欲しい“機会”を買ってもらうためには、どうすればいいのか?

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

年末年始に高城剛さんの有料メルマガを読んでいて、「欲しい“機会”を買ってもらうためにはどうすればいいのか?」ということについて少し思ったことがあったので、今日はそんなお話を。

「当店でご購入いただいた服なら、高価で買取るという新しいビジネスモデル」

まずは、高城剛さんの有料メルマガ「高城未来研究所 Future Report」から少しだけ引用しておきます。(※個人ブログであれば、出典元を明記した上で引用は問題ないということなので、出典元明記の上転載します。)

▽Q.17▼▽
地方の小さな会社が経営する洋服を売るお店は、今後どういった事が求められるていくと思いますか? 雑貨や家具を一緒に売るのではなく、これからも洋服を売ってく為に、次なる一手を模索中です。 是非とも、高城さんの意見をお聞かせください。 宜しくお願い致します。

【 A 】
僕なら、当店でご購入いただいた服なら、高価で買取るという新しいモデルを模索し提案します。 今シーズンの新作購入後、1ヶ月以内なら6割、半年以内なら3割などと決めて、一度売った服を買い取るのです。 そうすれば、同じ服であれば競合から購入せずに御社で購入するはずで、もしくはお目当の商品がなくても他店ではなく、あえて御社から購入する人が増えずはずです。

なぜなら、顧客は服をいつでも換金できるからです。 そうすると帳簿上は、それなりに引き当てることが必要となります。 そう、これは一見販売に見えるリース業なのです。 これはいままでとはまったく違うファッション・ビジネスモデルで、洋服を流動的な金融資産と見立てます。 そうすれば、いままでまったく見向きもしなかった人も、御社でバンバン購入するでしょう。 なぜなら、所有ではなくなり、税制上優遇されるからです。

出典元:2015年11月6日発行 高城未来研究所「Future Report」Vol.229/Part2

サブスクリプションサービスとは、興味はないけど浮きたくない人向けのサービス。

僕は、ファッションレンタル系のサブスクリプション(定額)サービスってなんだか腑に落ちなかったんですが、上記の高城剛さんのQ&Aを読んで気が付きました。

サブスクリプションサービスって、あくまでファッションに興味がない一般層向けにつくられたサービスなんですよね。

むしろ、「ファッションのことについて考えるのは面倒くさい!でも周りからは浮きたくない!だから他人に任せてしまいたい!」そんな欲求を叶えるために生まれたサービスなんだと思います。

本当にファッションにこだわりがある人たちは「いやいやいや、私が着たいやつはそれじゃないんだよ!」ってなる。

この高城剛さんが提案している形であれば、そんなこだわりがある人達に対しても広義の意味でのレンタルという手法でアプローチすることができるはずです。

ガジェット系ブロガーが頻繁に端末を買い換えられる理由。

唐突ではありますが、これをガジェット系の話に置き換えるとわかりやすいのかなと。

ガジェット系で考えた時に、「◯◯コンサルタントが選ぶ!便利なガジェットを毎月お届け!」っていうサブスクリプションサービスが出てきた場合に、本当にガジェット好きな人達が満足するでしょうか?

答えは否。「いやいやいや、俺が使いたいやつはそれじゃないんだよ!」って絶対になるはずです。

ただ、ガジェット系の場合は、ファッション業界とは違って、中古市場も活発なため、人気端末であれば値崩れもしにくいです。購入して数ヶ月以内であれば、高値でも売れてしまいます。

だからこそ、ガジェット系の場合は、ブログやSNSを通じたレビューも盛んなわけです。

ガジェット系ブロガーさんたちが、あれだけ頻繁に端末を交換していても、ブログの広告収入やアフィリエイト収入だけで難なくやっていけていける理由のひとつはここにあります。

また、人気ブロガーさんであれば、メーカーさん側から新商品が出るたびにレンタルとして貸与されているので、その端末についてのレビュー記事を書いているということも往々にしてあります。

今の時代にムーブメントが生まれるためには?

ファッション業界も、このガジェット業界の盛り上がりに見習う部分はある気がしています。

今は、本当に好きな人達が市場を盛り上げてくれる時代。メーカーや広告代理店が、作為的にムーブメントを作り出すということは非常に困難な時代になりました。

一般ユーザーが「興味」という熱量を糧にして、頼まれてもいないのに勝手に記事を書いて、勝手に拡散して、勝手にワイワイと盛り上がってくれる仕組みがなければ、ムーブメントは生まれていかないのです。

それは、日本でiPhoneが流行った理由や、中国でシャオミが大流行した理由から考えても明らかです。

参照:「ユーザーと友達になること」の重要性。『シャオミ 爆買いを生む戦略』を読んで。 | 隠居系男子

本当に好きな人達が、時間を忘れて投稿できる仕組み(市場)が必要。

ファッション業界も、本当の意味での盛り上がりを作り出すためには、ファッション誌を中心としたマスメディアに頼ってばかりいてはもうダメで、本当に好きな人達が時間を忘れてブログやSNSにその思いの丈を思う存分投稿できる仕組み(市場)を作り出す必要があるのでしょう。

上記で高城剛さんが提案しているような方法を採用した店舗が増えてくれば、それはきっと可能になってくるわけです。

こういった店舗(ECサイト)が増えてくると、きっと好きな人達はその仕組みを勝手に上手く利用して情報発信をしていくはず。

もちろんブランドさんの方から、その中でキラリと光る逸材に対して自分たちの新商品をレンタルするという環境も生まれてくるでしょう。

最後に

今の時代、多くの人たちにとって「欲しいモノ」というのは、欲しい物じゃなくて、欲しい物を持っている自分なわけです。

もっと言ってしまえば、欲しい物を持っている時の自分を、SNSなどウェブ上の仮想空間に投稿できる“機会”が欲しいわけです。

売り手側は、その“機会”をどのようにすれば購入してもらえるのか?それを考えるべきなんだと思います。

作り手側からすると、そんな買い手の心情を「浅はかだなぁ」とか「それは本質的じゃない」と言いたくなってしまうかもしれませんが、まずは袖を通してもらわなければ何も始まりません。

そういった“機会”の購入を通じて、実際に袖を通して貰えれば、「あー、これは一生所有しておきたい!」って思ってもらえるようなことだってあるはずです。そんな中から、売り手側が考える“本質”に気がついてくれる人たちも必ず出てくるでしょう。

だからこそ、こういった可能性を探ってみるのも今の人々の消費動向から考えると、十分アリな気がします。

そんなことを考える今日このごろ。合わせて以下の記事もぜひ読んでみてください。

参照:次の時代のセレクトショップがセレクトするのは商品ではなく、人。 | 隠居系男子

それでは今日はこの辺で!

ではではー!

スポンサードリンク