新しいネットとリアルの使い分け。これからの小売の在り方を考える。

楽天やAmazonが人気になってきた2000年代。

小売の新しい形って「ECサイトをつくる」ことでした。

だから、どのブランドもまずはECサイトをつくった。ECサイトをつくれば飛ぶように商品が売れていた時代です。

でも2010年代に入ると、それも飽和状態になってきて、ネット上にECサイトをつくったからという理由だけで、売れていく時代は終わりを告げました。

だからこそ今、WEBマーケティングSNSマーケティングのような言葉が流行っていて、各メーカーさんやブランドさんがそこに多大なお金を投入し、躍起になっているわけです。

でも、この方法でさえも既に飽和状態になってきているのが現状です…。

小売の新しい潮流とは?

では、今生まれ始めている新しい潮流とは何でしょうか?

よくよく観察してみると、いま勢いのあるブランドってその真逆を行っているんですよね。

具体的には、商品販売はECサイトではなく、あくまで対面販売で売っていく。

例えば、EVERY DENIMなんかがわかりやすい例です。

彼らの場合、ECサイト単体での売上なんて微々たるもの。

ほとんどが試着展示会形式での売上で、対面販売がベースとなっています。

参照:スナックと試着販売のコラボは最高の相性なのかもしれない。 | 隠居系男子

インターネット(SNS)は「仲間集め」のためのツール。

じゃあ彼らはインターネットは一切使っていないのか?

そんなことはありません。

そこは平成生まれ。ソーシャルネイティブ世代の力を思う存分発揮しています。

具体的には、インターネット(SNS)を「仲間集め」のためのツールとして積極的に使っているんです。(「共犯者集め」とも言える)

彼らは健全なソーシャルナンパを頻繁に行います。

参照:ミレニアル世代のポジティブなソーシャルナンパが始まっている。 | 隠居系男子

もちろん、僕が彼らに惚れてしまったのも、そんな彼らからのソーシャルナンパがきっかけでした。

参照:岡山・倉敷発!店舗を持たないデニムブランドは、なぜヒットしたのか? : 小さな声を届けるウェブマガジン「BAMP」

逆にEVERY DENIMは、商品の細かい説明や宣伝などはネット上ではほとんど行いません。商品について語れることがたくさんあるにも関わらず、です。

でも逆にそれが「信頼」を勝ち取っている。

彼らが必死で発信しているのは、自分たちの想いであり、このブランドを通じてつくり上げたい世界観です。

その発信によって一緒にブランドを育ててくれる「仲間」がドンドン増えていって、その仲間の仲間や、仲間をフォローしている方たちが彼らに興味を持ってくれるようになってくる。

その結果、彼らの試着展示会に「ちょっと行ってみるか!」と足を運んでくれるような方々がドンドンと増えてくるわけです。

試着展示会まで足を運んでくれれば、もう彼らの土俵の上にあがってくれたようなもの。

みんなしっかりと商品の説明に耳を傾けてくれるし、その結果商品に納得感を得てくれれば、ブランドの信頼は既にネット上で担保されているわけですから、その場ですぐに購入に至ってくれるのです。

最後に

さて、改めて今日の話をまとめると・・・

【従来のネットを活用した小売】
to B:リアルのつながりのみ。直接会ったことがある人たちとしか協力しない。

to C:ECサイト上での販売がメイン。WEBマーケティングを駆使する。

【新しい潮流】
to B:ソーシャルのつながり。直接会ったことがなくても、価値観が近ければすぐに仲間になって協力する。ネット上でプロジェクトが始まる。

to C:対面販売が中心。しっかりと説明して、納得感を持った上で購入してもらう。

こんな話を、EVERYDENIMのふたりと一緒に北海道下川町の勉強会でしてきました。

いつもこのブログを読んでくださっている方々にも何かしらの参考になれば幸いです。

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