本番前にどれだけ相手を知ることができるかで、勝負は決まる。

今日も、函館蔦屋書店さんに久しぶりに訪れて気づいたことを少しだけ。

居場所づくりは「馴染むこと」が肝心。 | 隠居系男子

許しを与えて、互いに承認し合える居場所づくり。 | 隠居系男子

完成前に、スタッフが現地に移住して函館の友だちを100人つくる。

函館蔦屋書店さんが函館に蔦屋書店をつくると決めたとき、一番最初に着手したことが、スタッフさんを現地に移住させ、函館市内に友だちを100人つくることだったそうです。

お店が完成する前から、移住したスタッフさんが現地の飲み屋さんなどに実際に足を運び、現地のひとたちと交流し続けたそうです。

そして実際に友だちを100人つくったことが、現在の函館蔦屋書店の成功に大きく寄与しているのだと聞きました。

その土地に暮らす人々に、ちゃんとヒアリングすることの重要性。

思うに、新しいものが受け入れられないときの原因は、「新しさ」じゃないと思います。

新しいものの中にある圧倒的な「異物感」、そこに直感的な拒絶反応を起こしてしまうことが要因なんだろうなあと僕は思います。

大切なことは、いつもこのブログにも書いているように「縦の系譜」を継いでいるかどうか。

つまりは、その土地のエッセンスを一滴、二滴たらしたような新しい場所にする必要があるんだと思います。

この土地に暮らす人たちが、どんな価値観を持っていて、何を誇りに思い、どこを残していきたいと思っているのか?

それをちゃんとヒアリングして、自分たちがつくりたいと思っている場所にその要素を取り入れることが重要なんだと思います。

「テツandトモ」の徹底的なヒアリング。

少し話は変わりますが、昨日行われたSUSONOのイベントで、お笑い芸人の髭男爵・山田ルイ53世さんが教えてくださった「あるあるネタ」の話にも、似たような事例がありました。

山田ルイ53世さん曰く、同じくお笑い芸人のテツandトモさんは、地方巡業でのリピート率が非常に高いそうです。

その要因は、現地の人たちへの徹底的なヒアリング。

一般的な芸人さんは、地方のあるあるネタを仕入れるときにインターネットで調べたり、テレビを観たりしながら、その土地の“あるある”を自分たちのネタの中に仕込むらしいのです。

しかし、テツandトモさんは、それだけにとどまらず、必ず自分たちの公演の前に、30分〜1時間程度ちゃんと時間をつくって、現地のひとにその土地のあるあるネタを徹底的にヒアリングするのだそう。

決して、ウィキペディアや『ケンミンSHOW』などを観ただけで判断しない。

そういうメディアを通して調べただけのネタは、案外現地の人が「そんなことないよ」となってしまってウケないことも多いらしく、ちゃんと現地のひとたちからリアルな話を聞くことが大事なのだそうです。

最後に

孫子の兵法の中にある、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉。

まさにこのとおりで、相手を知り、己を知っていれば何度戦っても敗れることはないんだろうなと。

お笑い(あるあるネタ)でも、コミュニティづくり(縦の系譜)でも、それはきっと同じこと。

今の時代は、己を知ることばかりに重きを置きがちですが、本当に大切なことは、相手を知り、その上で自分の得意とする分野にそのエッセンスをしっかりと落とし込むこと。

今年は、「聞く」時間と「書く」時間を増やしたいと書きましたが、僕がこれを大切にしたいと思う理由もこの文脈からだと気づきました。

いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても、今日のお話が何かしらの参考になったら幸いです。

[追伸]
本当にたまたまなんですが、本日の19時30分から配信予定のトーク番組「あっ、なんの話だっけ?」も、第2回目のテーマは「他者」です。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。