ものづくりの業界でも「上手い素人」が世界を変えてしまうのか?

最近、バッグパックを探しているのですが、自分にとっての理想のバッグパックがなかなか見つかりません。

値段の上限も特に設けずに探しているのですが、見つからない…。

自分の好きなデザインを見つけても、内部の構造が自分のライフスタイルに適していなかったり、構造が良くても金具部分のパーツが安っぽくて納得がいかなかったり…。

「金に糸目をつけないのであれば、ラグジュアリーブランドのアイテムを買えばいいじゃないか!」

そう思う方もいるかもしれませんが、ラグジュアリーブランドのアイテムが使い勝手がいいかと言えば、そういうわけでもありません。

あくまでブランド価値と値段が紐付いているだけであって、機能性の高さと値段が紐付いているわけではない。

市場で売れて、利益がでることが大前提。

じゃあ、どうしてこうなってしまうのか?

きっと、市場で売れなければいけないという前提がそうさせるのだと思います。

幅広いユーザーに向けて、ある程度の個数をつくって売れるようにしないと、利益が出ない。

そうすると、どうしても似たり寄ったりの価格帯で、似たり寄ったりのパーツを使った商品をつくるしかありません。

この製品で利益が出なくてもいい。

一方で、市場で売れなくても良い、卸しやセールを前提とした価格である必要もない。

商品を販売する時期が決まっていないから、何回サンプルをつくってどれだけテストを繰り返してみても構わない。

稼ぎ口は他にもあるから、この製品で利益が出なくてもいい。

とにかく、自分たちが本当に納得のいくものをつくるんだ…!

そんな人たちが増えてくれば、この状況もきっと変わってくるのだろうなあと。

経済合理性を完全に無視する「上手い素人」。

「そんな都合の良い状況なんて生まれてくるか…!」

そう思う方もいるかもしれませんが、実際少しずつ生まれ始めてきていると思います。

以前、4年ほど前にこんな記事を書いたことがあります。

参照:「上手い素人」と「ヘタなプロ」の違い。 | 隠居系男子

カンタンに要約すると、経済合理性を完全に無視して、まったくもって理にかなっていない行動をする「上手い素人」が現れてきた、という話です。

このときはウェブコンテンツ(テキスト・画像・動画)の話でしたが、最近ではものづくりにおいても同様の兆しが見えはじめてきているなと。

D2Cブランドの勃興なんかは、まさにその潮流のひとつだと思います。

dripのおふたりがつくっている「PRESSo」や「CHIP」、高城剛さんの「NEXTRAVELER TOOLS」も、それに近いものづくりをしているように思います。

参照:小さな財布のパートナー。最小※のミニマル小銭入れ「CHIP」 | クラウドファンディング – Makuake(マクアケ)

最後に

個々人のライフスタイルがドンドン多様化してきて、みんなが同じようなマンションに住み、同じような通勤スタイルで、同じように働く、という時代は終わりました。

そうなってくると、自分たちのこだわりをトコトン詰め込み、「狭いけど、深く刺さるもの」が求められるようになってくる。

あまり数は売れないような気がしますが、これまでの常識を一気に逸脱した結果、今の時代の空気感や消費者の心をがっしり掴み、広く売れていくような世の中になっていくのかもしれません。

少なくともウェブコンテンツ(デジタル)の世界では、そうなりました。

ものづくり(アナログ)の世界でも同じような道筋をたどるのか、否か。

今日のお話が、いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても、そんなことを考えるきっかけになったら嬉しいです。

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