になれば、幸いです。

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

鳥井弘文

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