どうも鳥井です。
先日社内で「僕らのようなウェブメディアは、1〜2年かけて作り込んだコンテンツを作ってみてもいいんじゃないか?」という話をしました。
なんでそう思ったのか、このブログにも少し書き残しておこうと思います。
雑誌では難しいこと。
皆さんご存知の通り、雑誌には必ず締め切りがあります。
いついつまでに取材を終えて、いついつまでに校了して、という細かい締め切りが最初から決まっています。
実際に、雑誌編集者の方々のスケジュールを見せてもらうと、本当に凄まじいスケジュールで動いています。
僕らのようなウェブメディアを中心に仕事をしている人間からすると、本当に驚いてしまうようなスケジュールです。
ウェブメディアが毎日更新をやめても、特段問題はない。
一方で、ウェブメディアも毎日たくさんのコンテンツを更新しなければいけないと思われているので、ものすごくタイトなスケジュールで動いていると思われがちです。
実際、そうやってスピード勝負でコンテンツを量産しているウェブメディアもあります。
でもウェブメディアの場合は、決まった校了のタイミングがあるわけではありませんから、究極のところ、コンテンツを更新しなかったら更新しなくてもいい。
それですぐさま、廃刊に追いやられてしまうわけでもありません。
もちろん、そんな状況下でも、毎日のように自分たちが更新すると決めたタイミングで更新していくことが、メディアに対しての信頼性へとつながっていくわけですから、更新のペース安易に変更してはいけません。それは大前提です。
でも、雑誌ほど深刻な話ではない。自分たちのリソース配分の仕方は、案外自由自在です。
さらに、以前チェコさんが「スチーヴ」のイベントに遊びに来てくれた際に書いてくれたブログのような声も、実際あったりします。
本当は、もっとゆっくりやって欲しい。/くらしのきほん×箱庭×灯台もと暮らし #スチーブ – チェコ好きの日記
ウェブメディアは本当に毎日更新するべきなのか? | 隠居系男子
だからこそ、ウェブメディアの時間軸とは全く別の時間軸で、1〜2年かけて渾身の1本を作ってみるというのは、とてもおもしろそうだなと思ったのです。
サグラダファミリアみたいなコンテンツ?
実は、この着想にはヒントがありました。
以前、某ウェブメディアの代表の方とお話していたときに、「うちにはいつまでも完成しないコンテンツがある。社内ではサグラダファミリアみたいなコンテンツって呼ばれているんだけど。」って半分笑いながらおっしゃっていて、それがずっと自分の中に印象として強く残っていたんです。
しかもそれは、読者目線の「読みたい!」という感情よりも製作者目線で、です。
いつまでも完成しないコンテンツが社内で淡々と作られている、それが公開されるタイミングを考えただけでも、製作者側としてなんだかワクワクしてきませんか?
そんなワクワク感というか、楽しみや高揚感みたいなものが、今のウェブメディア業界には圧倒的に足りないと思うのです。
一緒にコンテンツを作り込んでみたいと思える仲間が増えてきた。
また、上述した話をどうしてこのタイミングで思い出したのかといえば、自分たちのまわりに、価値観を同じくして「一緒におもしろいものを作ろう!」と思える仲間が増えてきたことがあります。
現状、うちの会社の社員は、ライティングと編集、あとは撮影ができるメンバーしかいません。
そのメンバーの能力を駆使して、圧倒的に作り込んだコンテンツを作ろうとしてみても、やはり限界があります。
でも、デザインやサイトの見せ方もなども含めれば、いくらでも作り込むことは可能です。
最近、そんなスペシャリストの方々と繋がる機会が徐々に増えてきました。
具体的には、今もとくらのアートディレクションをお願いしているおぎゆかさんや、Lucky Brothers & co.のおふたりなど、一緒におもしろいことを仕掛けようと思える同士が社内外に増えてきたのです。
このタイミングであれば、作り込んだコンテンツを仕掛けていくこともできるのかもしれないなと。
最後に
今年の夏の2大映画といえば、やはり「シン・ゴジラ」と「君の名は。」で間違いないと思います。
このふたつの映画に共通する点があるとすれば、それはどちらも制作期間が比較的長かったということではないでしょうか。
「ポケモンGO」と「シン・ゴジラ」の共通点。 | 隠居系男子
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もう既に数で勝負をするような時代じゃない。数で勝負したら絶対にキュレーションサイトには負けてしまいますし、インスタントなコンテンツにユーザーはドンドン飽き始めています。
だからこそ、今のウェブメディアの流れに逆行して、ドンドン作り込んで凝縮していく作業が必要になってくるんじゃないかなと。
まさに、youtube上に大量に公開されているインスタントな動画と、この2大映画の関係性のように。
「灯台もと暮らし」のような少し変わったウェブメディアは、そんな作り込むコンテンツをそろそろ仕掛けていくタイミングなのではないかなと思った次第です。
それでは今日はこのへんで。
ではではー!