どうも鳥井(@hirofumi21)です。
もう何度目だよ!って感じですが、今日も『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』をご紹介したいと思います。
参照:2014/04/24 芸術選奨文部科学大臣賞の映画部門受賞と、勇退報道の真相!? 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ – TOKYO FM 80.0 – 鈴木敏夫
鈴木さんの考える「エンタメコンテンツ業界の時代の転換期」というのが、最近僕が考えていたことと驚くほどリンクしていたので、このブログに書き残しておきます。
エンタメコンテンツの根幹が変わった歴史の転換点。
今回のお話は、鈴木敏夫さんがジブリのプロデューサーを退任して、「勇退報道の真相!?」として語られたことです。
鈴木さんは、今こそジブリを新しく見直すタイミングだと考えているようで、「娯楽」というものが、今までと同じようなやり方でやっていたら観てもらえない時代になってきたと語っていました。
まさに「歴史の転換点」に差し掛かっているのが、今の時代であると。
「映画に限らず、世界中すべてのコンテンツがそうであり、漫画であろうとテレビであろうとすべての根幹が変わったような気がする。」と鈴木さんは仰っています。
何か質的に転換させないとお客さんは来てくれない時代になってきており、それは見つけるのは若い人たちの仕事だと思ったから、今回のプロデューサー勇退という決断をしたそうです。
「貧乏からの克服」、「心の問題」、その次のテーマとは?
では、その根幹の変化とはどれ程大きな変化なのでしょうか?鈴木さんは以下のように語ります。
例えば、日本映画の戦後、「家族」であろうが「ちゃんばら」であろうが、「貧乏からの克服」がエンタメコンテンツのテーマだった。黒澤映画も然り。
しかし、高度経済成長の中、日本が豊かになっていって、そのテーマが通用しなくなる。
そうすると次に何が出てきたか?
それは心。「迷い続ける心を、ちゃんとする。」高度経済成長から、バブル、21世紀までそうゆう作品がずっと作られ続けてきた。
今は、それと同じぐらい大きな転換点がまた来ているような気がする。
素人を起用して、視聴率を稼ぎはじめたテレビ東京。
そんな中、鈴木さんが具体例として上げていたのが、テレビ東京のバラエティ番組です。
今のテレビは、バラエティ全盛期。進行役としてタレントさん達が大活躍している時代です。
でもテレ東は”素人のひとたち”を起用している。素人を捕まえてきて、「あなたどこに行きたいですか?」って聞いてそのままその場所へ連れて行ってしまう。
これは頭がいい企画ですよね。今の時代、みんな気持ちのどこかで蒸発したいと思っている、それをテレビ局がサポートしてくれて、そのプロセスを全部番組にしてしまう。
テレ東は制作費などの問題で、タレントさんを使えない。しかし、今はそちらのほうが視聴率を取り始めている。つまりは、そうゆうことじゃないのかなぁーって。
著名人から普通の人へ、そして最後は石になる?
鈴木さんは元々出版社にいた経験から、雑誌などの変遷にも見識が深い方です。
そんな鈴木さん曰く「雑誌というのは、もともと政治家だとか“すごい人”を扱うモノであり、犯罪でも極悪犯を扱うのが雑誌であった」と。
しかしある頃から、芸能人とかスポーツ選手とかの扱いが大きくなっていった。そして最近、普通の人を扱い始めた。
更に今、普通の人に飽き始めた雑誌はどうしているのかというと、建物を取り上げていると。
つまり、どんどん、人間から離れ始めているわけです。建物だけに限らず、動物だの、植物などを扱っていて、このまま行けば、最後は石になるんじゃないかと、鈴木さんは冗談交じりで仰っていました。
そしてそんな変化の過程で言うと、テレビは今、”普通の人”の所まで来ているのではないかと。
こういった変化の過程がエンタメコンテンツの質的転換と何か大きな関係性があるのではないのかと、鈴木さんは考えているようです。
最後に
この一連のお話が、この前書いた以下の記事と非常にリンクしており、共感する部分がとても多かったです。
参照
ウェブ時代は、プロのライターよりも大好きな人が語るアツい記事のほうが面白い! | 隠居系男子
あなたの好き嫌いと「今ムーブメントがどちらに来ているのか」というのは全く別の話。 | 隠居系男子
普通の人達の普通の生活、淡々とした生き方の中に存在するキラリと光るモノ、それがこれからマスの人々の共感を呼ぶコンテンツになっていくのかもしれません。
それはあまりに現実的すぎて、エンタメとはかけ離れてすぎており、社会性も帯びてくるものなのかもしれませんが、やはり『アナと雪の女王』が受け入れられている今の世の中を眺めてみると、それはもう必然の流れかなぁと。
夢や希望だけでなく、現実との折り合いをつけていく。その中でも、自分が貫き通したいものを明確に体現していく。以下の記事でも書いたように、そんなライフスタイルが、きっと今後の主流になっていくのでしょう。
参照:「ロリータ」にみる、本当のライフスタイル提案とは何か。 | 隠居系男子
この流れがこれからどう加速していくのか、個人的にも楽しみです。
それでは今日はこのへんで。
ではではー。