このブログではもうお馴染みの小倉ヒラクさんが先日こんなツイートをしていました。
読者の本を手に取る動機が、新しい世界に踏み入るきっかけや著者の世界観への応援だとすると、自前のコミュニティをもたない出版社は存在意義を無くしてしまう。知識の「カタログ商社」から、面白い世界の面白い人が集う「コミュニティ」にならないと本を読者に届けることができなくなりそうです。
— 小倉ヒラク (@o_hiraku) 2018年9月3日
自分で本を出してみてビックリしたのが、出版社が自分たちの本の読者の実態を把握していないことでした。取次の流通に頼るので自分のお客さんの姿が見えない。その逆は青汁みたいな健康食品メーカー。彼らは商品よりも顧客情報のほうが最大の資産であることをよく知っています。青汁はスゴいよ…!
— 小倉ヒラク (@o_hiraku) 2018年9月3日
つまり僕が言いたいことはだな。
自分のつくっているものは誰の役に立っていて、それはどれくらいの人数でどんな人達なのか?という「コミュニティのポートフォリオ」こそが最強の資産だということ。自分が誰と関わっているのかを見失わなければ、外の大きなものに振り回されなくてすむ。— 小倉ヒラク (@o_hiraku) 2018年9月3日
この一連のツイートは本当にそのとおりだなと思いました。(一部抜粋なので、他のツイートもぜひ合わせて読んでみてください)
大手ブランドや大手セレクトショップも、出版社のようになってきた。
そして、僕は洋服が好きだから思うのですが、今の大手ブランドや大手セレクトショップも、徐々に出版社のようになってきている気がするんです。
「利益率がいいから」という理由で実店舗の数を減らし、どんどんECサイトに流れている。
その結果、販売員が育たない。
お客さんとの関係性が育たない。
結果として、そこにコミュニティや文化も育たない。
だからこそ、わかりやすいインフルエンサーを引っ張ってきて、そのインフルエンサーが持っているコミュニティを拝借する状態になっているんだと思います。
コミュニティづくりを重視してみる。
今の洋服の売り方に対して何か違和感を感じているところがあるとすれば、完全にここなんです。
確かに短期的に見たら、売上などの数字面は明確に改善されていくのかもしれません。
しかし長期的にみたら、そこにコミュニティがしっかりと育っているかは怪しいくて、ヒラクさんのいう“最強の資産”を自ら手放している状態にあるのかもしれない。
だからこそ、いま大手と真逆のことをやってみたらおもしろそうだなと。
具体的には、自分たちのことを応援してくれる人たちと、面と向かってしっかりとコミュニケーションをとりながら、コミュニティづくりのほうを重視していく。
僕のまわりでそれが一番上手だなと思うのは、やっぱりEVERY DENIMのおふたりなんです。
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最後に
大手がやらないことをやってみる。
それは、カウンターカルチャーやアンチテーゼという文脈ではなく、「◯◯のおかげで、今の自分がある」と思えるものを、これからの社会の変化に合わせて素直に実直に再現(拡大)してみることなのだと思います。
「世の中の流れがこうだから」とか「大きな企業がこうしているから」とか、そういった安易な理由でそれに追随する必要は全くないと思います。
何事においても、自分たちが一番納得感のあるチャレンジを仕掛けてみること。
メディアの枠を超えて、少しずつ新しいことにチャレンジする余裕もでてきました。
僕らも自分たちの理想のあり方を目指して、徐々に新しいチャレンジもしていけたらと思っています。
今日のお話がいつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても、何かしらの参考になれば幸いです。