どうも鳥井(@hirofumi21)です。
今バズっている人を安易に取材しちゃいけない理由、それは「未来食堂」のせかいさんが書かれていた、以下の記事の内容に尽きると思います。
ウェブメディアでインタビュー行く人は必読。“同じことばかり聞かれる事が多々ある。その点、このブログを遡って読みインタビューに臨んでくれた記者さんがいて、会話が進み、良かったなとおもいました”:メディアに『切り取られる』ということ https://t.co/rfxiqZ7lBS
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2015, 11月 25
もちろん、取材する側として最低限のマナーを守ることは大切です。事前のリサーチも最大限していくべきです。
それを踏まえた上で、それでもいま多方面から取材を受けている人というのは、多かれ少なかれ、もうその事象について語り飽きている可能性は非常に高い。
上記の記事内でせかいさんが書いているように、個人差はあれど「それ前も話したなあ…」ってテンション下がってしまうことは、間違いないんです。
読者は、事前知識を共有して読んでくれるわけではない。
一方で、そうならないように、取材する側が事前にガンガンリサーチしてから話を聞きにいってしまうと、今度は記事を公開するときに、読者との距離感が一気に難しくなってしまいます。
なぜなら、読者はその人についてリサーチしてから記事を読んでくれるわけではないからです。つまり、読む側はそのハイコンテキストを共有して読んでくれるわけじゃないんです。
読者が読みたいと思うのは、もっともっと基本的なところ。どこの誰で、何をしている人で、何がすごいのかというところ。それは良くも悪くも、インタビューされる側がもう語り飽きたと感じている部分でもあったりするわけです。
取材対象者も読者も、両方を満足させる記事作りはとても難しい。
つまり、取材対象者も読者も両方の満足を得ることができる記事作りというのは、非常に難しいのです。
インタビューの書き起こしを少し編集して、そのまま記事にするだけでは絶対にダメなことは明白で、それこそ、以下の記事内で書いたように「取材力」や「編集力」が問われるわけです。
参照:ウェブ上でメディア名を覚えてもらいたければ、その人のセンスの良い知り合いが2人以上出ていればいい。 | 隠居系男子
例えるのであれば、スーパーで売っているような普通のお肉から、高級店でしか出回らないようなA5ランクのお肉まで、今ありとあらゆるお肉を散々食べ尽くしている人に対して、「牛丼、どうですか?」って差し出すようなもの。
自分たちが差し出せる肉のレベルが牛丼レベルだったら、肉を食べ飽きている可能性が高い人の前に、安易に差し出しちゃいけないというのはわかりますよね。
「今バズっている人を安易に取材しちゃいけない」というのは、そういうことなんです。
取材するタイミングが大切。
それでも、本当にその人のことを取材したいと思うのであれば、そこからずっとその人のことをウォッチし続ければいい。
Twitterでもブログでもなんでも良いので、その人から発信される情報を常に追い続けて、その人が新しいサービスや企画を始めるタイミングで取材に行く。そのほうがよっぽどフレンドリーに取材を受けてもらえるはずです。
僕も色々と人から話を聞かれる機会が増えてきたので、なんとなくわかるのですが、語り飽きていても「最近書いていたあの記事について」や「最近始めたあの取り組みについて」って聞かれると一気に表情が明るくなって、自分から語りたくなるものです。
たとえその相手が取材慣れしていない大学生であっても、喜々としてこちら側から話したくなります。
だからこそ、タイミングというのは、めちゃくちゃ大事。
再びお肉の例でたとえるのなら、健康的な食事ばかりが続いていて、なんだか味気ないなぁって思っている時であれば、牛丼のお肉であってもめちゃくちゃ美味しく感じるわけですよ。むしろ、無性に牛丼が食べたくなって、自分から足を運んでしまう時だってあるわけで…。
そのタイミングをうまく見計らえるかどうかが重要だと思うのです。
自分たちの取材能力、編集能力、つまりは差し出せるお肉のレベルをちゃんと理解し判断した上で、取材対象者の方がこのお肉をおいしく食べてくれるタイミングはいつなのか。
そして、その牛丼をおいしく食べてくれる姿を読者も見たいと思ってくれているのかどうか、それをしっかりと見定めること。
誰かを取材する上で、この三方良しの状態を作り出せるかは、非常に重要なことだと思うのです。
最後に
もしかしたらここまで読んできてくれた方の中には、「そんな悠長なことを言っていたら、今この波に乗り遅れてしまうじゃないか!」と疑問に感じる方もいるかもしれません。
しかし、それこそ一番本質的ではなくて、そう感じてしまうということは、その人の人気が今バブっている証拠でもあるわけです。
本当に本質的なことを語っている人であれば、いつ取材したってちゃんと読まれる記事になりますし、長く読まれる記事になるはずですからね。
そこで、「このバズに乗り遅れるな!」と思うのであれば、今だって記事にする必要はないわけです。(ただ単純にPVが欲しいだけというのであれば、話はまた別ですが…)
それも見定めるためにも、今バズっている人には安易に取材せず、一呼吸おいて考えてみるべきだと思います。
今日の記事を読んでくれた方々にとって、何かしらの参考になれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
ではではー!